家族の協力で家の中に「テストモード」をつくろう
「勉強しなくちゃ」と分かっているのに、なかなか机に向かう気持ちが起こらない……。保護者のかたも子どものころには、そんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。勉強に集中する必要があるテスト前は、家族の協力で普段とは異なる「テストモード」の雰囲気を家庭につくると、やる気のスイッチが入りやすくなりますよ。
子どもと話し合って「特別ルール」を決めよう
現実逃避の気持ちからテレビやゲームをやめられず、いたずらに時間を浪費してしまうことがよくあります。普段からテレビやゲーム、スマホに関してルールを設けている家庭も多いと思いますが、テスト前は特に勉強に集中できるように特別ルールを決めましょう。例えば、テスト直前の1週間前から、「18時以降はゲーム禁止」「テレビは20時まで」「勉強中、スマホはリビングに置く」といったルールが考えられます。
大切なのは、親が一方的に決めるのではなく、子どもと話し合ってルールをつくり上げること。そのほうが「自分が決めたことだから」と、納得して守ろうとするはずです。保護者から「もし守れなかったらどうしようか」と問いかけ、子ども自身にルールを破ったときの罰則を考えてもらってもいいでしょう。
家族の協力で勉強に集中しやすい静かな環境をつくろう
テスト前は気持ちがナーバスになっていますから、ちょっとした物音などが気になって集中が途切れてしまいやすくなります。特に、きょうだいが遊ぶ声やテレビの音などが聞こえてくると、「自分は勉強しているのに……」と、いい気分にはならないものです。そこで子どもが勉強している最中は、テレビのボリュームを下げたり、きょうだいにも読書を促したりしてみましょう。家族が配慮して普段とは異なる環境をつくってあげると、その気遣いが本人に伝わって気持ちがグッと引き締まるはずです。
子どもと一緒に勉強をする姿勢を示そう
子どもが勉強しているときは、仕事関連や資格取得の勉強をしたり、本を読んだり、親自身も学んでいる姿を見せると、「自分も頑張らなきゃ」という気持ちになります。またテスト範囲表を見せてもらい、親も教科書を読んでみたり、時事問題について話し合ってみたりして、子どもが勉強している内容に関心があることを示せば、分からない問題などについて質問しやすくなるでしょう。
適度に息抜きを促そう
適度に息抜きを挟んだほうが集中力は持続するものですが、つい根をつめ過ぎてしまう子どももいます。そこで頑張って勉強していたら、ちょっと特別なデザートを作ってあげたり、小腹が空きそうな頃合いに軽食を用意してあげたり、息抜きができるように配慮してあげましょう。また、食事の時間は勉強とは関係ない話題を選び、何気ない会話をすることが気分転換になることもあります。ただし、息抜きのし過ぎには、くれぐれも注意しましょう。特に、ゲームやカラオケなど刺激の強い息抜きをすると、「もっと遊びたい」という気持ちになってやる気が低下してしまうことがあります。
少し離れた場所から見守ることも大切
反抗期の時期にある子どもなどは、勉強について親から関与されることを望まない場合もあります。独力で勉強しようとする気持ちが芽生えたことは大きな成長ですから、基本的には子どもの気持ちを尊重し、本人から要求があった場合を除いて、少し離れた場所から見守ってあげましょう。
ただし、親から何も言われないのを良いことに勉強をしないような場合は、定期テストの大切さ、計画的に勉強することの意味などを話し合うようにしましょう。その場合は、「叱る」のではなく、計画的に勉強する力が社会に出たときにどのように生きてくるか、保護者自身の体験を交えて話しながら、「一緒に考える」というスタンスが大切です。「テストでよい点を取る」ことだけでなく、計画的・自立的に勉強に取り組む力を身につけることが大切なのだと、お子さま自身が気づくことが重要です。