九九をきっかけに算数が苦手にならないように 間違えやすい段の対策は?

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「九九」は算数・数学のなかでも、非常に重要な計算のきまりです。まずは九九を攻略することが、算数嫌いにしない第一歩です。

この記事のポイント

九九はどうやって覚える?

小学校の時に先生の前で九九を暗唱し、合格するまで何度も繰り返した記憶のある方が多いのではないでしょうか。
基本的に九九は音で覚えます。「ににんがし、にさんがろく」といったリズムで覚えることで、定着していきます。でも、これが間違いの1つの原因にもなるのです。

4の段と7の段を言い間違える

音で覚える場合に間違いを誘発する原因は、似たような音を持つ数字を混同してしまうことです。九九の中では、4と7の数字の音がそれにあたります。
4は九九の中では「し」、7は「しち」と発音します。よく覚えたての時期に「し」なのか「しち」なのかわからなくなるお子さまがいますが、3年や4年になってもうっかり間違えてしまうことが多いです。

この言い間違いをなくすためには、それぞれの数字をはっきり発音して覚えることが大切です。学校で暗唱させる目的の1つは正しい音で正しく覚えさせることにあります。目と耳から覚えることで、しっかり記憶に定着させることを狙っているのです。そのためご家庭でも大きい声で言いたくなる状況を作って、九九を正確に発音することを促しましょう。

  • 間違えやすい4の段と7の段は正確に発音する

数が大きいと暗算できない

九九の間違いが多いのは何の段の計算だと思いますか? 前述したように、7の段は4の段と混同しやすいため間違いが多いですが、ほかに6の段、8の段もよく間違えます。それと反対に間違いの少ない段は2の段、5の段です。
何が違うのでしょう。

6の段、7の段、8の段は間違えやすい

そもそもかけ算は、同じたし算を複数回続けたものですから、暗唱するときは頭の中でこっそりたし算をして答えているケースもあります。2ずつ増えたり5ずつ増えたりするものは、暗算しやすいのです。でも7ずつや8ずつ増えるとしたらどうでしょうか。頭の中で必死に計算しても計算ミスをしてしまうことも多いため、なかなか覚えられないというわけです。
一方で、このように頭の中で必死に暗算することで計算の基礎力が高まる効果もありますので、音だけで覚えていていつも間違えてしまう九九については、たし算を複数回続けたものであるというルールを伝えてあげて前後の九九とセットで覚えられるように練習しましょう。
また、日常のお買い物やお料理などの場面で九九クイズを出してあげ、間違えやすい九九を一緒に声に出して定着を促しましょう。

  • 覚えにくい6・7・8の段は、頭の中で暗算しながら繰り返し唱えて覚える

計算の力をつけるには、たくさんの量をこなすことが大事です。それで数感覚が徐々に養われるからです。
例えば9の段はそれほど覚えにくい段ではないようですが、それは九九を唱えていくうちに、十の位が1増えると一の位が1ずつ減るという数のきまりを自然と覚えていくからと思われます。

数のきまりを理解しておく

九九には数のきまりがあります。そのきまりを理解しておくと九九を忘れても導き出すことができます。
例えば、7の段を忘れた場合は、3の段と4の段の答えをたせば7の段の答えが求められます。また、かける数とかけられる数を入れ替えてもかけ算の答えは同じです。4×3の九九を忘れても3×4を思い出せればよいのです。

さらに、このきまりを活用すれば、九九より大きい計算の答えも筆算を使わなくても求めることができます。九九には、算数・数学への扉を開くに十分な知識が詰まっているのです。

まとめ & 実践 TIPS

このように九九は暗記するだけでなく、九九のきまりを理解することでも身に着けることができます。いろんな見方をすることによって数感覚を養い、算数・数学の面白さを少しでも感じてもらえればと願っています。

株式会社プランディット 数学課 村上
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの算数・数学の教材編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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