これからの時代に必要な「読解力」の伸ばし方 子どものうちからできることは
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読解力は一般的に「文章を読み解く力」と理解されています。
今回は、これからの新しい時代を生きる子どもたちに身につけてほしい「読解力」について、小学校段階から意識しておきたいポイントをお伝えいたします。
「読解力」=「新しい価値を創造する力」につながる
「読解力」とは、私たちが「言葉を使って思考し、判断し、表現する」力のこと。
AIやIoTなどの進展による社会変革や、さまざまな社会課題に対応していくお子さまの将来にとって、「読解力」は不可欠です。「読解力」は、「言葉を使って思考し、判断し、表現する」こと、つまり「新しい価値を創造する力」につながるからです。
OECDでは、「The OECD Learning Compass 2030」の中で、子どもたちがこれからの社会を生きるためにどんな力が必要になるのかを、「新しい価値を創造する力/緊張や葛藤の調整力/責任をとる力」として定義しています。
おうちでできる「読解力」の伸ばし方 読んだ本についての会話
読解力をつけるのにおすすめなのが「読んだ本についての会話」です。
とはいえ、本が苦手なお子さまも中にはいらっしゃるでしょう。まずはジャンルを特定せず、お子さまが読みたい本を選ぶとよいでしょう。マンガのノベライズでも子ども新聞でも攻略本でも図鑑でも何でもよいです。
その上で、お子さまが読む本におうちのかたも興味を持って一緒に読み、「どこがおもしろかった?」「◯◯ちゃんの、登場人物の“推し”は誰?」「“大発見”はあった?」「私は『コレはないな~』って思ったんだけど、◯◯ちゃんはどう思った?」など、読んだ本についてお子さまと会話してみましょう。
投げかけをすることで、文章全体の構成をつかむ力、要約する力、細部の叙述に注目して想像する力などが身につきます。
また、低学年では、クイズを出し合うように「お話に“出てこない人”を当てよう」「この内容は書いてあった? 書いていなかった?」などの会話で遊んでみるのも、よいでしょう。
ただし、どちらの場合も、「理解度を確かめるテスト」のような会話になってしまうと、読書の楽しみ自体をそいでしまうので、注意が必要です。お子さまが主体的な興味を持って本と向き合えるように、あくまで「楽しいおしゃべり」や「クイズ」のように会話ができるといいですね。
- ・読んだ本について楽しく会話し、読解力の基礎を育む。
- ・主体的な興味を持って読書ができるようになり、理解度も高まる。
日頃の会話を、「単語」でなく「文章」にする
「言葉を使って思考し、判断し、表現する」力を伸ばしていくために、「単語レベルではなく、文章レベルの会話をする」のがオススメです。「文章レベル」の会話とは,主語・述語の入った文をつなげて事柄の関係などがわかる会話のこと。
例えば、「○○をして楽しかった」とお子さまが言った際に、「何をして、どう楽しかった?」と深掘りして聞いてみて、語ってもらうなどしてみましょう。
話題は、学校や習い事の出来事でも、興味のあることでも、テレビや動画のことでも、ニュースなどの話題でも、何でも構いません。
また、「1日1回この時間に」などと、おうちのかたに存分に話を聞いてもらえる機会を設けることは、読解力の向上だけでなくお子さまの自己肯定感の醸成にもつながることでしょう。
- ・単語レベルではなく、文章で会話するようにする。
まとめ & 実践 TIPS
「言葉を使って思考し、判断し、表現する」力である読解力は、勉強にとどまらず、日常生活でも意識的に伸ばしていける力です。日々会話や読書をする中で、さまざまな文章表現のおもしろさに気づいたり、情報を理解して主体的に考えたりする経験の積み重ねで、お子さまの力が伸びていくでしょう。
株式会社プランディット 国語課 山内(やまうち)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの国語の教材編集を担当。
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