人見知りする子、しない子って?
人見知りする赤ちゃん、しない赤ちゃん。人見知りは生後6~12ヵ月の間に起こる反応です。ただし、どうしても「生まれながらにもった性格」があり、たとえ同じ環境・状況で育った双子でも、人見知りの度合いには違いが出てしまいます。
それでも、「環境」が性格に及ぼす影響は大きなもの。人見知りが強いというのも個性ではありますが、「人に慣れる」というのはさまざまな面で大切になってくることです。
それまでは誰にでも抱っこされていた=誰なのかよくわかっていなかった
誰にでも抱っこされていた赤ちゃんが、急に人見知りを始め他人に拒否反応を示すようになると、まわりの大人も動揺してしまいますね。この子は人のことが嫌いなのでは、協調性がないのでは、と心配になるかもしれません。
しかし、本来赤ちゃんは、立体的で刺激があるものが大好き。ただ、「いつもと違う」という違和感を覚える力が強くなったということなのです。誰にでも抱っこされていた時期は、その「違い」を認識する力がまだ足りなかっただけ。人見知りは喜ぶべき成長の証だと言えます。
大切なのは「他人との距離感」、向き合って会話できる距離に慣れさせよう
重要なのは、ママやパパが他人と話すときの距離感を、赤ちゃんにも頻繁に体験させることです。とはいえ、毎日公園や児童館に行くのは大変なこと。日々の生活の中でできる人とのふれ合いを大切にしましょう。
たとえばお店で買い物をするにしても、向き合って会話できる距離を保ちます。お買い物中ずっとがんばる必要はありませんが、まわりが見える体勢で抱っこするのもいいことです。ベビーカーや、顔が内側に隠れる密着型の抱っこひも、フェイスカバーの利用は、人がいるところでは避けてみましょう。レジでの支払いもいいチャンス。お金を出すのは少し大変ですが...。
最初は泣きだすこともあるかもしれません。でも、諦めずに。ゆっくりでいいのです。
また、赤ちゃんは人に会うだけでも相当のパワーを使います。よく休ませ、しっかり食べさせてあげること、外に出られるよう体調をベストに保つことも、この時期を乗り越えるには大切なことですね。
監修:榊原洋一先生
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科教授、小児科医。東京大学付属病院小児科医長として発達障害をもつ子どもの医療に携わりながら、発達のメカニズムを研究する。1990年より東京大学医学部講師を経て、現在に至る。