思春期・反抗期のお子さまにイライラをぶつけられたらこんな切り返しを!

思春期で反抗期真っ只中のお子さまの生意気な言動に、悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。反抗的な態度に保護者までイライラしてしまいがちですが、思春期の子どもは、親や大人を批判したり試したりしながら、自我を形成して成長していくもの。そのため、この時期のお子さまに生意気なことを言われても過度に怒ったり、落ち込んだりしないでください。保護者が気持ちに余裕をもって受け止め、お子さまが大人への一歩を踏み出すサポートとなる対応についてご紹介します。

思春期と反抗期

思春期と反抗期とは、同じものととらえてしまいがちですが、実はそうではありません。まずは、それぞれの違いを確認しておきましょう。

思春期とは

思春期とは、心と身体が子どもから大人へと変化し、周囲の影響を受けながら自我が確立され、自立へと向かう時期です。その特徴が強く出るのは、小学校高学年から中学生頃と言われています。

思春期の特徴としては、次の4点が挙げられます。

・第二次性徴期としての身体的成長
・自分のアイデンティティの確立しようと葛藤する心の変化
・身体的成長と心のアンバランスに戸惑い、ストレスを多く抱える。
・上記の点より、イライラと反抗的な態度を取ったり、無気力になったりする。

反抗期とは

自分のアイデンティティを求めて、葛藤を続ける思春期は、心理的なストレスも多く、不安定になりがちな時期です。自分と他人とを比較して劣等感を覚えたり、複雑な人間関係に疲れたりとストレスをため、反抗的な態度を見せるようにもなります。

これが思春期の反抗期であり、第二次反抗期と呼ばれるものです。ただし、第二次反抗期には個人差があり、始まりや終わりの時期、長さなどは子どもにより違いがあります。中には目につく反抗的な態度を見せない子もいます。お子さまの反抗的な態度は、気になってしまうものではありますが、葛藤に苦しみながら、自立して大人になろうとしている証でもあるもの。広い心で受け止めるようにしましょう。

イライラして反抗的態度をとる3つの原因

思春期の子どもがイライラと反抗的な態度を取ってしまうのには、3つの原因があります。お子さまの心理を理解するためにも、しっかり押さえておきましょう。

体の成長と心の成長とがアンバランスだから

思春期には、急激に身体が成長しますが、その変化の速度に心の成長が追いつかないことが多いものです。そのフラストレーションを周囲にぶつけてしまうのが反抗的な態度の大きな一因です。

また、この時期の子どもは周囲からも大人扱いされたり、子ども扱いされたりと使い分けられてしまいがちなもの。自分自身でも「大人になりつつある自分」と「子どもの自分」との間を行き来してしまうものです。このような揺らぎや、やり場のない思いがイライラを募らせることも多くあります。

ホルモンの影響を受けるから

思春期のイライラには、性ホルモンも大きく影響しています。性ホルモンの分泌により、第二次性徴が促進され、男の子らしい体、女の子らしい体へと成長します。しかし、女性ホルモン、男性ホルモンの分泌が急速に増える結果、心身の状態は不安定になりがちに。それがイライラや不機嫌につながり、ちょっとしたことでも過度に反応してしまうことも多くなります。

友達関係のプレッシャーやストレスで疲れているから

思春期は、保護者よりも友達との関係を重視するようになります。とはいえ、次の2点の理由から友達関係にストレスを感じることも多くなるものです。

・得意不得意など相手との差異が客観的にわかりやすくなることで、劣等感を抱きやすかったり、妬みをうけたりすることが増える
・仲間意識が強まるからこそ、同調圧力が強くなる

これらのプレッシャーやストレスは、心理的にも疲弊してしまうもの。そのため、親や家族に当たってしまったり、反抗的な態度を取ったりすることにつながります。

イライラした反抗的な態度への接し方のコツ

思春期や反抗期のイライラには、お子さま自身の葛藤や悩みが背景にあるものです。そのため、それらに寄り添った対応を心がけたいもの。とはいえ、つい保護者の側もイライラとしてしまうこともあるでしょう。そこで、子どもの反抗的な態度への接し方のNG事例を紹介したうえで、対応のポイントを紹介します。

3大NG(過度に叱る、他の子と比較する、腫れ物に触るように接する)を避ける!

よくやってしまいがちなNG対応は3つ。これらの対応をしてしまうと、お子さまはより心を閉ざし、反抗的な態度を加速させてしまうこともあるため、注意しましょう。

NG1:過度に怒ったり、干渉しすぎたりする

思春期のイライラした態度への基本スタンスは「過度に怒らない」ことです。お子さまに話しかけてもまともな返事はなく、「別に」「うざい」「ムカつく」といった単語しか返ってこない。そんな態度を見せられたら、次のような怒りの言葉をぶつけたくなるかもしれません。

「親に対して、その口の聞き方は何?」
「ひとりで大きくなったと思っているの?」
「聞いているでしょ? きちんと答えなさい!」

「怒らない」と決めても、なかなか怒りの感情を抑えられないというかたもいるでしょう。もちろん、親として見逃せないときにはきつく叱ることも必要です。しかし、どれだけ親の方に理があっても、叱ることでお子さまの反抗期が終了することはありません。そして、互いに激高してしまうと、ついこんな言葉まで出てきてしまいます。

「そんなにイヤなら出て行きなさい!」
「もうごはんも作らないし、洗濯もしないよ!」
「そんなことを言うなら、私が出て行くよ!」

こうした言葉にお子さまはさらに反抗的になり、ますますコミュニケーションが難しくなってしまいます。

反抗期の期間は人それぞれですが、いつかは終わるものです。その間、少々親子でぶつかったからといって、それがその後の親子関係に影響を与えることもないでしょう。ただ、あまりに親が子どもと真正面からぶつかってしまうと、互いに疲れてしまうことになります。

NG2:よその子と比較する

思春期は、周囲と自分との違いに葛藤しながら、自我を確立しようと奮闘している時期。そのため、子ども自身も他人との違いや、他者への劣等感などに悩んでいます。

それなのに、そこに追い討ちをかけるように、「あそこの娘さんはああなのに、あなたときたら」と保護者がよその子と比較してしまっては、お子さまをますます深い悩みの淵へ突き落とすことにつながってしまうでしょう。よその子と比べること、よその子を引き合いにお子さまへの愚痴を言うことなどは絶対に避けてください。

NG3:腫れ物にさわるように接する

敏感な時期だから・・・と腫れ物にさわるように接したり、放っておくような態度を示すのもNGです。子どもは、反抗的な態度を見せながらも、自分に関心を向けてほしい、向き合ってほしいという矛盾した思いを抱えているものです。そのため、保護者がよそよそしい態度をしていては、「ママは私が大切ではないのでは?」と自分の存在意義を感じられなくなってしまったり、自己肯定感を失ったりしてしまいます。その結果、よりイライラを増長させてしまうという悪循環にも陥ってしまうでしょう。

そんなものさと考える

思春期になって急にお子さまが反抗的な態度や言葉を見せるようになったことで、「自分の子育てが間違っていたのだろうか」と落ち込んでしまう保護者のかたもいるようです。しかし、そんなことはありません。これまで十分な愛情を注ぐことで、しっかりと信頼関係を築いてきたからこそ、お子さまは遠慮せずに親のことを批判したり、お母さんやお父さんとぶつかったりできるのです。反抗期が訪れたら、むしろ「そんなものさ」とお考えください。

反抗期のお子さまは、一生懸命にアイデンティティを築いている最中です。そのプロセスとして親に反抗をしたり、不安や戸惑いからイライラしたりしやすくなっているのです。保護者にとっては辛い時期かもしれませんが、それ以上にお子さまは自立に向けてもがいていることを忘れないでください。そもそも、反抗期はずっと続くものではありません。できるだけ気持ちに余裕をもち、お子さまが大人への一歩を踏み出そうとする姿を温かく見守り、支えましょう。

家族の愛情を自然と感じられる環境をつくる

思春期は学校や友人関係のストレスも多く、内面も葛藤し続けている時期です。だからこそ、子どもにとっては安らげる場所としての家庭が必要です。お子さまが安心してくつろげたり、家族の愛情を自然と感じられる環境づくりや部屋づくりを心がけましょう。

そうすれば、お子さまもストレスの多い毎日でもエナジーチャージすることができ、葛藤に向き合う勇気もわいてくるでしょう。

関心を向け続け、小さなことでもこまめに褒める

イライラと反抗的な態度を見せるお子さまにも「あなたのことを気にしているよ」という関心を向け続けましょう。「触らぬ神に祟りなし」というように、衝突を避けようと距離を置いてしまうこともありますが、それでは子どもは寂しさを募らせ、自分の存在意義に疑問を抱くようになってしまいます。

関心を寄せられるというのは、過干渉でなければ、自分の存在を肯定的にとらえ、安心感につながるもの。「今日は元気ないなって思っちゃった」「ちょっと機嫌悪そうね」とカジュアルに関心を向けているサインを送るようにしましょう。「いつも見守っているからね」というメッセージとなり、お子さまの安心感を覚えることにつながるでしょう。

また、小さなことでもこまめに褒めることも忘れないようにしたいものです。自信をなくしてしまいがちな時期だからこそ、保護者からの認め、褒めは大きな力となるでしょう。

気持ちの余裕を見せる

この時期は、お子さまに対して「成長の芽を摘まない」という気持ちをもって、冷静に話すことに努めましょう。反抗期のお子さまに注意などするときも、くどくどと説明をする必要はありません。思春期の子どもはたいていのことを理解しており、あえて反抗していることが多いからです。無視するような態度をとるときも、次のようにいったんお子さまの気持ちを受け止めて、少し距離を置くような言葉をかけるとよいでしょう。

「今は話したくないのね。待っているから、言いたいことがあるときに話してね」
「困ったことがあったら、きちんと教えてね」

生意気な言葉に対し、あえて冗談っぽく返すのも、ぎくしゃくした雰囲気を和らげる効果があります。またお子さまの態度にかちんときてしまったときは、あえて親の方がその場を離れ、1、2分時間をおいて、冷静さを取り戻してから再び向き合い、次のような言葉をかけるのもよいでしょう。

「また生意気なことを言って。まあ、そういう時期だからしかたないよね」
「何も話してくれないから、もっと私から話しちゃおうかなー」

こうした言葉をかけても、お子さまの素っ気ない態度はすぐには変わらないかもしれません。それでも、「自分の気持ちを分かってくれている」という安心感を与えられるでしょうし、お子さまが行き詰まってしまったとき、「相談してみよう」という気持ちになるかもしれません。また、自分の気持ちが落ち着いたときには、笑顔であれこれと話しかけるというお子さまも珍しくありません。

保護者が気持ちの余裕を見せることで、お子さまの不安や戸惑いは軽減されて、自分自身の問題に真っすぐに向き合えるようになると考えてください。

まとめ & 実践 TIPS

思春期のお子さまの反抗的な態度は、他人と自分との違いに悩みながら、お子さま自身がアイデンティティを確立しようと葛藤しているからこそ生まれるものです。そのため、過度に叱ったり、干渉したり、反対に放っておいたりすることはNG。適度な距離感で、温かく見守る寛容さと余裕を持つようにしましょう。そのような保護者の態度や、家庭で感じられるくつろぎが、不安定な時期の心を安定させることにもつながるはずです。

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