国語の文章読解が苦手なお子さまにオススメ——接続詞「では」に注目!——

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国語の文章問題について、「何度読んでも内容がよくわからない」、「問題に答えられない」という話をお子さまから聞いたことはありませんか? 文章を読んでも内容がよくわからないような場合、実はやみくもに文章を読んでいることが原因かもしれません。そこで今回は、「では」に注目した読み方で、文章読解がしやすくなるコツをお伝えします。

説明文や評論文とはどのような文章?

文章にはさまざまなジャンルがありますが、お子さまが特に苦手としやすいジャンルは、説明文や評論文と呼ばれるものです。説明文や評論文とは、「筆者が何か主張したいことがあって書いた文章」のことです。筆者は「自分の主張を読者にわかってほしい」、「自分の考えに納得してほしい」と思い、文章を書いています。筆者は文章の中で、自ら問いを立て、それに自分で答える形で自分の考えを示します。一方で、テストや入試問題の出題者は、筆者の問いや主張をお子さまに読み取ってほしいというメッセージをもって、問題を作っています。つまり、説明文や評論文の文章問題を解くうえで、「筆者の問いと主張をどれだけ正確に読み取れるか」が勝負となります。たとえば、次のような文章があったとします。

電子機器を使ったコミュニケーションには、さまざまなものがあります。たとえば、電話やメール、チャットなどです。最近では、インターネットを介した、テレビ電話が使われることも多いです。これらを用いたコミュニケーションは、自分の伝えたいことをすぐに相手に伝えることができるので、利便性がとても高いです。しかし、使い方を誤ってしまうと、相手を傷つけたり、不快な気持ちにさせてしまったりすることがあります。では、電子機器を使ったコミュニケーションにおいては、どのようなことに気を付ければよいでしょうか。

(執筆者作成)

このような文章を読んだときに、お子さまは読み慣れない言葉(「電子機器」など)や、意味の難しい言葉(「利便性」など)につまずいてしまい、筆者が「何を問いとしたり、主張したりしているのか?」を読み誤ってしまうことがあります。もちろん、言葉の意味を知っていることは大切ですが、それだけでは文章の内容を理解することは難しいです。そこで、文章の内容を理解するために注目したいのは、「では」という接続詞です。

  • ・説明文や評論文には問いと主張がある。
  • ・問いと主張を正確に読むようにする。

「では」に注目すると、「問い」と「主張」が見つけやすくなる!

「では」は、話題の転換や提案をするときに使われる接続詞です。そして、説明文や評論文では、その文末に「~か」の投げかけを付けて、問いを立てることが多いです。上記の文章でいいますと、「では、~どのようなことに気をつければよいでしょうか。」が問いにあたるので、そこに注目するようにします。
筆者は、この「では、~か。」というかたちで問いを立て、主張を支える根拠を挙げながら自分の主張をします。その根拠として挙げられるものは、具体例や数字を使ったデータなどです。文章中に投げかけがあるということは、それに対する答え(主張)が必ずあります。出題者としては、筆者の問いや主張、その根拠として挙げたものをお子さまに読み取ってほしいので、そこを問うことになります。
実際にお子さまが文章を読み進めていく際には、問いやその答え(主張)を見つけるようにアドバイスしてください。文章中に「では」が出てきたときには、丸で囲んだり、印を付けたりすることを促し、お子さま自身が意識できるようにするとよいでしょう。

  • ・「では」は筆者の「問い」になる。
  • ・「問い」の答えを探すように文章を読む。

まとめ & 実践 TIPS

わからない言葉があったり、問題が解けなかったりすると、文章を読むことが嫌いになってしまうお子さまも多いと思います。ですが、「では」に注目しながら文章を読んでいくと、理解のスピードが上がり、「文章が読めた!」「問題が解けた!」という経験ができ、苦手意識の克服につながっていきます。このように「では」に注目しながら読んでいく練習を、普段の読書の中などでもお子さまと実践してみてください。

株式会社プランディット 国語課 宮城(みやぎ)
ベネッセグループの教材制作専門会社・プランディットで進研ゼミを中心に、小学校から高校までの国語教材の企画制作を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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