1人目の子育てがうまくいかず後悔ばかりです[教えて!親野先生]
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- 育児・子育て
子育てが思うようにいかず、後悔の念を抱くこともあるのではないでしょうか。特に1人目のお子さまの場合は、はじめての育児に戸惑いや混乱もひとしお。手探りで進めながらも、後から振り返って「あのとき、もっとこうしてあげればよかった」と思うこともあるでしょう。
子育てにつきものの後悔とは、どう付き合っていけばいいのでしょうか。教育評論家の親野智可等先生に伺いました。
【質問】子育て経験がない中で育てた1人目の子ども。叱りすぎていたのではと後悔しています。
子どもが2人いるのですが、2人目を産んでから子育ての考えが変わりました。本を読んだり自分でも経験したりして…。でも、1人目の長男についてはうまくいかず、叱りすぎてかわいそうなことをしたと、すごく後悔しています。(オリゴさん:小学6年生男子/小学1年生女子)
親野先生からのアドバイス
拝読しました。
そのお気持ちはとてもよくわかります。
子育て中のかたは、「あのとき、もっとこうしていればよかった」と後悔することが多いと思います。
子育てへの後悔は成長の証
そもそも、親になる前に親について学ぶ機会が少な過ぎるという問題があります。
学校の先生になるにも幼稚園や保育園の先生になるにも、専門的な勉強をします。料理人、医師、看護師、弁護士、何になるにしてもそうです。車の運転にしても、自動車学校に行って練習します。
ところが、子育てについてはそれらの機会が非常に少なく、ほとんどいきなり本番状態です。
しかも、子育ては、世の中で一番複雑で一番困難で、そして一番大切な仕事です。何と言っても一人の人間を一から育てるのですから。
ですから、子育て中の親御さんは、みんな暗中模索で手探りしながら進むしかないのです。うまくいかなくて当然です。
また、たとえ事前に学ぶ機会があったとしても、子どもは百人百様で一人ひとり全然違うので、実際にやってみればうまくいかずに悩んだり後悔したりすることの連続になると思います。
とはいえ、今オリゴさんが後悔しているということは、見方を変えれば、それだけ自分が成長したということでもあると思います。
なぜなら、以前気付かなかったことに、今気付いているわけですから。
ずっと気付かないままなら、後悔もしませんし気楽といえば気楽ですが、成長していないということでもあります。
ですから、大事なのは、これから同じことを繰り返さないように不退転の決意をすることだと思います。
親として育児や教育を学び続ければ、自分と我が子のためになる
そして、もう一つは親として学ぶこともお薦めしたいです。
親になる前に学べなかったとしても、親になってから学ぶことはできるからです。
オリゴさんも本を読んだことが変化のきっかけの一つだったとのことですから、ぜひ学び続けてください。
しかも、今は学ぶための環境はかなり整っています。
本もあるし、講演もあるし、またスマホも含めてネット上にたくさんの情報があります。
テキストの情報、YouTubeなどの動画、音声の情報など、いろいろあります。
ネットのものは玉石混淆ですけど、いい情報を得ようと心がけていれば、かなり質のいい情報も得ることができます。
ですから、学ぼうという気持ちさえあれば、かなりのことが学べるのです。
しかも、実際に毎日子育てを実践しながら学ぶのですから、非常に身に付くはずです。
なんといっても我が子のためですし、自分のためでもありますから。
学べばその分だけ自分のためになり、我が子のためにもなるのです。
学生が教育学や心理学を、いわば机上の学問として学ぶのとは、その真剣さも違いますし、わかり方も身に付き方も違うのです。
無理のない範囲で、少しずつ学びを始めてみて
もちろん、子育て中の人は忙しいですから、大変だとは思います。
でも、忙しさに流されているだけですと、せっかくの機会がもったいないと思います。
無理のない範囲でいいので、ちょっとずつでもいいので、学ぶことを心がけていることが大事だと思います。
子どもには勉強しなさいと言っているわけですから、親もやはり勉強したほうがいいですよね。
たとえば、今までスマホでエンタメのニュースを10本読んでいたとしたら、これからは8本にして2本は子育て・教育の記事を読むようにするとか。
あるいは、Twitter、Instagram、YouTubeなどで子育て・教育に関する情報をフォローするとか。
まずそういうところから始めてみるといいと思います。
私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
みなさんに幸多かれとお祈り申し上げます。
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