【吉村作治さん】学校を子どもたちのテーマパークにしたい

エジプト考古学者の吉村作治(よしむらさくじ)さん。古代エジプトへの憧れは、10歳のときに図書館で見つけた一冊の本『ツタンカーメン王のひみつ』から始まりました。「誰にも負けないすごい王の墓を見つけてやろう」という情熱は、これからも変わらないと言います。

現在は、発掘調査活動とともに、2007年4月開学予定の4年制インターネット大学「サイバー大学」の学長就任に向けた準備を着々と進めています。新しいかたちのインターネット大学で、日本の高等教育に一石を投じようとしている吉村さんが語る、「もしわたしが校長先生だったら……」。

子どもにとって一番楽しい場所にしたい

僕の子ども時代を思い起こしてみると、本当に自由でしたよ。僕らにとって学校は、時間つぶしの場であり、友達づくりの場であり、僕らだけのコミュニティを形成する場であり。もっと言えば、世俗からの隠れ家でもあり。それに、学校の周りにあった小川や、神社、林も、格好の遊び場でした。だから、学校を中心として、まるで町全体が生活感あふれるテーマパークのようでした。僕らにとって学校は、一番楽しい場所だったんじゃないかな。

僕は子どもたちが、学校をテーマパークと思えるような環境を与えてあげたいです。テーマパークでは、誰もが自分の興味あることで遊ぶもの。学校の授業で、たとえば理科の実験で炎の色が変わって「なぜだろう」と不思議に思わなかった子がいても、そんなことはかまわないんです。その実験に興味がないだけのこと。何でも好きになる子もいれば、勉強が全部嫌いな子だっているんです。

「食べ物は体の栄養、知識は心の栄養」と言いますよね。自分の心を豊かにしてくれる知識が見つかれば、子どもは放っておいてもその知識を自分のものにしていきます。子どもの時分は、均一的に物事を教え込もうとしないで、自由な環境で、その子が楽しいと感じられることを、存分にさせてあげたいですね。

子どもたちをいつも見守って、必要なときだけ手を差しのべてあげる

僕は運動が苦手だったので、よく図書館で本を読んでいました。そこで僕は古代エジプトに初めて触れ、以来、古代エジプトの研究が始まりました。先生からは、「これをしなさい」「あれはしちゃだめ」と言われたことはなかったですね。だから僕は今こうして60年以上経った今でも、大好きな古代エジプトの発掘調査ができているんだと思います。

子どもってすごく反逆的なもの。ほら、幼稚な大人ってすぐ反抗するじゃないですか。だから子どもが自分でやろうとしていることは、温かく見守ってあげたい。引きこもりやニートと言われる子どもたちだって一緒。引きこもってたって、何も悪くないと僕は思います。引きこもりたいならそうさせてあげればいい。無理に引きずり出そうとするから余計に頑なになるんです。その子が「引きこもってちゃ損だな」と思えば自分から出てくるんですよ。そう思わせるものが何かを考えてあげるほうが大事だと思います。

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