【高校入試】「試験、うまくいかなかった…」おちこむ子どもにどう接する?

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満を持して本番を迎えた第1志望の高校入試。
緊張やプレッシャーから、「うまくいかなかった……」と意気消沈して帰宅する場合もあるかもしれません。そんな時、保護者はお子さまにどのように接するのがよいのでしょうか。
コーチングの視点で、一緒に考えていきたいと思います。

この記事のポイント

1. まずは自分が落ち着きを取り戻す

受験本番で手ごたえを得られなかったことに対して一番悔しい思いをしているのは当然お子さま自身です。
根掘り葉掘り原因を追及されたり、自分以上に落ち込まれたり動揺されると、お子さまの不安は増すばかり。必要以上に自分を責めたり、高校受験に失敗したらもうおしまいだと思いつめてしまったりすることにもなりかねません。

まずは大きな挑戦を終えたお子さまをねぎらい、余計な言葉を言わないように意識して、落ち着いて接するようにしましょう。

まだ結果は出ていないので、確定していない事実で思いつめないことが大切です。
「話したくなったらいつでも聞くよ」という雰囲気をつくり、もしお子さまが自暴自棄な言葉を投げかけてきても「あなたは今そう思っているんだね」と受け止めてあげてください。

意見を押しつけられたり思いを決めつけられたりすることなく「自分の話を聞いてもらえている」と感じられた時、人は安心感を得ることができます。

きっと、今お子さまに一番必要なのは、その安心感です。
原因を追及したりわかったつもりになったりすることなく、ただ聞く。
これに徹することが、保護者のかたにできる一番のサポートではないでしょうか。

2. 問題の「先」を見て、取るべき行動を考える

今起きている事象の何が「問題」なのか、そしてその問題がある前提でどうやって目標を達成するかを一緒に考えることが重要です。

では、ここでいう「目標」とは何でしょうか。
第1志望の高校に合格することではなく、きっと「お子さまが幸せな人生を歩むこと」なのではないでしょうか。

だとしたら、今「本命の受験で手ごたえが得られなかった」ということが今対応すべき「問題」ではないはずです。お子さまが幸せになるという未来に向けて、取るべき行動は何か。お子さまに問いかけながら、一緒に考えてあげてほしいのです。

たとえば、どうしても公立高校に通いたいというのであれば、万が一に備えて二次募集について調べておく、併願で受験した私立高校に行くのと二次募集に挑戦するのではどちらがよいか、それぞれどんなメリット・デメリットが考えられるか話し合っておく、などでもいいですね。

3.「未来」に向けて会話をする

「どうして失敗したんだろう」「なぜもっと勉強しなかったのだろう」と過去の自分を責めてしまうと、脳は失敗した理由や勉強をがんばれなかった理由を探してしまい、ますます落ち込むことになります。

そこでおすすめしたいのは意識を未来に向けて、「充実した楽しい高校生活」という目標が実現する前提で話すこと。

未来から見て「どうしたら高校生活をより充実したものにできそう?」などと考えると、やるべきこと、やりたいことは自然と見えてきます。未来に向けた質問をされると脳は活性化するからです。

もう終わってしまった受験の結果は変えられませんが、これから始まる高校生活を充実したものにするために自分から動くことはできます。未来はこれからつくれるのです。
お子さまの意識が未来に向けられるよう、さりげなく問いかけてあげるといいですね。

4. 成長の機会を奪わない

本番で悔いを残してしまったお子さまは、普段なら考えないようなことも考えてしまったり、これまで知らなかった自分の中の意外な一面と出合ってしまったりと、大きな葛藤(かっとう)を感じているはずです。

人は順調な時ではなく、思い通りにいかないピンチの時にこそ、傷つき、迷い、悩み、さまざまに思い巡らせ、広く深く思考を凝らします。まさに、大きく成長できる機会といえます。

だから保護者としてどれだけ我が事のように胸が痛み、つらい思いを味わっているとしても、口を出したり指示したりするなどして、お子さまの成長する機会を奪わないようにしてください。

ゴールは「合格」ではなく「幸せになること」と考えれば、そこにたどり着くルートは1つではありません。目的地を見失わなければ、「じゃあ次の道を試してみよう」と前を向くことはきっとできるはずです。
信じて、見守る。それは決して簡単なことではありませんが、お子さまがこの局面を乗りきって成長するための邪魔だけはしないようにしたいものですね。

まとめ & 実践 TIPS

入試本番で力を発揮しきれなかったと落ち込み、お子さまが自信を失いそうになっているとしたら「ただ聞く」「問題の先を見る」「意識を未来に向ける」というコーチ型の関わりで、応援してあげてください。お子さまが自分と向き合い、どんな結果だったとしてもそれを受け入れ、乗り越えた先にはきっと、より価値ある「結果」が得られているはずだと信じて。

プロフィール


中原絵里子

トラストコーチングスクール認定コーチ。自分を信頼し、周りからも信頼されるためのコミュニケーションの技術を学ぶ講座「トラストコーチングスクール」を提供する傍ら、目標達成に向けて伴走するパーソナルコーチングセッションも行っている。ライター、編集者としても活動中。
https://erikonakahara.com/

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