9割が満足! 親子で感涙する「2分の1成人式」とは!?
アンケート期間:2012/12/05~2012/12/11 回答者数:1,249人
アンケート対象者:本サイトメンバー 「2分の1成人式」を行ったことがある、11歳以上のお子さまを持つ保護者のかた
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある
成人の半分の年齢、10歳を迎えたことを記念する行事「2分の1成人式」。お子さまが自分のこれまでを振り返り、将来の目標を立てることが多いようです。保護者の子ども時代にはあまり行われなかったイベントかもしれませんが、近年は多くの地域で行われるようになっています。今回のアンケートでは、お子さまの学校で「行事」や「授業の一環」として「2分の1成人式」を行った保護者に、開催時期や内容、保護者の満足度、式の前後でのお子さまの様子などをご紹介します。
「2分の1成人式」、親子で参加が6割。開催時期は「1月・2月」
最初に、お子さまの学校で行われた「2分の1成人式」について、誰が参加したか、いつ、どの程度の時間で開催したかなど、概要を伺いました。
「2分の1成人式」には、「親子一緒に」参加したという保護者が最も多く、6割以上。「子どものみ」参加したというかたは約3割でした。開催時期は、「1月・2月」が最も多く、次いで「10月・11月」。約半数が「学年全体」での開催、次いで「クラスごと」での開催でした。時間は「1時間未満」が約6割でトップ、「1時間以上3時間未満」が続きました。
また、「2分の1成人式」の存在については、過半数の保護者が「以前から知っていた」と答えています。
「2分の1成人式」に対する開催前の印象は、「良いイメージ」という回答が7割を占めました。その理由として、次のような声が寄せられています。
●子どもが生まれて満10年という節目に、子どもの成長を振り返るイベントになると思ったから
●あと10年経てば20歳、成人であるという自覚を持つきっかけになると思ったから
●子どもの気持ちを聞いたり、親の思いを伝えたりと、親子が意思を疎通する機会になると思い、楽しみにしていました
など
「子どもの個別発表」「保護者のメッセージや手紙」が印象的!
では、お子さまの「2分の1成人式」ではどのようなことが行われたのでしょうか。また、その中で保護者が最も印象に残っていることは何でしょうか。
【図1 「2分の1成人式」では、どのようなことをしましたか? あてはまるものすべてを選んでください】
「2分の1成人式」では、「子どもの個別発表」があったという保護者が最も多く、約6割(図1参照)。次いで、「保護者がメッセージや手紙を贈った」が4割近く、子どもが「合唱を披露した」が3割強を占めています。ほかにも、「子どもが小さいころの写真を映した」「子どもの成長記録やアルバムを作った」など、学校ごとにさまざまな催しが挙げられています。さらに式の内容や流れについて具体的にお聞きしました。その結果をご紹介します。
◎学年単位の「2分の1成人式」
●授業1コマ分を使い、学年全体で行いました。先生方からお祝いの言葉をいただいたあと、子どもの代表8人が将来の夢などを発表しました
●1月の公開授業を2コマ使い、学年で行いました。体育館のステージで、子どもが1人ずつ、好きな漢字を書いたポスターを掲げ、好きな理由を発表したのですが、子どもたちの個性を実感できる、興味深いひとときでした
●クラスごとに小学校入学から現在までのできごとを劇で発表。その後子どもが1人ずつ、将来の夢とその理由などを読み上げました。また、会場には各自の自画像が展示してありました
など
◎クラス単位の「2分の1成人式」
●感謝の気持ちをつづった、子どもからのカードをもらい、親子がペアになってお茶を飲みました。お茶わんは子どもが図工の時間に絵つけをしたもの、お茶菓子は子どもが家庭科の時間につくったものです
●当日行った漢字テストの答案、10歳までの写真2~3枚、未来の自分への手紙をタイムカプセルに入れ、校庭に埋めました。10年後、成人式の日に、開けるそうです
●手紙をあげることは親子とも知らせていませんでしたから、互いにびっくり。手紙を読んで泣いているお母さんも子どももいて、とても感動的なイベントでした
など
子どもの個別発表、内容は半数以上が「未来の夢」!
お子さまの個別発表があったかたには、具体的な内容も伺いました。
最も多かった内容は、「子ども自身の未来の夢について」。52.8%と過半数を占めています。続いて、「保護者のかたへの感謝表明」が26.8%でした。お子さまの発表の仕方、内容などを具体的に伺ったところ、次のような声が寄せられました。
●子ども一人ひとりが、紙すき体験でつくった和紙に、自分の好きな漢字1字を書き、好きな理由を発表しました。我が家では今、その和紙は額に入れてリビングに飾っています。子どもにこれからの目標を忘れずにいてほしいからです
●子ども1人ずつ、写真と将来の夢がスクリーンに映し出されました。写真は、生まれたとき、1歳のときというように、小さなころから順を追って映写されました
●子どもが1人ずつ、自分の将来の夢や両親への感謝の気持ちなどを書いた作文を読み上げました。司会進行も、先生ではなく、子どもが行いました
●子どもが一人ひとり、自分の将来の夢とその理由を発表。けっこう長い内容でしたが、子どもは事前に覚えていたようで、原稿用紙などは持っていませんでした。なかには内容を忘れて話せなくなり、泣き出してしまう子どももいましたが、友達が励ましたり、教えてあげたりして乗り切っていました。全体的にほのぼのとした良い雰囲気でしたし、子ども同士が助け合う姿も垣間見られて、参加したかいがあったと思いました
など
保護者から子どもへの手紙、その内容とは!?
図1で見たように、「2分の1成人式」では保護者からお子さまに手紙やメッセージを贈るケースも少なくありません。では、保護者からお子さまには、どのようなことを伝えたのでしょうか。
保護者からお子さまへのメッセージは、次のように「生まれてから10歳になるまでの思い出」「将来に対する希望」に関する内容が目立ちました。
◎生まれてから10歳になるまでの思い出
●自分が家族にどれほど誕生を祝福され、健やかな成長を期待されてきたかを伝えるために、お腹にいるとわかったときのよろこび、難産を乗り越えて対面したときの感動などを話しました
●まず、名前の由来を伝えました。そして、1人で育ったのではなく、多くの人に支えられて成長してきたことをわかってほしいと、これまで家族が子どもにどのようにかかわってきたかを話しました
●子どもが生まれてからこれまでの思い出を、1年1ページの絵本にまとめました
●小さかったころのエピソードを話しました。また、わたしが感じている息子の良いところをほめました。最近は叱ることが多いので……
●生まれてきてくれたことへの感謝の気持ちを伝え、これからも世界中で最も良い理解者であり、夢を応援する支援者であり続けることを約束しました
など
◎将来に対する希望
●自分自身を大切にし、他者の気持ちを思いやれる、優しい人に育ってほしいと手紙に書いて渡しました
●伝えたのは2つ。まず、自ら考え、行動してほしいこと。そして、いかなる困難にもくじけず、挑戦し続けてほしいことです
●何よりも、健康に元気よく育ってほしいと伝えました
など
保護者の満足度、9割近くに!保護者も「感涙」!?
続いて、「2分の1成人式」についての保護者の満足度を伺いました。
【図2 「2分の1成人式」についての満足度はいかがでしたか?】
「2分の1成人式」に「満足である」という保護者が9割近くを占めています。満足している理由を見てみましょう。
●親子が互いに、普段はなかなか言えない感謝の気持ちを伝え合うことで、家族の絆が強まったと思うから
●10歳というと、自我がめばえ世の中のいろいろなことが目に入るようになるころ。親の言うことを素直には聞けなくなることも出てくると思います。そうした時期に、「2分の1成人式」で子どもに対する親の気持ちを伝え、親に対する子どもの気持ちを伝えたことは、子どもの成長にとって大きな意義を持つはずです
など
参加後の感想としても「子どもの成長を実感して、感動した」などの声がダントツでした。感動を伝えるエピソードとしては、次のような声が寄せられています。
●子どもからわたしたちに対する感謝の気持ちを伝えられ、夫婦で涙しました。普段はなかなか聞く機会がない子どもの思いを聞くことができて、とても良かったです
●自分の気持ちを自分の言葉で表現する。そうした、大人でも難しいことを、クラスのどの子どもも、しっかりできていました。「2分の1成人式」は、子どもの成長だけでなく、昔から知っている子どもの友達の成長も実感できる、素晴らしい機会だったと思います
●ありがとうという気持ちを正直に、自分の言葉で表現することは、誰に対してであれ難しいこと。身近な存在であれば、なおさらだと思います。「2分の1成人式」のように、保護者に感謝の思いを伝える機会があると、子どものコミュニケーション能力も高まると思います
など
「2分の1成人式」後、子どもにこんな変化あり!
では、「2分の1成人式」を終えたお子さまの様子には何らかの変化が見られるでしょうか。
今回のアンケートでは、「2分の1成人式」は、子どものために「なった」という保護者が7割以上を占めています。「2分の1成人式」後のお子さまのどのような様子からそう感じるかをお聞きしたところ、次のような声が寄せられました。
●「Jリーガーになる」という夢を語ったことで、これまで以上にサッカーの練習をがんばるようになりました
●学校から帰ってきてすぐに宿題に取り組むようになりましたし、お手伝いも自分から進んでしてくれるようになりました。「2分の1成人式」で将来の夢を発表したことで、自分の人生に対する責任を自覚してくれたからだと思います。大げさではなく、勉強もお手伝いも三日坊主にならずに継続できていることから、わたしはそう実感しています
●わたしに叱られてばかりいるところは相変わらずですが、「2分の1成人式」で両親の自分に対する期待を聞いたことで、叱っても以前のようにふてくされるのではなく、素直に耳を傾けてくれるようになったと思います
●子どもと話をする機会が増えたこと。勉強でも友達との関係でも、悩みがあれば打ち明けて相談してくれるようになりました
など
これから「2分の1成人式」を迎える保護者へのアドバイスをご紹介!
最後に、これから「2分の1成人式」について、改善してほしいところ、未経験の保護者へのアドバイスなどを伺いました。
☆「2分の1成人式」について、「こうだったらなお良かった」ということや、まだ体験されていない保護者へのアドバイスがあれば、ぜひ教えてください。
●なるべく多くの保護者が参加できるように、日曜日や祝祭日に行うようにしてほしいと思います
●「2分の1成人式」を経験した子どもは、「自分の夢に向けてがんばろう」という気持ちになると思います。そうした思いを強めていけるように、普段の授業でも子どもに自分の将来について考えさせ、自立を促すような取り組みを増やしていってほしいです
●子ども自身の決意、わたしたち親の子どもに対する気持ちなど、「2分の1成人式」で表れた思いを、プリントや冊子などの形に残せれば良かったと思います。まず学校に準備してほしかったし、学校がどうであれ、家庭で独自に準備すべきだったと悔やんでいます。これから「2分の1成人式」を迎えるかたは、学校に事前に問い合わせ、準備がないようであれば、ご家庭で何かご用意されることをおすすめします!
●うちの場合、「2分の1成人式」のために、子どもの小さいころの写真を事前に担任の先生に渡す必要がありました。ところが、目的の写真がなかなか見つからず、大騒ぎをしました。そんなことにならないように、普段からアルバムを整理しておいてください!
など
「2分の1成人式」の開催時期や規模などは、お子さまの学校によって異なっていました。内容もさまざまでしたが、お子さまが将来の夢や保護者への感謝の気持ちを発表する点は、多くの学校に共通していました。自分の気持ちを自分の言葉で表現するお子さまの姿を目の当たりにし、「我が子の成長を実感した」「これまでがんばって育ててきて良かったと感じた」という保護者が目立ちました。
親子の感謝の気持ちは、普段それぞれ感じてはいてもなかなか伝えにくいもの。そうした思いを互いに伝え合える機会となるからこそ、「2分の1成人式」で「感動した」という親子が圧倒的だったのではないでしょうか。