山内あゆさん(TBSアナウンサー)が語る【後編】「家族みんなが息抜きできる《無礼講の日》をつくる!」
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現在、3人の男の子の子育てに奮闘中の山内あゆさん。前回は、親子の絆を深めるために心がけていることを伺いましたが、今回はワーキングマザーとしての悩みをどのように乗り越えているのかについてインタビューしました。アナウンサーという仕事柄、勤務時間が不規則になることがあり、子育てとの両立で悩んだこともたくさんあったそうです。
アナウンサーとしての葛藤
仕事と子育て、どちらも同じようにがんばりたいからこそ、葛藤することもたくさんあります。一番悩んだのは、長男を妊娠したときです。当時、わたしは『みのもんたのサタデーずばッと』という新番組に起用されたばかりで、仕事がとても面白い時期でした。出産後、今までと同じように仕事ができるのかという不安や、子育てと両立できるのかという心配もありました。特に気がかりだったのが、出勤時間です。土曜日の早朝の番組だったのでその日は朝3時に家を出なければなりませんでした。しかし、共演者やスタッフのかたに、「産休のあいだ待っていてあげるから、戻っておいで」「子どもがいても画面に出続けているというほうが良い」という温かいお言葉をいただいたり、家族の応援もあったりして、番組に復帰することができました。
ただ、復帰したあとも「これで良かったのかな」と悩むこともありました。番組がある日は、3時にベビーシッターさんに来ていただくのですが、わたしが起きると子どもも起きてしまい「ママ行かないでー」と泣かれたことも……。でも、この番組に出演中に2度も産休と育休をいただき、結果的に10年間続けられたことが、わたしの大きな自信にもなりました。
仕事が子育てに生きていることもたくさんあります。今年3月まで、TBSラジオの『水道橋博士の木曜Wanted!!』という番組のアシスタントを務めていました。メーンパーソナリティーの水道橋博士さんにも3人のお子さんがいるので、番組中はもちろんのこと、生放送以外でも子育ての話で盛り上がることがあります。また、番組のゲストに来てくださるかたにもお子さんがいるかたも多いので、いろいろなご家庭の子育てを聞くことができ、母親としても勉強になりますね。多くのパパやママと話していて思うのは、皆さん迷われているということ。子育てには、正解はないのだなと思います。だから迷ったらとにかく家族、友人、周囲のスタッフに相談。自分では思いつかなかったヒントをもらえるからです。
「無礼講の日」をつくる

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日々の生活で大切にしているのは、肩の力を抜いて子育てをするということです。子育てをしていると、「夜は9時までには寝る」「ジュースはおやつの時だけ」「ゲームは30分」など、つい子どもを規制してしまうことが多くなってしまいますよね。特に1人目を出産したばかりのときは、きちんと育てなくてはというプレッシャーからかルールに縛られ、子どもも自分も、息苦しくなってしまっていたときがあったかなと思います。
ただ、息子が通っている保育園の先生に、「保育園で子どもたちはがんばっているから、家ではがんばらせないでね。お家に帰るとわがままになって、ママにごはんを食べさせてほしがったり、靴を履かせてほしがったりすると思います。けれど、突き放すのではなく、家では付き合ってあげてください。保育園ではちゃんとやっているから」と言われてから、ずいぶん気持ちが楽になりました。忙しい朝などはガミガミ言ってしまうことが多くなりますが、子どもと接する時間は限られているので、甘えさせてあげることも大事ですよね。
そして、もう一つ我が家で取り組んでいるのが、家族みんなが息抜きできる日を設けることです。大みそかとお正月の三が日は「無礼講の日」と名づけ、家の中で食べ放題&飲み放題にしています。この日ばかりは朝からジュースもアイスもOK。家族がゆっくりのびのびできる時間を満喫することで、「今年もがんばれる」と思っています。ただし、「飲み過ぎておもらしはしないこと」と「食事やお菓子を残してはダメ」というルールは設けていますけどね(笑)。
毎月、無礼講の日を開催したいところですが、特別感がなくなってしまうので、子どももわたしも疲れているなと感じたら「プチ無礼講デー」を設けることがあります。たとえば、「家族でゲームを楽しむ日」「宅配ピザを頼む日」などです。そんなハレの日をつくることで、親子でリフレッシュするようにしています。子どもたちのためというより、自分のためかもしれません。子どものためという大義名分のもと、保護者の皆さんにはリフレッシュできる時間をぜひとってほしいですね。
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