子どものいいところが見つからない[教えて!親野先生]

【質問】

 

お兄ちゃんはマイペースでだらしがなくて、おまけに弱虫で妹とけんかしても負けます。
反対に、妹はせっかちで、でしゃばりで、生意気でいばりんぼう、おまけに言い付けが多いです。
このように、子どもの短所ばかりが目についてしまい、いいところが見つかりません。(舞子 さん:小学2年生 男子、保育園年長 女子)


子どものいいところが見つからない

親野先生からのアドバイス

舞子さん、拝読いたしました。

舞子さんは、自分で「子どもの短所ばかりが目についてしまい、いいところが見つかりません」と書いていらっしゃいます。ということは、自覚があるということですね。
自覚しているのはすばらしいことです。自覚しないまま、子どもの短所を叱ってばかりの人がとても多いのが現実ですから。
では、その自覚の上に立って、さらに子どものよさを見られるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
これについて、おすすめなのがリフレーミングという手法です。

人は誰でも一定のフレーム(枠組み)で人や物事を見ています。
リフレーミングとは、自分のフレーム(枠組み)を一回こわして、まったく新しいフレームで見てみるということです。

たとえば、お兄ちゃんは「マイペースでだらしがなくて、おまけに弱虫で妹とけんかしても負けます」とのことですが、これは舞子さんの今のフレームではそう見えるということに過ぎません。これが絶対的な事実というわけではないのです。
別のフレームを持っている人が見れば、まったく別の見え方になります。もちろん別の人になることはできませんが、別のフレームで見ることはできます。そして、フレームを変えて見方を変えれば、短所に見えたことが実は長所かもしれないということに気付くことができます。

たとえば、「マイペース」というのは、他人に左右されずに自分のペースで生きられるということです。これは、長い人生を生きていくうえで非常に大切なことですから、長所でもあるのです。
「だらしがない」というのは、細かいことは気にしない大らかさがあるということです。こういう人だと、周りの人が安心して安らかに生活できます。
「弱虫で妹とけんかしても負ける」というのは、きっと優しい子なのではないでしょうか? 人と争ったり攻撃したりしたくないのでしょう。全体的に、温かみ・穏やかさ・優しさを感じさせる子ですね。こういう子なら、将来、仕事でも家庭でも、よい人間関係の中で気持ちよく生きていけると思います。

そして、妹は「せっかちで、でしゃばりで、生意気でいばりんぼう、負けるのが嫌いで、おまけに言い付けが多い」とのことです。
「せっかち」というのは物事をてきぱき処理できるということですね。
「でしゃばり」というのは、積極的で行動的なのです。
「生意気でいばりんぼう」というのは、やる気にあふれていてリーダーシップもあるということです。
「負けるのが嫌い」ということは、向上心があって努力家だということですね。
「言い付けが多い」というのは、まじめで正義感があるということです。
全体的に活力・ガッツ・やる気を感じさせますね。こういう子なら、大人になってもばりばり仕事ができそうです。仕事でもプライベートでも、目標に向かって努力し、どんどん達成していけると思います。

このように、フレームを変えてみることで、まったく違ったものが見えるようになります。
実際、ある一人の子に対して、お母さんとお父さんで見方が違ってくることがけっこうあります。たとえば、A君という一人の子に対して、お母さんは「落ち着きがない。しつけができていない」と感じても、お父さんは「活発で元気がある。子どもらしくていい」と感じるかもしれません。

そして、もう一つ言えることは、前者のような見方をする人はどの子に対しても、あるいはどの人に対しても、マイナス思考の減点主義で見てしまう傾向があるということです。同じように、後者のような人は、どんな人に対してもプラス思考の加点主義で見ます。
それどころか、子どもや人を見るときだけでなく、物事すべてにおいて似たような見方をしている可能性が高いのです。

たとえば、ゴールデンウイークの5連休があったとします。3日目の朝起きたとき、前者は「あー、休みもあと3日しかない」と思い、後者は「ラッキー、休みがまだ3日もある」と思うはずです。
このように、一事が万事ということがあります。ですから、まずはこういうところから、自分にちょっとした変化をもたらすといいと思います。
つまり、5連休の3日目の朝に「あー、休みもあと3日しかない」と思うようなことがあったら、すぐ別の角度から「ラッキー、休みがまだ3日もある」ととらえ直してみてください。同じように、何かマイナス思考の減点主義的なとらえ方をしたとき、自分でリフレーミングして、プラス思考でとらえ直してみるのです。
普段から、こういうことを意識的に心がけてください。すると、だんだんできるようになってきます。

また、「自分はマイナス思考だ」と感じる人は、「だから、自分はだめなんだ」と思う前に、これ自体をリフレーミングして「マイナス思考でよかった」ととらえ直してください。
そういう人は、まじめでこつこつ努力するタイプなので、先を見通して準備したり段取りを整えたりするのが得意なのです。
(プラス思考で楽天的な人は、このような用意周到さに欠ける点もありますので、気を付けましょう)。

このような、マイナス思考の自分だからこそ持っているよい点を、プラスにとらえ直すところから始めてください。今の自分を肯定すること、それがプラス思考への第一歩です。そして、マイナス思考の人がリフレーミングが自然にできるようになってくると、最初からプラス思考の人よりもさらに一段上に行けます。つまり、万事において多面的な見方ができるようになり、プラス思考とマイナス思考のいいとこ取りができるようになるのです。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
皆さんに幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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