内部進学?外部受験?大学付属校選択の際の注意点

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中学受験では、近年大学付属校の人気が高まっていますが、大学付属校を進学先として選ぶ場合にはいくつか注意すべき点もあります。どのような情報をチェックしておけばよいのか、森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

内部進学枠、充実した設備などメリットの多い大学付属校

大学付属校は、保護者の出身大学の系列校だからということで志望校に加えられるご家庭の例もお聞きしますが、選ばれる理由としてはまず大学への内部進学枠があることが挙げられるでしょう。日本大学・東海大学・獨協医科大学などの系列校の場合は、医学部の内部進学枠もあることから、お子さんを伸び伸びと育てながら医学部に進学させたいという親御さんにとっては魅力ある選択だと思います。

大学付属校のもう一つの魅力として、設備が充実していることが挙げられます。校舎が広くてきれいで設備も整っており、先生にもゆとりがある場合が多いですから、そうした大学付属校の持つ「キャンパスらしさ」を気に入って、進学先として選ばれるかたが多いようです。ただ、これらの理由で大学付属校を選んでも、受験の時点ではお子さんの意識は「系列大学に行きたい」とまでは考えていないことが多々あり、大学進学を考える際に軋轢が生じることもあります。

学校のタイプは事前にチェック、早めの心構えが必要なことも

では大学付属校ではどの程度内部進学しているのかというと、MARCH以上の難しい大学の付属校については、大体在校生の8割から9割がその大学に内部進学します。学習院、成城学園、成蹊などは大体5割が内部進学し、残りの半分は他の大学に行く学校で、私たちは「半付属」と呼んでいます。そして、内部進学は3割足らずで残りは別の大学を外部受験する学校は「進学校」といえます。日本女子大、学習院女子を除けばほとんどの女子大付属校は、あまり内部進学をしませんから進学校にあたります。

受験を考えている大学付属校が上記のどのタイプの学校に当たるのかは、事前に情報をチェックしておく必要があります。というのは、半分以上が内部進学する場合、校内の雰囲気はほぼ「内部進学」する空気になります。すると、外部受験をする場合は、みんながクラブに打ち込んでいるときに早くから塾や予備校に通うなど、空気に逆らって違うことをする必要があります。途中で路線変更は難しいので、内部進学が多い学校で外部受験をする場合は、早めの準備が必要でしょう。

大学名だけではなく、校風や教育の中身をもとに志望校選択を

また、大学付属校の場合、大学名やキャンパスの立派さなどに目を奪われがちですが、一番大事なのはお子さんが気持ちよく通える学校かどうかという点です。例えば、入りたいクラブがあるか、通いやすい場所にあるか、先生の雰囲気がよいか、先輩後輩の間柄はどうかなど事前にできるだけ学校の中身を調べておきたいところです。

学校の空気を知るうえでは、学校新聞や学内報を分けていただいて読んでみると、どのような話題が中心なのか知ることができます。また、文化祭を見に行くと学校の雰囲気や盛んなクラブ活動がわかるでしょう。また、文系・理系のどちらが多いかもポイントの一つです。圧倒的に文系が多い学校で理系をめざすのは厳しいですから、そうしたお子さんの大まかな進路も踏まえて学校の下調べを行い、ぜひ後悔することのない学校選びをできるよう心がけてください。

まとめ & 実践 TIPS

大学付属校は内部進学枠、充実した設備等のメリットがありますが、内部進学が多いのか、外部受験が多いのかについては事前にチェックしておきましょう。大半と違う進路を選ぶ場合は早めの準備が必要です。最も大事なのはお子さんが気持ちよく通える学校がどうかですから、校風や教育の中身を下調べしておくようにしましょう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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