【9月は防災月間】台風や地震……効果的な準備行動やシミュレーションのコツとは

いつ起こるか分からない、台風や地震などの自然災害。しかし季節の行事や毎年の出来事などを振り返ると、注意すべきシーズンやポイントが見えてくることもあるでしょう。その一つに、毎年9月の「防災月間」があります。≪災害に備える準備月間≫として、家庭でできることをみんなで考えてみましょう。

この記事のポイント

9月はなぜ防災月間?

9月1日は「防災の日」、そして9月全体は「防災月間」です。1927年に関東大震災が起こったこと、9月は災害が多いことから、「災害に備えつつ知識を深めるため」に制定されました。

台風や大雨といった自然災害にによる被害は毎年あり、身近なところでも万が一の事態が起こる可能性は少なくありません。だからこそ、災害に対する備えをしたり、非常用アイテムを使いこなせるようにしておいたりすることが、とても大切。備蓄用アイテムを上手に回すための「ローリングストック」の目的も兼ねて、9月は非常用の食品や道具を使って生活してみるのもおすすめです。

防災月間に事前の備えや見直しを

非常持ち出し品を準備しよう

気象庁のホームページから、持ち出し品の一例をご紹介します。

・リュックサック
・飲料水、乾パンやクラッカーなど、レトルト食品、缶詰、粉ミルク、哺乳ビンなど
・救急医薬品、常備薬、マスク、紙おむつ、生理用品
・現金(小銭も)、預金通帳など、印鑑、健康保険証など、身分証明書
・下着、タオル、寝袋、雨具、軍手、靴
・ナイフ、缶切、鍋や水筒、懐中電灯、ラジオ、電池、ロープ、マッチやライター、使い捨てのカイロ、ティッシュなど、筆記用具、ごみ袋
・防災頭巾やヘルメット、予備の眼鏡など、地図

※気象庁「自分で行う災害への備え」より引用

持ち出し品は、袋などにひとまとめにしておきましょう。リュックサックなど両手が使えるものに入れておくのがおすすめ。すぐに持ち出せる場所に置くことも大切です。子どもが小さい場合はおもちゃなども入れておくなど、それぞれの家庭で必要なものを考えてみてください。

家族の人数や年齢によって、持ち出し品の種類や量は変わります。普段の生活を振り返りながら、優先順位を決めて準備しておくとよいでしょう。

非常食や電池の見直しを

非常用持ち出し品は、準備して終わりではありません。非常食や電池など、期限のあるものは定期的に見直しをする必要があります。9月の防災月間を見直しの時期と決めておけば、忘れる心配もないでしょう。消費期限が近い非常食の買い替え、懐中電灯の電池の確認などは、このタイミングで行ってみてください。

また、1年経てば家庭の状況も変わります。年齢などに応じて、不要なもの、新たに必要となったものなどを確認し、入れ替えをしていくことも大切です。

災害のニュースで「こうなったら」を共有しよう

9月は台風や大雨などが多いシーズンで、テレビのニュースでも災害の状況や対策を放送することも増えます。お子さまと一緒に見ながら、「こうなったらどうすればいいか」と話してみるのもよいかもしれません。

家の中は安全か

災害時には、家の中に被害が及ぶことも考えられます。どの災害でどんな状況が予想されるかを考え、安全確保をしておきましょう。

地震対策としては、家具を固定する、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼るといった方法があります。就寝時に地震が発生した場合を考え、ベッド周辺の家具の位置を考慮することも大切です。避難経路を確保するために、ドア付近や出入口には大きな家具を置かないといった対策もできます。

また、台風や大雨が予想されるときは、浴槽や鍋に水を溜めて生活用水を確保しておきましょう。カーテンを閉めてガラスの飛散を防いだり、浸水や土砂災害に備えて寝室を移動したりするなど、身の安全を守る対策もとってください。市町村の防災無線や災害・避難情報の一斉配信サービスからの情報も頼りにしましょう。

家の外で危険なところはないか

家の外への対策も忘れないでください。たとえば台風のときは、強風で物が飛ばされ、それが原因で窓ガラスが割れる可能性があります。物置や家の中に物を移動させるなど、事前に対策を取ることが大切です。大雨による浸水の被害を防ぐために、側溝や排水溝を定期的に掃除しておくのもよいでしょう。

また、テレビの映像には身の回りと似たような場所が映し出されることがあります。その際には、「すぐそこのブロック塀や、少し向こうにある溝も同じようになる可能性があるかも」など、自分に当てはめてみることが大切です。危険な場所には近寄らないよう、お子さまにも伝えておきましょう。

災害時の行動をそれぞれシミュレーションしておこう

万が一のときには、どんな行動をとればよいのでしょうか? あらかじめいくつかのストーリーを考えてシミュレーションしておくと、いざというときにもスムーズに行動できるようになります。実際に行動してみることも大切です。

逃げる場所や道順、連絡方法の確認

実際に行動してみると、予定していた道路が予期せぬところで混雑したり、避難するには不便な道路であったりする場合があります。避難完了までに意外と時間がかかることもあるはずです。災害時はパニックになることも考えて、複数の避難経路や多めの時間を確保しておくとよいでしょう。

また、家族で避難場所の確認もしておきましょう。連絡が取れない場合はどうするのかも話し合っておくと安心です。家に書き置きを残したり、災害用伝言ダイヤルや各携帯電話会社のサービスを活用したり、さまざまな方法があります。1人で考えるのではなく、家族全員が把握しておくことが大切です。

家族がバラバラの場所にいる場合も想定して

災害時に家族全員が在宅しているとは限りません。特に平日は、学校や職場など家族がバラバラの場所にいることが多いでしょう。子どもは誰が迎えに行くのか、どこに集合するのか、帰れなくなったときはどうするのかなど、いざというときに困らないように、さまざまなシチュエーションを考えておくとよいでしょう。

また、旅行や買い物といったイレギュラーな状況で災害が発生する場合もあります。予定していた場所に避難できない可能性もあるでしょう。安否確認をするためには、家族がいる場所を把握しておく必要があります。出かける際には、必ず家族に場所や時間を伝えるなどして、日頃から意識して備えておくことが大切です。

まとめ & 実践 TIPS

災害時は大人でも不安になります。お子さまであればなおさら。その不安を少しでも減らすには、備えが必要です。普段から災害時の行動について話し合ったり、シミュレーションしておいたりすれば、対策も身に付きやすいでしょう。お子さまからより良いアイデアが出てくるかもしれません。

災害対策にやりすぎはなく、準備はできるだけ早めが吉。「思い通りにならない」ことを前提に、家族でいろんなアイデアを出し、話し合えるとよいですね。


出典:
気象庁「自分で行う災害への備え」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/ame_chuui/ame_chuui_p10.html

東京都消防庁
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/libr/qa/qa_59.htm

参照:
東京都防災ホームページ
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/link/1000028/index.html

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