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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - その他のアレルギー
インフルエンザの予防接種を受けたとき、接種部位に浮腫(ふしゅ)が生じ、念のため抗アレルギー剤を服用しました。抗アレルギー剤を服用してまでインフルエンザの予防接種を受けるべきでしょうか。
昨年インフルエンザの予防接種を受けたとき、接種直後、接種部位に浮腫(ふしゅ:むくみ)が生じ、念のため抗アレルギー剤を服用しました。
そのことがあったため、今年は接種前にワクチンの皮膚テストを行って、局所にひどい反応が生じないことを確認してからワクチンの接種をし、同時に抗アレルギー剤を服用しています。抗アレルギー剤を服用してまで今後もインフルエンザの予防接種を続けるべきでしょうか。
インフルエンザの予防接種を受けることは、自分自身をインフルエンザから守るためだけでなく、その地域の流行を防ぐことにもなるということを考慮のうえ、最終的なご判断をなさってください。
予防接種にはふたつの意味があります。
ひとつは予防接種を受けることで自分自身がその病気にかかる可能性を低くすること(予防接種を受けてもかかることはありますが、その確率を下げることはできます)。
もうひとつは、ひとりでも多くの人が受けることで、その地域の流行を防ぐことです。
インフルエンザが流行すると真っ先に被害者になるのは体が弱った老人や免疫力が落ちた病人、次に免疫力のない幼い子どもたちです。
ぜんそくの患者さんは発作を起こしやすくなります。
特に家族や親しい友人や親戚(しんせき)など身近にそのような人がいる場合、予防接種を受けることは自分自身をインフルエンザから守るためだけでなく、自分にとって大切な人々の命を守るという意味もあります。
予防接種をしても100%発症を防ぐことはできませんし、インフルエンザの予防接種は麻疹(ましん)のような生ワクチンほどの高い防御率は期待できません。しかし、ほとんどの人が予防接種をした場合、流行を阻止できると言われています。
予防接種に含まれる成分にアレルギーがあり、じんましんや呼吸困難などの全身症状(アナフィラキシーとも言い、最も重いレベルの反応は意識障害を起こすアナフィラキシーショック)を起こしてしまうかたは接種することはできません。
しかし、局所に浮腫を起こす程度なら予防接種をすることは可能です。
一般的には抗アレルギー剤を飲んだくらいではアナフィラキシーを予防することは困難ですが、飲まないよりは多少症状を緩和できる可能性があると考えて、念のために処方することはあります。
インフルエンザの予防接種は任意ですので受けるのも受けないのも自由です。
ただ、予防接種には個人のレベルだけでなく、他人の健康も考慮する側面があることを知ったうえで、予防接種を受けることによって生ずるお子さんとご家族の利益と不利益を天秤(てんびん)にかけ、最終的なご判断をなさってください。