子どもの夜泣き、いつから始まる? いつまで続く? 夜泣きの原因と対処法を知ろう

すやすや寝ていた子どもがいきなり泣き始める。毎晩決まった時刻に泣く。数時間おきに泣くからその度に寝かしつけをして親はフラフラ…。「一時的なものかな」「そのうちおさまるだろう」と思っていたものの、終わりの見えない夜泣きに親の方がまいってしまいそうですよね。家という密室でのことなので第三者のサポートも得にくく、物音の気になる夜に起こることから余計神経質に捉えてしまいがち。夜泣きは子育ての悩みの中でも深刻化してしまうケースも多いようです。
今回は、子どもの睡眠メカニズム、夜泣きはいつから始まりいつまで続くのか、夜泣きの原因、年齢別の対処法などについて解説していきます。


子どもの夜泣きとは?

 子どもは月齢が低いほどよく泣きます。これは泣く以外に表現する方法がないからです。生後間もない子どもをイメージしてみてください。おなかがすいた、オムツが汚れた、暑い・寒いといった生理的な要求について泣いて教えてくれます。どこかが痛い、熱がある、苦しいといった身体的な不調を訴えるときも泣いて教えてくれます。甘えたい、寂しい、抱っこしてほしい、遊んでほしいといった感情的な要求もまた、泣いて知らせるしかないのです。

 

これ以外に当てはまらない、原因が特にないのに泣くケースを一般的には夜泣きとしています。つまり夜泣きとは、子ども自身も何で泣いているかわかっていない、理由がないのに泣いている状態のことを言います。原因や理由はないものの、夜泣きは子どもの成長過程と深く関わっていますので、年齢ごとに詳しく見ていきましょう。

 

 

<新生児期>

 生まれたばかりの赤ちゃんは、まだまだこの世界で生きていくことに慣れていません。別の言い方をすれば、母親の胎内にいた頃の感覚がまだ残っていて、この世界で受けるさまざまな刺激に対して不慣れだということ。気温の変化、物音など、私たち大人にとってはなんてことはない刺激に対しても、赤ちゃんはビックリしてしまいます。

 

また、体内時計がまだまだ未熟なため、夜寝て昼に活動するというリズムもできていません。オムツが汚れたら泣きますし、おなかがすいても泣きます。昼夜関係なくちょっとした刺激で泣き始めるのは当然のことですので、新生児期の赤ちゃんが夜に泣くことを夜泣きとして悩む必要はないでしょう。

 

ただし、母乳やミルクを頻繁にあげても泣き続けるときは、そもそも母乳やミルクが足りていないなどの別の原因が考えられますので、産院(母乳外来を行っているところ)などに相談してみてください。

 

【新生児期の夜泣き対処法】

赤ちゃんがビックリするような刺激を与えない。

ぐっすり眠れるよう室内をととのえる。

 

 

<生後5〜6ヵ月頃>

 子どもの夜泣きが始まるといわれているのが、生後5ヵ月頃です。子どもは生後3ヵ月を過ぎたくらいから少しずつまとまって寝てくれるようになってきますが、これは体内時計が機能するようになるからです。朝になると起き、日中は日光に当たり活動し、夜になれば部屋を暗くして寝る。この当たり前のような生活のリズムを家族が繰り返す中で、赤ちゃんは少しずつ時間の感覚を学んでいきます。

 

体内時計がきちんと機能すると夜寝てくれるのですが、体内時計が機能しないと熟睡できずに夜泣きが起こるとされています。この時期は昼夜のメリハリを意識して、赤ちゃんとともに家族の生活リズムをととのえるよう心がけるとよいでしょう。

 

また、この時期は乳歯が生え始める時期でもあり、むずがゆくて泣いていることも多いといわれています。その可能性がある場合は「歯がため」を与えて様子をみてください。

 

【生後5〜6ヵ月頃の夜泣き対処法】

昼と夜のメリハリをつけ、生活リズムをととのえてあげる。

暑すぎたり寒すぎたりしないか、体温と室温に気をつける。

 

 

<1歳過ぎ>

 夜泣きに悩む親の声によると、最も多いのが1歳頃からの激しい夜泣きです。夜泣きの原因は未だに解明されていない部分も多いのですが、1歳過ぎの夜泣きはそれまでの夜泣きとは違うと捉えられています。「これまで毎晩ぐっすり眠っていたのに急に夜泣きが始まった!」というケースも多々あります。

 

あまりの激しさに「もしかして病気なのでは?」と心配になる親も多いようです。1歳を過ぎてからの夜泣きにはいくつかの引き金が考えられます。

 

・脳が未発達

脳の前頭葉という部分が未発達なため、夜泣きは半分寝て半分覚醒している状態で泣いているといわれています。また、つかまり立ちや独り歩きを始める時期でもあり、日中さまざまな物事に興味津々で取り組み、脳が刺激を受けます。それらの情報は夜寝ている間に整理されるのですが、その情報整理がスムーズにいかず、夜泣きとなってしまうともいわれています。

 

・体調不良

母体からもらった免疫力がきれ、子どもは熱を出すことも増えてきます。子どもは体調が悪いとぐずりますね。発語して間もない1歳頃は、まだまだ言葉で自分の不調を親に伝えることができません。昼間は元気なのに夜になると体調を崩すという子どもも多いので、不調のサインをキャッチしてあげるようにしましょう。突発的にあまりにも激しい泣き方をする場合は、夜泣きではなく何らかのトラブルであることも考えられます。

 

・睡眠障害

夜中に泣き叫ぶ、悲鳴のような泣き声の場合は「夜驚症(やきょうしょう)」の可能性も考えられます。強い不安や恐怖を感じて夜中に泣くというケースです。見分け方としては、呼吸が乱れていないか、脈拍が早くなっていないか、大汗をかいていないか、などをチェックします。
深い眠りから一気に覚めた状態なので、子ども自身もわけがわからない状態です。声をかけたり、肩を揺らしたり、部屋の明かりをつけても泣き止まないケースが多いようです。これらの状態が続く場合は、気になるようでしたらかかりつけの小児科に一度診てもらうとよいでしょう。

 

【1歳過ぎの夜泣き対処法】

わけがわからず泣いたり暴れたりするときは、一度目を覚まさせてあげるとよい。

部屋の明かりをつけたり、お気に入りの絵本を読んであげたり、子守唄や童謡を歌ってあげたり、抱っこして話しかけたりする。

一度起こしてからもう一度寝かしつけた方がスムーズに寝る場合が多い。

 

 

<2歳過ぎ>

 生後5〜6ヵ月頃から始まり、1歳過ぎまで続くといわれている夜泣き。なかには2歳になっても夜泣きがおさまらない子どももいます。

 

この時期の夜泣きは、精神的なものが引き金になっていることが多いようです。脳も発達してきたことで、昼間に起こったいやな出来事をひきずったり、怖い夢として見てしまったり、ということが起こります。この場合、夢を見る浅い眠りのタイミングで夜泣きをします。また、引っ越しをした、弟や妹が生まれた、保育園や幼稚園に通い始めたなど、身のまわりの環境の変化を敏感に察知し、神経が過敏になって夜泣きとなることも多いようです。

 

【2歳過ぎの夜泣き対処法】

物心がついてからの夜泣きは精神面に作用する出来事がきっかけとなることが多いので、それらの出来事について子どもの気持ちを親が受け止めてあげることが大切。

親子の会話の中で、子どもは安心感を得たり、気持ちの整理をしたりする。

 

 

夜泣き対策グッズや入眠儀式などの効果的な対処法

 月齢別に見ていくとわかるように、子どもの夜泣きは成長の証(あかし)です。とはいえ、毎晩のように子どもの夜泣きに付き合う親にとっては深刻な悩み。スムーズに眠りにつかせ、深くゆっくり熟睡できるよう、子どもの睡眠環境をととのえてあげましょう。

 

次にあげる入眠儀式は、一般的に夜泣き対策として有効だといわれていますが、子どもに個性があるように、夜泣き対策グッズや入眠儀式にも合う合わないがあるでしょう。いくつか試しながらわが子にぴったりの入眠儀式を家族で見つけてみてください。

 

【布団に入る前】

・お風呂に入る

・パジャマに着替える

・歯みがきをする

・絵本を読む

・好きな歌を聞く(歌う)

・「おやすみなさい」と言う

 

一連の流れを通して、「そろそろ寝るんだな」と子どもに認識させる効果があります。洗濯機や冷蔵庫などに「おやすみなさい」と挨拶して回ると満足して布団へ向かう子どももいるようです。気持ちが落ち着くと夜泣き防止にも役立ちますので、ぜひ取り入れたい習慣ですね。

 

【布団に入ったあと】

・背中やおなかをトントンする

・優しくマッサージする

・ブランケットでくるむ

・手をつなぐ

・添い寝をする

・お気に入りのぬいぐるみを横に置く

 

体をトントンしたりマッサージしたり手をつないだりとふれあうことで子どもに安心感を与えます。眠りの深さは睡眠環境と深い関係がありますので、暑すぎたり寒すぎたりしないように部屋をととのえてください。定着させるには毎日同じ行動を繰り返すのがポイントです。そのためには親にとって「毎日行っても負担にならない」行動を選ぶとよいでしょう。

 

 

夜泣きがひどくてイライラ…どう向き合う?

 毎晩のように夜泣きに付き合っていると親のイライラも募りますね。「ご近所に迷惑だと思われているのでは?」「通報されたらどうしよう」などと不安になる親も多いようです。夜泣き対策には、親の心のケアも含めましょう。密室でひとり、夜泣きする子どもと向き合っていると気が滅入ってきます。内にこもらず意識を外に向け、ストレスをためないようにすることが大切です。

 

【ご両親のストレスを軽減するため】

・子どもと一緒に昼寝して体力をキープしておく

・パートナーと交代して子どもの相手をする

・夜のお散歩&夜のドライブ(危険がないように気をつけながら)

・残っている家事はパートナーが担当する

・隣近所に「夜泣きでご迷惑をおかけします」と先に挨拶をしておく

 

 

ひとくちに夜泣きといっても、月齢別で考えられる引き金は異なりますし、子ども自身の個人差も大きく、対処法はさまざまです。しかしながら、夜泣きを防ぐため有効だとされている「生活のリズムをととのえる」「会話やふれあいで心を満たす」という対策は、子育てそのものにおいても大切なことですよね。
まずはできることから見直してみて、それでも夜泣きがおさまらない場合は、周囲の人や専門機関に相談するなどして、ひとり(家庭)で抱え込まないようにしましょう。

 

 

プロフィール

監修:宮原光興

医療法人社団悠翔会 悠翔会在宅クリニック川崎 院長

宮原裕美
芝パーククリニック 内科医員

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