とにかく字が汚い小学生の我が子 どうすればきれいに書ける?
- 学習
赤ペン先生をやっていても、「子どもに字をきれいに書いてほしい」というおうちのかたの気持ちがよく伝わってきます。「上手な字ではなくても、せめて丁寧に書いてほしい」というのがおうちのかたの切なる願いではないでしょうか。
3、4年生の頃は、ちょうど字を書くことに慣れてきて書く量も多くなる時期なので、早く書きたいという気持ちから乱雑な字になりがちです。大目に見てあげることも必要だと思います。
次に、おうちのかたからよくご相談を受ける具体的なケースをご紹介しますので、改善方法のひとつとして参考にしていただければと思います。
(赤ペン先生 吉田)
字が濃すぎる・薄すぎる
学校で指定されている場合もあるようですが、鉛筆の濃さで調節するのがよいと思います。一般的に、低学年はBまたは2B、高学年は、HB、B、2Bが適しているとされていますが、筆圧が強い子は、B、HB、弱い子は、2Bくらいがよいようです。形は、三角形、六角形がおすすめで、とくに三角形が持ちやすいとされています。その子にあった鉛筆を使用することで書きやすくなるため、字の形や丁寧さまで改善されることもあるようです。
消しゴムをうまく使えない
消して書き直すという行為は子どもにとっては、結構大変です。特に、作文などのように長い文章を書くときは、消して書き直すことが増えると、それだけで書く意欲を失ってしまう場合もあります。そんなときは、おうちのかたが、横からきれいに消してあげることをおすすめします。そうすると、子どもは書くことに集中できます。また、消してもらえると嬉しくて書く意欲が低下しにくくなります。
楽をすることを覚えてしまうのでは…と懸念されるかもしれませんが、子どもは、目の前でおうちのかたが、正しい消し方できれいに消すところをじっと見ているので、消しゴムの使い方を自然に習得できます。また、きれいに消した箇所に書き直すという心地よさも同時に体験できるので、ひとりで書くときも、きちんと消してから書き直そうとするようになります。
欄からはみ出したり、まっすぐに線が書けない
なぞり書きをおすすめします。特に、新出漢字を覚えるときにこの方法が有効です。ゆっくり、くり返しなぞるのがポイントです。徐々に手が感覚を覚えていくので、字の大きさや線の向き、バランスなどが改善されることが多いようです。また、ゆっくり書くことで丁寧に書くことも覚えます。
漢字がきれいに書けない
漢字は、「出る・出ない」「とめ・はね」「線の長短」が正しく書けていればよいと考えます。できていないところだけを指摘するのではなく、できているところを認めることによって、できていないところに気づかせるほうが効果的です。
「赤ペン先生の問題」の漢字指導でも、一文字でも、一部分でも丁寧なところや正しく書けているところがあったら、大いにほめます。「はねるところに気をつけてとてもきれいに書けたね。」「線の長さに気をつけてえらい!」「お手本みたいにきれい!」などとほめます。そうすると、漢字の問題だけでも、その子なりに丁寧に書いてくるようになります。中には見違えるようになる子もいます。
まとめ & 実践 TIPS
そもそも子どもは、「字を丁寧に書く」という意識が低いため、まず、その意識をもたせることからはじめるのがよいと思います。そのためには、「自分の書いた字を読み直す」「人に読んでもらうという意識づけをする」ことです。一度に全ての字を丁寧に書くことは難しいので、はじめは、漢字の書き取りなど、一つに絞って「丁寧に書く」ことを実行していくとをおすすめします。
我が家の長男も字を書くのが嫌いで、なかなか丁寧に書けませんでした。ある日、学校から帰ってきたときに、「ぼく、字が上手みたい。先生にほめられた。」と嬉しそうに私に話してくれたことがありました。そのときからです。ガラッと意識が変わったのは。「自分は字が上手だ!」と思うようになったのです。ほめられると自信になります。丁寧な字を書くことの気持ちよさを知ると、子どもは嬉しくなり、次も丁寧に書こうと思うようになります。「すかさず、いっぱいほめる」ことが、子どもの意識を変えることにつながります。
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