部活を頑張る君へ。上達に向けて「自分理論」を組み立てよう
運動部で頑張る中高生必見!「もっと上手くなりたい」という気持ちから、有名選手の理論を取り入れたり、コーチに意見をもらったりする中で、いろいろな意見がありすぎて、迷ってしまったことはありませんか?そんな時にどう考えればいいのでしょうか。オリンピック選手などトップアスリートを支えるメンタルコーチ・ファシリテーターの小田桐翔大さんにお話をうかがいました。
たくさんの理論に振り回されすぎた!
僕自身の中高生時代の経験を話したいと思います。僕は野球部で、甲子園に出てプロ野球選手になりたいという夢を持っていました。本や雑誌などでバッティングのいろんな理論を勉強し、「この理論のここを取り入れて、こっちの理論からはこれを参考にしよう」と考えながら練習するのを楽しんでいました。ですが、結局、自分のフォームがよく分からなくなり、何が正しくて何が悪いのか分からなくなってしまいました。
今思えば、もっと自分の感覚を大切にすればよかったなと思います。有名選手のフォームを表面的にまねることはできましたが、自分の感覚をあまり大事にしていませんでした。
そんな経験をした僕から、皆さんに「自分理論」を作ってみようと提案したいと思います。有名選手の理論やコーチの意見を取り入れながらも、最終的には自分の感覚を大切にする。それが「自分理論」です。特に、いろんな人からいろんなことを言われて迷っている、という人におすすめしたい考え方です。
「自分理論」は「自分とのコミュニケーション」からはじまる
自分とのコミュニケーションとは、自分の身体の声、心の声を聞いて対話することです。あるやり方を試してみたとき、「しっくりくる」とか「違和感がある」とか、自分なりの感覚が必ずあると思います。その感覚を大事にしてみましょう。やってみてすぐにしっくりこなくても、「もうしばらく試してみよう」と判断するのもいいと思います。
たとえ、イチロー選手の理論であっても、あなたにとってはマイナスかもしれません。「イチロー選手がこうしているんだから、絶対に正しいはずだ」と思い込んでしまい、自分の身体や心の声を無視するのは、とてももったいないことです。日頃から自分とのコミュニケーションの質を高めることを大事にして、他人の理論にすがっていないか、自分に無理矢理押しつけてしまっていないかと、振り返ってみましょう。そのようにして、勉強した理論を自分に取り入れるのか、あるいはそぎ落していくのかを、自分の身体と心と相談しながら決めることが大切です。