子どものほうが詳しい? 家庭でのICT指導に不安抱える保護者
子どもより自分のほうがパソコンなどに詳しいと思う一方で、ICT(情報通信技術)活用について子どもに教えるため、学校などからの自分自身への指導を望んでいる保護者が半数以上いることが総務省の調査でわかった。急速なICTの進歩についていけるか、保護者が不安を抱いていることがうかがえる。この点について、教育ジャーナリストの斎藤剛史氏に解説してもらった。
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2014(平成26)年3月にインターネットを通じて実施されたのは、「子どものICT利活用能力に係る保護者の意識に関する調査」。小学生から高校生までの子どもを持つ保護者4,800人から回答を得ました。ICTの活用能力が子どもの将来にとって必要かの問いには、保護者の92.7%が「そう思う」と答えています。
自分専用の携帯電話やスマートフォン(スマホ)を持っている子どもは、小1~3が21.0%、小4~6が30.3%、中学生が50.0%、高校生が86.1%。通信機能のあるゲーム端末は全体で50.7%が使用しており、特に注目されるのは、小4~6の63.4%が使っていることです。総務省は現在の小4を境に、小学校入学前からスマホやゲーム端末などに触れている子どもが、急増していると分析しています。
また、ICTについて子どもより自分のほうが詳しいと思っている保護者は、操作など技術面では69.4%、ネット利用の安全確保などでは77.5%。ICT活用について子どもに指導している保護者は50.6%とほぼ半数でした。
一方で、子どもに教えられるよう、学校や行政などによる自分自身への指導を望む保護者も53.4%(男性45.7%、女性64.0%)にのぼりました。急速に普及する通信機能付きゲーム端末などの機能を、十分に理解できない保護者も少なくないようです。ICTについて、子どものほうが詳しくなるかもしれないという不安を保護者が抱えている様子が垣間見えます。
出典:子どもにICTは必要…でも心配 保護者の半数が自分への指導望む -ベネッセ教育情報サイト