文章の接続語をうまく使うことができません[中学受験]

平山入試研究所の小泉浩明さんが、中学受験・志望校合格を目指す親子にアドバイスする実践的なコーナーです。保護者のかたから寄せられた疑問に小泉さんが回答します。


【質問】

国語の接続語をうまく使うことができません。お風呂に入った時に、子どもに質問をして、その答えを必ず接続語を使って説明させる練習をしていますが、なかなか上達しません。よい勉強方法はありますか?

相談者:小6女子(わんぱくなタイプ)のお母さま



【回答】

接続語は「分類」などをしっかり覚えてマスターする


■接続語はなぜ大切か

接続語は文章を読み書きする時に、重要な役割を果たします。それは、「語句と語句」「文と文」「段落と段落」などのつながり方を示すというものです。そうした役割がなぜ重要なのかといえば、文章を読む時には次の展開を示してくれるからです。また、文章を書く時には、次に書くべきことが決まってくるからです。たとえば、「なぜなら」という接続語が出てきたら、次は“前の内容の理由を説明する文章が出てくる”ことが予想されます。そして予想どおりの文章であれば、より速く確実に内容を理解することができるでしょう。

また、文章を書く時に「たとえば」という接続語を使ったら、次には具体例を書くことになります。そうすることで、書いた内容が読み手に、より正確に伝わることが期待できるのです。このように、接続語は文章を上手に読み書きするためのカギとなる大切な言葉なのです。

■まず接続語の「分類」「例」「働き」を覚える

さて、接続語を上手に使えるようになるにはどうしたらよいでしょうか。そのためにはまず、接続語の「分類」「例」「働き」を覚えることです。接続語の分類についてはいろいろな分け方があるようですが、皆さんが通っている塾や使っている参考書の分類方法でよいでしょう。たとえば、「順接‐だから」「逆接‐しかし」「説明(まとめ‐つまり・理由‐なぜなら・補足‐ただし)」「例示‐たとえば」「添加‐さらに」「並列‐また」「選択‐または」「転換‐さて」というように分類とその例をセットで覚えましょう。もちろんそれぞれの「働き」も、「順接‐当然の結果があとにくる」と言えるように覚えます。

こうして「分類」「例」「働き」を言えるようになることで、自由自在に接続語を使えるようになります。たとえば、接続の穴埋め問題を解く時に何となく「しかし」を入れるのではなく、「穴の前後の関係が『逆接』になっているから、『しかし』が入る」などと考えられようになります。また、文章を読む時には、「さらに」がきたら「添加」の接続語だから「次は何らかの内容が付け加わる」と予想できるのです。

■短文をつくる

接続語の「分類」「例」「働き」を覚えたら、次はそれらを使って短文をつくる練習をしましょう。「雨が降ってきた。そこで、持ってきたカサをさした。」などと、お子さまが一人で例文をつくるのもよいでしょう。あるいは、「夜になって冷え込んできた。だから…」と前半の例文を与え、「ストーブをつけよう。」などと後半をお子さまに考えさせるのもよいでしょう。あるいは、既に実施されているように、「質問をして、必ず接続詞を使って説明させ」るのもよいと思います。また、下記のように適当に接続語を並べて、その間に文を当てはめていき、1つの文章を完成させるというのもおもしろいかもしれません。

だから、しかし、また、さらに、つまり、なぜなら、さて
「明日は遠足だ。だから、行く準備をしよう。しかし、何を持って行くかわからない。また、どこに行くかも知らない。さらに、何時に集まるかもわからない。つまり、何もわかってないということだ。なぜなら、カゼで学校を1週間休んでいたからだ。さて、どうしよう。そうだ、友達に電話して聞いてみよう。」

というような感じです。決まった接続語の間に入れ込むという制約がありますから、あまりよい文章はつくれないかもしれませんが、接続語が正しく使われていればよいということにしましょう。こうした練習を続けていくと、接続語が文章の方向を決めることを実感できるようになると思います。

■問題文の中で働きを実感させる

こうして接続語に慣れてきたら、次は接続語の穴埋め問題をやらせるとよいでしょう。入試問題では、かなり紛らわしいものが出題されます。分類や役割をしっかり理解して、穴の前後の関係から入れるべき接続語を決めないと、正解にならないものも少なくありません。しかし、接続語をしっかりマスターすれば、接続語の問題は高い確率で解けるようになると思います。また、接続語が出てきたら、そのあとの文章を読む前に、展開を予想させるのも読解力を付ける練習になります。あるいは、記述問題を書く時は、接続語を使ったいくつかの「型」を知っていると答案がぐんと書きやすくなるでしょう。たとえば、「Aは…である。一方、Bは…である。」といった具合です。

国語学習では必ず勉強する「接続語」ですが、「分類」をしっかり覚えていない場合が少なくありません。説明的文章が苦手なお子さまは特に、文章を読み書きするための重要なアイテムである接続語をしっかりマスターしましょう。


プロフィール


小泉浩明

桐朋中学・高校、慶応大学卒。米国にてMBA取得後、予備校や塾を開校。現在は平山入試研究所を設立、教材開発など教務研究に専念。著作に「まとめ これだけ!国語(森上教育研究所スキル研究会)」などがある。

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