《友達に言い返せなくてため込んでしまう子》のためにできること【親野先生アドバイス】

お友達に強く言われて自分の思っていることが言えなくなってしまったり、嫌だとはっきり言えなくて我慢してしまったり。そんな子どもの様子は、見ている大人もつらいもの。

子どもの気持ちを軽くして、言いたいことが言えるように背中を押してあげたい……。そんな保護者のかたに向けて、教育評論家の親野智可等先生から言い返せなくてため込んでしまう子の心のケアや前向きに向き合う方法をお聞きしました。

この記事のポイント

「言い返したほうがいい」と言わない

我が子がとに言い返せずに気持ちをのみ込んでいる様子を見たり、保護者のかたに「本当は嫌だったんだ」などとこぼしたりすると、親としてはどうにかしてあげたいと思いますよね。

できれば言い返せるほうがいい、自己主張も大切だと思われるかもしれません。
もちろん思ったことを相手に伝える力は大切です。ただ、今まさにつらい気持ちでいるお子さんにはこうした言葉かけはプレッシャーになってしまいます。

「しっかり言い返さないとダメよ」という言葉だけでなく、「がんばって」「もっと言っていいんだよ」という励ましやアドバイスの言葉も、まずは控えて。

子どもは、保護者のかたにようやく自分の気持ちを話すことができたのです。
そこで「言い返したほうがいい」「言い返してほしい」と返されてしまうと、子どもはそれ以上話しにくくなってしまうからです。

子どもにとって大切なのは、気持ちをしっかり吐き出せること。
話を聞いてもらえるだけで気が楽になります。

子どもが話しやすいように「そうなんだ。わかるよ」「それは悲しかったね」と子どもの言葉をくり返したり、気持ちを代弁したりして負担を軽くしてあげましょう。

共感するような受け止めが、何よりも心の支えになります。
共感するように聞けば、子どももたくさん話せるようになり、それによって親もたくさんの情報を得ることができます。

家庭でやりとりのシミュレーションをしてみる

じっくり話を聞いたあとで、少しずつ気持ちを伝える力や状況を改善させる力を育てていきましょう。

たとえば、断れない・嫌と言えないお子さんは、言い方がわからなかったり、言うことに慣れていなかったりするので、家庭で練習しておきましょう。
具体的には、「嫌だよ」「そんな言い方しないで」「痛いからやめて」「叩かないで」などです。
実際に声に出して言う練習をしておくと、いざというときにも言いやすくなります。

もし、保護者のかたとのやりとりでも言いたいことが言えていないようだと感じたら、「あなたはどう思う?」と尋ねて、じっくり話を聞く時間をつくってもいいですね。
身近な人とのやりとりから、気持ちを言葉にする練習ができるでしょう。

保護者のかたは問いただすのではなく優しく尋ね、子どもが気持ちを口にしたら、否定せず「そうか、わかった。そうだよね」と共感を。

また、断ったり拒否したりするだけでなく、なぜ嫌なのかを伝えたり、「じゃあ私もやるから一緒にやろう」「順番でやろう」などと提案したりする言い方も練習しておくといいですね。

折り合いを付けて関係を継続していくためには、断ったり拒否したりするだけでなく、人間関係を調節する力も必要です。
それまで一方的だった友達でも、相手がきちんと意見を言うとわかると遠慮するようになるケースは多いのです。

自分の世界を深めて心を強くする

特定の友達にしつこくされる、対応を変えても関係性の改善が難しいなど子どもの負担が大きい場合は学校にも相談を。
ただ、友達に言いたいことが言えない気持ちの奥には「仲良くしてもらえなくなったらどうしよう」「嫌われたら居場所がなくなる」といった不安もあるかもしれません。
友達関係は子どもの世界では特に重要なものですが、依存してしまうと苦しくなります。

子どもが自分らしく、いきいきと過ごすためには、自分の世界を持つことがとても大切です。
好きなこと、一生懸命になれることを、心ゆくまで楽しませてあげてください。

絵が好きなお子さんには画材を用意してあげたり、ダンスが好きなお子さんなら体験教室などに誘ったり、興味や関心を広げ、深めるサポートをするのもいいでしょう。

自分の世界が深まると、気持ちがそちらに向いて自信も付きます。
新しい世界で気の合う友達が見つかることもあります。

大騒ぎして走り回ったり、森林浴などでリラックスしたりして心を開放する時間も、気持ちを軽く、前向きにします。

親子で体を動かしてストレスを発散するのもいいですね。
できそうなことを試しながら気持ちも上手に発散して、親子ともに、あまり抱え込まないようにしましょう。

保護者のかたが、いつでも話を聞いて寄り添ってくれるという安心感があれば、子どもは多少の嫌なことは乗り越えていけるのです。

まとめ & 実践 TIPS

もっと自己主張してほしい、言いたいことは言えるようになってほしいと思っても、まずは子どもの気持ちを受け止めることが大切。
子どもが安心できるように、共感するようにたっぷり話を聞いて、好きなことをめいっぱい楽しめる時間をつくりましょう。
そのうえで、家庭で「嫌だな」と気持ちを言葉にしたり、相手にうまく伝えたりするシミュレーションをして、口に出すことに慣れていくといいでしょう。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。長年の教師経験をもとに勉強法や家庭教育について具体的に提案。
Twitter、Instagram、オンラインサロン「やすらぎの子育て・教育オンラインサロン」、YouTube「YouTube親力チャンネル」、Blog「親力講座」などで発信中。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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