小学校1年生の息子、小さい意地悪をされているようです[教えて!親野先生]

今週の相談

 

息子は小さい頃から気が弱く、いつも泣かされる立場にありました。小学校にあがってもそれは変わらず、いろいろ小さい意地悪をされているようです。真新しい鉛筆を短くなるまで削られてしまったり、ペンケースに「バカ」と書かれた紙が入っていたり、下敷きを折られたり……。一つひとつはとても小さいことですし、加害者もその都度違うようなので、深刻な「イジメ」というほどのものではないでしょうが、本人はだんだん学校に対する前向きな気持ちをなくしてきているようです。

母である私にそういったことを言いたくないようで、そういったトラブルについて本人からは言ってきません。上記のことは物的証拠があったので、私が気付いて聞いてみたところ発覚したのですが、言葉の意地悪などもおそらくあるのではないかと思ってしまいます。

先日、思いきって担任の先生にこれらのことをお話したところ、息子が加害者だと言っている子どもさんに確認してくれました。それと、クラス全体に相手が嫌がることをするのはよくないということをお話してくれたようです。息子にも「今後もこういうことがあったらすぐに先生に言ってね」と話してくれたようで、息子も少し明るくなってきたような感じを受けました。

ただ、親としては本人の力でこうしたことを解決する力をもってほしいのです。持って生まれた性格だとは思いますが、こういうタイプの子どもが精神的に強くなるにはどんな方法があるでしょうか。私は勉強面をしっかり理解できるようにしたら自信を持って学校へ通えると思い、少しではありますが、先取りをして勉強をさせています。本人も「自分は勉強は得意だ」という気持ちはあるようですが、それが精神的な強さになってはいないようです。(のぞみ)

 

【親野先生のアドバイス】

のぞみさん、拝読いたしました。

「真新しい鉛筆を短くなるまで削られてしまったり、ペンケースに「バカ」と書かれた紙が入っていたり、下敷きを折られたり……。」

このようなことは、本人にとってはとても辛いことだと思います。これらのなかのひとつだけでも、かなり傷つくはずです。このようなことがあったら、すぐに担任の先生に連絡した方がいいと思います。そして、きちんと対応してもらった方がいいでしょう。担任にしてみても、言ってもらった方がいいと思いますよ。その都度きちんと指導しておかないと、いつまでも繰り返し行われることになるからです。また、放っておくと、それが、クラス中に広がることも考えられますから。何か1つ問題が出たときに、きちんと指導しておくのと見過ごすのとでは、その後が大きく違ってくると思います。

「母である私にそういったことを言いたくないようで、そういったトラブルについて本人からは言ってきません」

このような場合、なかなか子どもは親に言わないものです。というのも、子どもなりにプライドがあるからです。それで、自分がそのような目に遭っているということは、言いたくないのです。それに、親に心配かけたくないと思って言わない子もかなりいます。

そこで、3つの方法を提案させていただきます。

1つ目は、本人からうまく話を引き出すことです。これは、「親力診断テスト」の第30回「子供の話をうまく引き出すには?」に書いた方法です。

「○○君はこのごろどう?」というように、我が子にそれとなく話しかけるのです。「○○君」というのは、我が子の友達の中で親が少し気になっている子です。このように話しかけることで、○○君のことを話し出すかもしれません。そして、話しているうちに、だんだんその子と自分の関係に話が及ぶ可能性もあります。

2つ目は、担任から聞くことです。電話、本読みカード、メモ、連絡帳などを使って担任と連絡を取り合うのもいいですね。家での様子を知らせれば、返事として、学校での様子を知らせてくれるかもしれません。

3つ目は、他の子に聞くことです。「このごろ、うちの○○はどう?」などと、聞いてみるのもいいでしょう。思いがけないことがわかるかも知れません。そのような機会がもてない場合は、他の子の親に頼んで聞いてもらうのもいいと思います。

「上記のことは物的証拠があったので、私が気付いて聞いてみたところ発覚したのです」

お母さんが気づいてやれてよかったと思います。立派なお母さんだと思います。もし、お母さんが気づかないでいたら、どうなっていたでしょう?

この例でも分かるように、親が子どもの持ち物に敏感に注意していることが大切です。子どもの学校での生活の様子が、持ち物に映し出されることがかなりあるからです。あるはずの物がなくなっていたり、ないはずの物があったり、壊れていたり、汚れていたり、落書きがあったり……。これらは、全て、その子の学校での生活を表しているのです。ですから、親は、子どもの持ち物からいろいろなことを読み取ってやってほしいと思います。

「嫌がることをするのはよくないということをお話してくれたようです」

担任がクラスの子どもたち全体にこのような話をすることは、大きな効果があります。「いじめは絶対に許さない」ということを、子どもたちに強くはっきり伝えることで、かなりの抑制効果があるのです。

「息子にも『今後もこういうことがあったらすぐに先生に言ってね』と話してくれたようで、息子も少し明るくなってきたような感じを受けました」

これも、とてもいいことです。子どもは、「先生が自分の味方だ」「先生が守ってくれる」という気持ちになるだけで、とても安心するものです。そして、ときには親に言えないことを言ってくる場合もあります。担任に頼んで、時々このように子どもにささやいてくれるようにしてもらうとさらにいいと思います。1週間に一度くらい言ってもらうといいですね。

「持って生まれた性格だとは思いますが、こういうタイプの子どもが精神的に強くなるにはどんな方法があるでしょうか」

お気づきのように、好きなことや得意なことを伸ばしてやるのが一番です。これが何といっても一番です。これは自信がある、これは得意だというものをさらに伸ばしてやることです。この子の場合は、勉強が得意とのことですから、どんどん伸ばしてやってください。

私がいつもおすすめしている楽勉にも、どんどん取り組んでください。今はそれが精神的な強さにつながっていないように見えても、いずれつながってきます。これは間違いありません。絶対にそうなりますから大丈夫です。

学校においては、仲のよい友達ができるように大人が支援してやることも大切です。そういう友達が1人でもいれば、子どもは明るい気持ちで生活できるようになるものです。これは、担任に頼むといいでしょう。担任が意識していれば、うまが合いそうな子と接する機会を増やすことは、それほど難しいことではありません。席を隣にするとか、同じ係にするとか、休み時間に誘ってもらうようにするとか、いくらでもあります。

また、これと平行して、いろいろな人たちとの出会いの場を作ってやるといいと思います。本人次第ではありますが、サマーキャンプ、子どもセミナー、子ども体験教室などに参加させるのもいいかもしれません。そういういろいろな場で、まったく知らなかった子どもたちとの出会いや生活を経験することで、見違えるようにたくましくなったという話はけっこう聞きます。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。のぞみさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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