子どもの「整理整頓」、保護者の8割が不満!

アンケート期間 2012/07/04~2011/07/05 回答者数:2,618人
アンケート対象:本サイトメンバー 園児~高校生の子どもをもつ保護者
※百分比(%)は小数点第2位を四捨五入して表示した。四捨五入の結果、各々の項目の数値の和が100%とならない場合がある

今回のテーマは、お子さまの整理整頓。整理整頓ができている部屋は、見た目にもきれいなのはもちろん、必要な物をすぐに取り出せるなど、生活するうえでのメリットも多いですよね。逆にできていないと、不便なことも多いのではないでしょうか。今回は、就学前から高校生までのお子さまをお持ちの保護者を対象に、お子さまの部屋は片付いているか、掃除をするのは誰かなど、さまざまな質問をするとともに、部屋が散らかっていたことによるデメリット、お子さまが自分で部屋を片付けやすい方法などもご紹介しています。



子ども部屋が「すっきり片付いている」家庭は1割に満たず!

最初に、お子さまの部屋がどれくらい片付けられているかを伺いました。
子どもの部屋が「すっきり片付いている」という保護者は、わずか5.4%。10人中1人に満たない割合です。一方、「服や教科書などが乱雑に落ちている」という保護者は、45.5%。「足の踏み場もない」を合わせると50%を超えます。自分の部屋が散らかっているお子さまが多いようです。

【図1 あなたは、お子さまの整理整頓に満足していますか?】

図1 あなたは、お子さまの整理整頓に満足していますか?


では保護者は、お子さまの整理整頓についてどう感じているでしょうか。結果は、「満足していない」という保護者が80%近くを占めました(図1参照)。「うちの子は整理整頓ができていない!」と不満を感じている保護者が大半であることがわかります。



高校生の部屋でも、4割以上の家庭で母親が掃除をしている!

次に、お子さまの部屋を誰が掃除しているかを伺いました。

【図2 お子さまの部屋の掃除は、主に誰がしていますか?(学年別)】

図2 お子さまの部屋の掃除は、主に誰がしていますか?(学年別)


目立ったのは、子ども部屋の掃除は「母親がしている」という保護者。園児から中学生まで、どの学年を見ても過半数を占めています(図2参照)。
掃除は「子ども本人」がするという保護者は、学年が上がるにつれて多くなり、高校生ではトップ。ただ、それでも、「母親」がするというご家庭は4割以上。「子ども本人」との差は7ポイントしかありません。高校生でも、自分の部屋の掃除を「母親」任せにしているお子さまが少なくないようです。



子どもが自分の部屋を掃除するのは「親に叱られたとき」!

では、お子さまが自分で自分の部屋を片付けるのはどんなときでしょうか。また、お子さまが片付けをする頻度、保護者が片付けについてお子さまを注意する頻度についてもお聞きしています。

【図3 お子さまが部屋を片付けるのはどんなときですか? あてはまるものをすべてお選びください】

図3 お子さまが部屋を片付けるのはどんなときですか? あてはまるものをすべてお選びください


【図4 お子さまは、どのくらいの頻度でお子さまの部屋の片付けをしますか?】

図4 お子さまは、どのくらいの頻度でお子さまの部屋の片付けをしますか?


お子さま自身が自分の部屋の掃除をする機会は、「親に叱られたとき」が60%近くと、最も多くなりました(図3参照)。
お子さまが自分の部屋を片付ける頻度は、「月に1回」という回答が20.8%で最多(図4参照)。そして、「週に1回」「月に2・3回」「年に2・3回」が15%前後で続いています。
保護者が片付けについてお子さまを注意する頻度を伺ったところ、「週に1回以上」が60%近くを占めています。ところが図4で見たように、お子さまが実際に片付ける頻度はもっと低くなっていますから、必ずしも注意されるたびに片付けるわけではなさそうです。保護者が繰り返し叱ってようやく、お子さまが掃除を始めるというケースもあるのではないでしょうか。



散らかる原因、「使ったあと、元の位置に戻さないから」がトップ!

続いて、お子さまがうまく片付けられない場所、よく散らかっているもの、子ども部屋が片付かない理由について、伺いました。

【図5 お子さまがうまく片付けられないのは、どの場所についてですか? あてはまるものをすべてお選びください】

図5 お子さまがうまく片付けられないのは、どの場所についてですか? あてはまるものをすべてお選びください


【図6 お子さまの部屋で散らかっているものは何ですか? あてはまるものをすべてお選びください】

図6 お子さまの部屋で散らかっているものは何ですか? あてはまるものをすべてお選びください


【図7 お子さまの部屋が片付かない理由は何だと思いますか? あてはまるものをすべてお選びください】

図7 お子さまの部屋が片付かない理由は何だと思いますか? あてはまるものをすべてお選びください


保護者が「子どもは自分の部屋のここが片付けられない」と思っている場所として最も多く挙がったのは、「学習机」(図5参照)。6割以上を占めています。続いて「床」が4割、「本棚」「収納(押し入れ・タンス)」「ベッド周辺」が2割強でした。
子ども部屋に散らかっているものは、「プリント」が6割を超えてトップ(図6参照)。「教科書・問題集」も過半数に達しています。「文房具」「洋服」「バッグ」「おもちゃ」を挙げる保護者も少なくありません。
では、なぜお子さまは片付けられないのでしょうか。保護者にその理由を考えていただいたところ、「使ったあと、元の位置に戻さないから」という声が最も多く、7割以上とダントツでした(図7参照)。



部屋が散らかっていると、こんなことが困る!

では、子どもの部屋が散らかっていると、保護者はどのようなことが困ると感じているでしょうか。実際に困ったエピソードをご紹介します。

☆部屋が散らかっていることで、困ったエピソードがあれば教えてください。
●提出物がよく行方不明になります。一番ひどかったのは、夏休みの自由研究がなくなったこと。子どもは始業式の前日に半泣きで探していました。一日中探し回った結果、ようやく弟の机の中から発見されました
●必要なものが見つからなくなって、子どもはしょっちゅう大騒ぎをしています。また、床に散らばったおもちゃや本などを踏んで、子どももわたしもよく痛い思いをします
●前の晩に解いた宿題のプリントが翌朝になって見つからず、提出できなかったことがあります。また、遊びにきた子どもの友達に、「うわっ、部屋ぐちゃぐちゃだね」と言われたことも。だからわたしも、「遊びにおいで」と気軽には言えません
●家庭訪問で担任の先生がいらっしゃったとき、物が乱雑に散らばる子ども部屋を見られてしまいました。先生にとってはありのままの状態を見ることで子どもの生活習慣をチェックできてよかったのかもしれませんが、わたしは顔から火が出そうでした
●掃除機をかけづらいこと。物がじゃまなだけでなく、大切なプリントなども床に散らばっているので、必要なものを吸い込んでしまうのではないかという不安も大きいです
●うちの子はアレルギー体質なんですが、自分の部屋のゴミやカビなどによって湿疹や鼻水がとまらない状態になってしまい、通院したことがあります

など



子どもの片付けには、こんなアイテムがオススメ!

次に、お子さまが部屋を片付けるときに便利だと思われるアイテムや方法などをお聞きしました。

☆お子さまが片付けをする際に便利なものがあれば、使い方とともに教えてください。
●ずばり、突っ張り棒。机の下、ベッドの下、押し入れの中などに活用すると良いと思います。掛けたりつるしたりと、子どものアイデア次第でさまざまな使い方ができるので、片付けが楽しくなるのではないでしょうか
●大きな段ボール箱に、わたしが子どもの好きな色の包装紙やお気に入りのシールなどを貼り、我が家オリジナルのおもちゃ箱をつくりました。娘はその箱に収納するのが楽しくなったのか、それまで散らばっていたおもちゃが嘘のようにきれいに片付くようになりました。雑貨屋さんでもらったピンクのビニールバッグを使ってつくったおしゃれゴミ箱も、娘のお気に入りです
●クリアファイル。学校から毎日たくさんのプリントが配布されるので、内容ごとにファイリングさせています

など



うちの子は、これで片付け上手になった!

今回アンケートにご協力くださった保護者の中には、以前は自分で片付けられなかったけれど、今は片付けられるようになったというお子さまをお持ちのかたがいらっしゃいます。そのかたたちに、子どもを片付け上手にする工夫をお聞きしました。

☆お子さまが片付け上手になった方法があれば、教えてください。
●「かたづけ士」こと小松易さんの著書を読んだのをきっかけに、子どもは整理整頓に対するモチベーションが上がったようです。「部屋の乱れは心の乱れだから、しっかり片付けよう!」とはりきるようになりました
●きょうだい2人でひとつの部屋を使っているのですが、以前は各自がおもちゃを散乱させ、足の踏み場もないような状態でした。片付けさせるにはどうしたらよいかを考えた末、1人ずつ専用のおもちゃ箱を用意し、そこに名前を書いた大きなラベルを貼ることにしました。すると、自分のおもちゃに対する責任感が生まれたのか、遊んだらしっかりおもちゃ箱にしまうようになったんです。今では、きれいに片付いています
●子どもに一人部屋を与えたら、すすんで片付けるようになりました。それまではきょうだい2人でひとつの部屋を使っていたのですが、自分がいくら整頓していても、妹が好き勝手に散らかすので、片付けようという意欲がなくなってしまっていたそうです
●収納スペースや収納グッズを買ってあげるなど、子どもが自分で片付けられるような環境を整えてあげましょう

など



多くの保護者が、お子さまの部屋が散らかっていることに不満を抱いていました。「提出物がなくなる」「友達を呼べない」「掃除機がかけづらい」など、部屋が片付いていないことによって「困った」という体験談もたくさん寄せられています。
保護者の悩みとして目立ったのは、「ただ叱るだけでは、子どもが自主的に片付けるようにはならないのではないか」「自分からすすんで整理整頓できるようになるために何をしたらよいか」という声です。整理整頓は大切な生活習慣の一つ。言われなくてもできるようになってほしいと感じることは、保護者としてもっともですよね。
今回のアンケートでは、先輩保護者の体験に基づいた、お子さまにとって実践しやすい片付け方やお子さまを片付け上手にする方法もご紹介しています。また、片付けのコツは、「かたづけ士」の小松易先生による「子どもの自立を促す片づけ術」でもご覧いただけますので、ぜひ参考にしてください。


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