子どもにICTは必要…でも心配 保護者の半数が自分への指導望む-斎藤剛史-

子どもよりも自分のほうがパソコンなどICT(情報通信技術)に詳しいと思っている保護者が多い一方で、半数以上が子どもに指導するため自分自身への指導を望んでいることが、総務省の「子どものICT利活用能力に係る保護者の意識に関する調査(外部のPDFにリンク)」でわかりました。そこからは、まだ子どもには負けないという自信とともに、もしかしたら子どものほうが詳しいかもしれないという不安を抱いている保護者の姿が垣間見えます。

調査は2014(平成26)年3月にインターネットを通じて実施され、小学生から高校生までの子どもを持つ保護者4,800人から回答を得ました。ICTの活用能力が子どもの将来にとって必要かどうかでは、保護者の92.7%が「そう思う」と答えています。子どもが自分専用の携帯電話(ケータイ)やスマートフォン(スマホ)を持っているのは、小1~3が21.0%、小4~6が30.3%、中学生が50.0%、高校生が86.1%でした。また、情報通信機器として子どもが使用している端末は、デスクトップパソコンが全体で32.6%なのに対して、スマホは高校生の68.3%、中学生の35.6%など全体で38.2%、ノートパソコンは高校生の62.5%、中学生の54.6%など全体で51.6%、インターネットの通信機能のあるゲーム端末は小4~6の63.4%、中学生の54.1%など全体で50.7%が使っています。小4~6の6割以上が通信機能のあるゲーム端末を使っているのが注目されます。
さらに、小学校入学前当時に子どもが利用した情報通信端末について、高3と小1を比較すると、ノートパソコンは高3が4.3%、小1は21.8%、ゲーム端末は高3が6.3%、小1は21.5%などで、学年が下がるにつれて割合が高くなっています。これについて総務省は、現在の小4を境として小学校入学前からスマホやゲーム端末などに触れている子どもが急速に増加していると分析しています。

また、情報通信端末の使い方などICTスキルについて、子どもより自分のほうが詳しいと思っている保護者は、操作など技術面では69.4%、ネット利用の安全確保などでは77.5%となっており、子どもよりも技術や知識があると思っている保護者が多いようです。ただし、子どもがどんな目的で情報通信端末を使用しているかわからないという保護者の割合は、スマホが5.6%、ノートパソコンが6.5%でしたが、ゲーム端末は28.2%、通信機能のある音楽プレーヤーは15.0%などと高くなっています。どうやら、通信機能があるゲーム端末などが急速に普及しているのに対して、その機能が十分に理解できていない保護者も少なくないようです。
一方、ICT活用について子どもに指導している保護者は50.6%とほぼ半数でした。また、子どもに指導するために、自分自身への学校や行政などによる指導を望む保護者は53.4%(男性45.7%、女性64.0%)となっています。現在は子どもに機器の使用方法やネット上の危険性などICT活用を指導できるものの、ICTの進歩によりこれからも指導できるかどうか、保護者の半数以上、特に母親の6割以上が不安を抱えていることがうかがえます。


プロフィール


斎藤剛史

1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

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