人気の半附属校は大学受験に有利? 中学受験の専門家が独自調査
志望校の選定にあたり、半附属校と呼ばれる学校を検討するご家庭もあるだろう。半附属校のメリットは、系列の大学に進むこともできるし、系列大学よりもレベルの高い他大学にも挑戦できることだ。独自の方法で進学校の大学合格実績と比較し、半附属校を評価した、森上教育研究所の森上展安氏が解説する。
***
森上教育研究所では、半附属校を「系列校大学に推薦で進学する割合が30%~69%の学校」と定義しています。近年、他大学受験に力を入れている半附属校が増えて、系列校を持たない進学校よりも優れた大学合格実績を上げている学校があります。
半附属校の他大学への大学合格実績を見るため、研究所独自の調査を行いました。まず、系列大学の合格実績から系列大学に進学した卒業生を除きます。他大学を受験した生徒数と他大学の合格実績から、卒業生100人当たりの大学合格実績を割り出して進学校と比べたのです。その結果、次のような特徴が見られました。
●男子が受験する半附属校(男子校・共学校)
東大・京大・一橋大・東工大・早大・慶大・上智大への進学では、「進学校」が「学力を伸ばしてくれる学校」として優れているようです。また、学習院大・明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大では、「半附属校」の生徒の方が学力を伸ばしているようです。
●女子が受験する半附属校(女子校・共学校)
東大・京大・一橋大・東工大・早大・慶大・上智大の進学では、「半附属校」が「学力を伸ばしてくれる学校」として優れており、学習院大・明治大・青山学院大・立教大・中央大・法政大では、「半付属校」と「進学校」が互角でした。
傾向としては、男子では「進学校」、女子では「半附属校」に「学力を伸ばしてくれる学校」が多く、大学受験に有利といえますが、実際には個々の学校で大きな違いがあります。