雑で読めない子どもの字 改善のコツは、声かけにあり!?

子どもの字が雑、と悩む保護者は意外と多いようです。字が雑なことで、テストの解答が正しく判読されず、減点につながることも。宿題や作文の見直しもひと苦労です。上手じゃなくてもいいから丁寧に書いてほしいというのが保護者の思い。どうすれば雑な字は改善できるのでしょうか。

字が雑なのは頭の回転が速いから!?

小学校に上がると子どもがノートをとるようになります。最初は、字の練習ということもあり、1マス1マス丁寧に書かれていた文字。でも、徐々に字を書くことに慣れていくと、だんだん雑さが目立ってくるように。
もちろん、子どもによって異なります。どちらかというと女の子は、几帳面で、ノートもきれい。字も丁寧に書くことが多いようです。
母親はそんな「女の子時代」を経ているので、男の子のノートを見ると、その雑さに愕然としてしまいがち。

字が雑だと、テストの解答を読み間違われて減点につながったり、自分で書いた文字が読めず慌てたり、相手に正しく伝えたいことが伝わらないことも…。保護者としては、「これで大丈夫?」と心配になってしまいますよね。でも、字が雑なことは実はそんなに悪いことばかりでもないようです。

一説によれば、頭の回転が速い人は字が雑という考え方もあるようですよ。それは、頭の回転が速くて、そのスピードに合わせて書くと雑になってしまうから、なのだとか。
せっかく勢いよく頭が回転しているのに、それを止めてしまうのはなんだかもったいない気もします。

また、字はある意味、性格の一部であるとも考えられます。
例えば、整理整頓が苦手な子どもに、どんなに極意を教えてもなかなか習得できないということがあります。それと同様、丁寧に書くように言っても、難しいことも。あまり細かく、厳しく指導するのは子どもの感性や伸びる力を潰しかねません。とはいえ、このまま放っておくのも…というときは、声かけを実践してみるのもいいかもしれませんよ。

なぜ雑な字になるのかを考える

字が雑なことを、何度も叱ったり、書ける文字を改めて書かせたりすれば、子どもは勉強自体を嫌いになってしまう可能性があります。
単純に字が雑、という結果だけでなく、どうして字が雑なのかという過程を考えてみましょう。それが、頭の回転の速さゆえなら、そんなに憂えることもないかもしれません。
しかし、書くのが面倒くさいなどの理由であれば、子どもが字をきれいに書くメリットを教えてあげることで子どもの気持ちを変えられるのでは。
メリットは、声かけで教えてあげられるといいですね。

声かけの例としては、
「○○ちゃんが書いている「う」は、「ろ」に見えるよ」とか
「この「0」は「6」に見えるね」など、
第三者の視点で、その字を読む人からどう見えるかを指摘することで、子どもに気づきを与えることができます。

ちなみに子どもが迷う声かけパターンは、
「もっと丁寧に字を書きなさい」です。
これは、具体性がうすく、何をしたらよいかわからず、しかも命令的。子どもにとっても反発を感じるばかりで受け入れがたい声かけではないでしょうか。

また、保護者や先生が「字をきれいに書いてくれたら、うれしいな」という思いを伝えるのも、子どもが「きれいに書こう」という気持ちを高めてくれる声かけです。喜んでもらえる、ほめてもらえる、という状況は子どものやる気をかきたてます。

子どもが好奇心をもって楽しく、精力的に勉強しているのであれば、字が雑ということはそんなに問題ないでしょう。ただ、きれいに書く、丁寧に書くということは読み手への思いやりなのだということは気づかせてあげたいですね。それに気づけば、雑な字にも変化するかもしれません。

参考:『小学生の学力は「ノート」で伸びる!』 親野智可等 著(すばる舎)

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