「体育」の授業、実技が苦手で点数が取れない!?

アンケート期間 2011/08/31~2011/09/1 回答者数:2,617人
アンケート対象:本サイトメンバー 小学生・中学生の子どもがいる保護者

※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある



実技4教科の「体育」について、小学生から中学生までのお子さまをお持ちの保護者にお子さまの成績や意欲等含めていろいろな角度から伺いました。困っていることやお子さまにすすめていることなどもお聞きしています。





「成績がよくない」割合は実技4教科中、「体育」が最も高い!

最初に、お子さまの「体育」の成績について伺いました。また、「体育」に関する習い事や部活動、クラブ活動の経験の有無についてもお聞きしています。

【図1 お子さまの「体育」の成績はいかがですか?】

図1 お子さまの「体育」の成績はいかがですか?

「子どもの『体育』の成績は、よい」という保護者は、全体の約32%。
一方、「よくない」という保護者は約17%で、実技4教科中最も高くなりました。ちなみに、体育以外の実技教科の成績が「よくない」という保護者の割合は、「音楽」「図工・美術」がそれぞれ約10%、「家庭科、技術・家庭」が約6%です。
また、「体育」に関する習い事や部活動、クラブ活動などについては、「子どもは経験している」という保護者が約67%に及びました。ほかの実技教科については「活動経験なし」が過半数ですから、「体育」の割合がいかに高いかがわかります。習い事や部活動などの数が多いためかもしれません。


どの学年にも「体育嫌い」は一定数いる!

続いて、お子さまが「体育」の授業をどう思っているかについて、保護者から見た印象を伺いました。

【図2 お子さまは、「体育」の授業が好きですか?(学年別)】

図2 お子さまは、「体育」の授業が好きですか?(学年別)

どの学年も、「子どもは『体育』の授業が好きである」という保護者の割合が多数を占めています。「小1」「小2」「小5」は8割以上、「小3」「小4」「小6」「中1」は7割以上、「中2」「中3」はやや下がりますが、それでも7割近くに達しています。
もっとも逆に言えば、「子どもは『体育』の授業が嫌いである」という保護者も、全学年に2~3割いるということになります。10人中2~3人ですから、決して少ないとは言えないのではないでしょうか。


「体育」の教科・授業で保護者はこんなことに困っている!

では保護者は、「体育」の教科・授業で何か困っていることはあるでしょうか。あったとしたら、どのようなことでしょうか。

【図3 「体育」の教科・授業で困っていることはありますか?(学年別)】

図3 「体育」の教科・授業で困っていることはありますか?(学年別)

「子どもの『体育』の教科・授業で困っている」という保護者は、どの学年にも1~2割程度いました。学年間の差が最も大きいのは「小1」と「小2」で、「困っていることがある」という「小2」の保護者は、「小1」の保護者の約2倍になるということがわかりました。
では、次に、保護者が困っていることをご紹介します。

◎成績が上がらなくて困っている
●「体育」の成績がいまひとつパッとしません。実技はともかく、ペーパーテストをどう勉強したらよいかがわからないようです(中1・女子の保護者)
●授業態度が悪いのか、実技の点数が全然伸びません。「体育」の成績が内申点の足を引っ張っています(中3・男子の保護者)
●娘は体を動かすことが苦手なので、実技で点数をとれません。そのため、ペーパーテストは毎回ほぼ満点なのに、成績は良くて5段階の4。運動神経はセンスというか才能というか、生まれつきのものが大きいはずだから、努力で補うには限界があるのではないでしょうか。そういうものに成績を左右されるのは、はっきり言って理不尽だと思います(中3・女子の保護者)

◎特定の種目ができなくて困っている
●水泳の授業で25mを泳げないのは友達のなかでうちの子だけだそうで、本人はとても気にしています(小3・男子の保護者)
●うちの子は、とにかく鉄棒が苦手です。頭が逆さになるのが怖いらしく、「逆上がりなんて絶対にしたくない」と言っています(小4・女子の保護者)
●マラソンがとても苦手です。本人は「気力も体力もないから無理」と開き直っています(小4・女子の保護者)

◎身長・体重などで困っている
●小3のころから太りはじめ、小5の今では立派な肥満児になってしまいました。以前は走るのが得意だったのに、今では運動全般が苦手です(小5・男子の保護者)
●娘は運動神経自体は良いものの、背がとても低いので、バレーボールやバスケットボールといった長身の子どもが有利なスポーツは苦手です。本人は努力でカバーしようとしているようですが、なかなか成果が出ず、かわいそうです(小5・女子の保護者)
●うちの子は体格が細く、ひょろひょろしているので、柔道の授業を嫌がります。いつも投げられてばかりいるようです(中3・男子の保護者)

◎体質・病気などで困っている
●子どもには喘息の持病があり、症状が出るとお医者さんから「体育」の授業は見学するように言われます。そのため、友達と同じように授業に参加できません(小2・女子の保護者)
●うちの子は体質的に物体を立体的に捉える力、いわゆる立体視が弱いので、平均台やバランスボールを怖がります(小5・女子の保護者)
●息子は少し斜視なので、球技が不得意です。本人も仕方がないと思っているようです(中1・男子の保護者)
●校庭の砂やプールの水の影響で、持病のアトピーが悪化することがあり、困っています(中2・男子の保護者)

◎その他
●うちの地域の中学校では柔道や剣道といった武道が必修のようなのですが、何か事故があってケガをしないかと、今から心配しています(小5・男子の保護者)
●年頃のせいか、屋外の授業で日焼けすることを嫌がります(中2・女子の保護者)
●授業前後の着替えが面倒だといつも言っています。また、夏になると、「暑い中、屋外での授業なんてやっていられない」とこぼしています(中3・女子の保護者)

苦手な種目としては「鉄棒」を挙げる保護者が多く、中でも「逆上がりができない」という声が目立ちます。ほかに、「跳び箱やマット運動といった器械体操」「短・長距離走」「水泳」「球技全般」などを挙げる保護者も少なくありませんでした。


「体育」の教科のために保護者の工夫は?

最後に、「体育」の教科のためにご家庭で心がけていることや、お子さまにすすめていることを伺いました。

☆「体育」の教科のために、お宅で何か心がけていることや、お子さまにすすめていることがあれば教えてください。
◎小学生の保護者
●休日はなるべく、親子一緒に体を動かすようにしています(小2・女子の保護者)
●子どもはサッカーのクラブに入っています(小3・男子の保護者)
●体力をつけることにもなるので、なるべく外で遊ぶように言っています。うちの子は走るのが好きで、鬼ごっこをよくするようです(小3・男子の保護者)
●小1のころからスイミングスクールに通わせています(小5・男子の保護者)

◎中学生の保護者
●中1の春、部活を選んでいた息子に、運動部に入るようすすめました(中2・男子の保護者)
●娘に常に注意することは3つあります。1つめは、体調が悪い日を除いて、授業に毎回出席すること。2つめは、きちんと試験勉強をしてペーパーテストに最善を尽くすこと。3つめは、提出物を必ず期限までに出すことです(中2・女子の保護者)
●体力がつくよう、規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事をつくることを心がけています(中3・男子の保護者)


「子どもの成績をよくないと思う」という保護者の割合は、実技4教科中、「体育」が最も高くなりました。「苦手意識が強い」「運動神経に課題がある」といった声がたくさん寄せられています。体質や持病などによってお子さまが実技に参加できないという保護者もいらっしゃいました。
また、「水泳は上手だけれど、逆上がりができない」「短距離走は得意だけど、マラソンが苦手」など、ほかの実技教科とは少し異なる課題もあることがわかりました。
保護者のかたからいただいたコメントにもあったように、まずは、親子で一緒に体を動かすことを楽しんだり、なにか一つでも好きな種目をつくれたりすると良いかもしれませんね。

Benesse教育情報サイトでは、体育やスポーツを楽しむために親子で取り組むヒントになる動画をとりそろえています。ぜひご覧ください。

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<1> 前回し飛びの練習
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<4> 交差とびのポイント

<小学生・サッカー初心者の練習法>親子でトライ!サッカー教室
【第1回】ドリブル
【第2回】パス&コントロール
【第3回】シュート
【第4回】フェイント
【第5回】スローインと浮き球のコントロール
【第6回】ヘディングとボレーキック

かけっこ・速く走る方法・コツ(運動能力開発シリーズ)
【第1回】「かけっこで1番になる!基本編」
【第2回】「かけっこで1番になる!タイプ別上達法」


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