嫌いな先生が担任になってしまいました[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学6年生の娘のことです。新学年になり、担任の先生が発表されましたところ、もち上がりで5年生のときと同じ先生になってしまいました。娘はこの担任の先生(女性)が嫌いです。「自分にだけ注意をして、他の子には言わない」などの差別をされると言います。娘の言うこと全部を真に受けるわけではないですが、今までこんなに嫌がった先生はいませんでしたし、先生が無意識にせよ差別をしているように感じられます。成績は元々良くも悪くもありませんでしたが、やはり「先生が嫌い」という影響は大きく、5年生のときは散々な結果となりました。私自身、担任の先生が変わらなかったことはショックでした。今後、娘にはどのように諭し、先生にはどのようにお話しすればよいのかがわからず悩んでいます。(しゅりさん)

 

【親野先生のアドバイス】

しゅりさん、拝読いたしました。

お子さまにとっても、保護者のかたにとっても、とてもつらい状況ですね。
このような状況で、これから1年間やっていくのは、考えるだけで気が重くなると思います。

担任発表のときには、きっと祈るような気持ちだったことと思います。担任が変わっていれば一気に解決したはずなのに、今となってはそれもかないません。

このような場合は、過ぎ去ったことを考えていても仕方がありません。今できることを考えて、実行していくのみです。

私がいつも言っていることですが、まず、客観的な事実をつかむことが大切だと思います。子どもが担任の先生を嫌っていることは確かな事実です。でも、次のようなことは、あまりはっきりしていないように思えます。

子どもが担任を嫌うのはなぜか?
担任は差別をしているのか?
差別をしているとしたら、どの程度差別をしているのか?

親としては、それをまずはっきりさせることが必要だと思います。この場合は、クラスのなかの他の子、他の子の親、元の担任や保健の先生などに聞くといいと思います。

お子さまにもう少し詳しく聞いたり、担任に事実関係を聞いたりすることも必要になるかもしれません。

その結果、お子さまが言ったとおりだったとわかるかもしれませんし、もっと別のことが見えてくるかもしれません。いずれにしろ、しっかりした事実をつかめば、そこから方法を考えていくことができるはずです。

本当に先生の差別があるとわかったらどうしたらいいでしょうか? 親は何らかの行動を起こす必要があります。私は、この件に関して、担任ときちんとした話し合いをもつといいと思います。

担任と話をするときに一番大切なのは、子どもにとっていい方向にもっていくための話し合いだということを、常に意識しながら進めることです。いたずらに、感情的に対立してしまっては、子どものためにはなりません。お互いが冷静に話し、相手の話を聞き、伝えるべきことは伝えることです。形どおりの話し合いでなく、お互い誠実に腹を割って、お子さまのことを一番に考えて話し合うことが大切です。


でも、もしかしたら、お子さまの思い過ごしの面が多くて、担任が差別しているという客観的な証言が得られないかもしれません。小学校高学年や中学校の女子の場合、このようなことがときどきあることも事実です。

担任との何らかの行き違いをきっかけにして、その担任の全てが嫌になってしまい、することなすこと全てが気に障るという状態です。

また、客観的な証言が得られなくても、それはただ他の人が気付いていなくて、実際に差別があるということもないとは言えません。だから、客観的な証言が得られないからと言って、お子さまの独り相撲だとは限りません。

この辺の判断は難しいと思います。

いずれにせよ、お子さまが苦しんでいるという事実は変わりありません。ですから、客観的な証言が得られない場合も、担任との話し合いをもつ必要があると思います。担任が差別していないにしても、子どもが担任を嫌っていて、それがいろいろなところに影響しているのは事実なのですから。

その場合、先程言った話し合いと内容は少し変わってくると思いますが、目指すところは同じです。つまり、お子さまが今よりいい方向にいくように大人が知恵を出し合うということです。

というわけで、いずれにしろ、一度担任と腹を割って相談することは必要だと思います。


あと、親としてやってあげてほしいことをいくつか書きます。

一番苦しんでいるのはお子さまです。ですから、お子さまに寄り添って、話を共感的に聞いてやることが大切です。人に話をするだけでも、少しは心が晴れます。子どもの心を癒やしてやることを心がけてください。

親のほうが、諭そうとか、アドバイスをしようとばかり思っていると、共感的に話が聞けなくなります。そうすると、親にも話せなくなり、余計に苦しくなってしまいます。とにかく、家にいるときだけは安らげるようにしてやってほしいと思います。

学校での友達関係はどうなのでしょうか? 学校での友達関係がうまくいっていれば、担任が嫌いでもなんとかやっていけるということもあります。友達関係にも気を配ってやってください。

元の担任や保健の先生、若い先生、なんとなく気の合う先生などに相談するということも考えられます。つまり、担任と気が合わない場合、他の先生との触れ合いで気が紛れるということもあるのです。特に高学年の女子の場合、そういうことはよくあります。担任以外の先生とのおしゃべりが楽しみで、それで救われているという子もいます。お子さまの話を聞くなかで、そういう先生がいそうだとわかったら、気にかけてもらえるように頼んでみるといいと思います。

お子さまが、毎日の生活のなかで上手にストレス解消できるように手助けをしてやってください。親子の触れ合いをする、スポーツで汗を流す、絵を描く、創造的活動をする、音楽を聞く、DVDを見る、漫画を読む、読書をする、趣味を楽しむ、何かを集める、ゲームをする、などなどです。

私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。しゅりさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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