心理学ってどんな学問?
世の中にはたくさんの学問があります。どんな内容で、何を学んでいくのか知っておくことは、自分の興味や関心の方向性を探れることはもちろん、進路を決めるために、大いに役立つでしょう。今回は心のメカニズムを科学的に解明していく学問、「心理学」を取りあげます。
心理学とは?
人の心はとても曖昧ではっきりしないもの。しかし、長年にわたる多くの研究によって科学的な分析がなされ、「人がどういった心境のときにどんな行動をするか、身体はどう反応するか」といった心と行動・身体のメカニズムが、徐々に判明しつつあります。この心のメカニズムを科学的に解明していくのが「心理学」です。
心理学ではどんなことを勉強する?
心理学は、人をどんな状態にしたいのか、どんな行動を起こさせたいのかといった「目的」と、「誰に」という「対象」により、さまざまな分野に分類されています。
・ 認知心理学:知覚・学習・記憶・思考など人間の基本的な心的機能の研究
・ 動物心理学:動物の心の動きと行動を研究
・ 神経・生理心理学:心と身体、それぞれの機能の関係を研究
・ 人格心理学:その人の人格が、どのような状況から形成されたかを研究
このような研究をもとに、社会心理学、臨床心理学、犯罪心理学、工学や医学など、心理学以外の分野と結び付けられた研究も発展しています。社会的な状況、環境の変化に伴って、まだまだ新しい発見も多い分野です。
心理学の講義はどのように設定されているか
多くの大学において、1年次に「心理学」あるいは「心理学概論」などの科目で、心理学全般を学びます。2年次にはもう少し範囲の特定された人格心理学、社会心理学などを学び、3年次に専門科目を学ぶことになります。比較的浅く、広く学習できる1、2年次を通じて、自分がどんな人々を対象に、どんな目的を持つ心理学を掘り下げていくべきか検討していく必要があります。
科目名や科目の数は、大学によってさまざまです。心理学のうち、どんな科目に力を入れているかによって、ある特定の分野の実習、演習などのありかたも異なってきます。
心理学を学んだ人々の卒業後の進路
日本でも「心の病」の話題がずいぶん一般的になりました。悩みや不安に対してどう対処すればいいのか迷う人々の味方となることのできる心理学は、さまざまな場面で重要視されています。カウンセラーやケースワーカーなど、心理分析をメインの仕事とする職業に就くかたも多いのですが、一般企業においても心理学はさまざまな面で応用が利くため、人事、教育、広報などに配属されることが多くなるようです。
より高度な心理学の知識を得て心理学の専門職として働くために、財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する「臨床心理士」を目指す人も増えています。