模試の結果が思わしくなかった場合[模擬試験の上手な活用の仕方 第4回]
(4)模試の結果が思わしくなかった時
模擬試験は「模擬」試験
模試の結果はよい時ばかりとは限りません。「あれだけ勉強したのに、何でこんな成績しか取れないの?」「何でうちの子は回によってこんなにも偏差値が違うの?」──何度となく頭を抱えることになるでしょう。11月以降の模試では、模試の答案を見て、「今頃になってこんなこともできていない!」、「こんな間違いをしている!」というショックを受け、今からどうすればいいのだろうと、呆然(ぼうぜん)とすることもあるでしょう。
そんな時は、こんな考え方をしてください。模擬試験はあくまでも「模擬」試験。本番とは出題レベル・出題傾向・受験集団など、あらゆる面で違います。数字やデータはもちろん大切な目安ではありますが、それらはあくまで「参考」です。
模試の結果どおり合否結果が出ないことはいくらでもあります。
前向きな言葉かけを
模試の成績が下降すると、本人も何となく自信がなくなります。子どもがスランプに陥った時は、親も困惑します。そのため、「こんな調子ではどこも受からないわよ」、「もう○○高校くらいしかないわね」などといった、言わずもがなのことをつい口にしてしまいがちです。あとになって冷静になってみれば、こんなことを言って、いいことは何もありません。
よその子どもと比較することもNGです。皆ががんばりだすのですから、偏差値が上がらないのは当たり前です。「偏差値が上がらなくてもいいから、これから各教科10点ずつ上げていこうね」──ある保護者はこんな言葉かけをしました。
私の知人に、私立の女子高校でバレーボール部の顧問をしている先生がいます。強豪校と試合をした時、まったく歯が立たず、相手のスパイクが次から次へと床に落ち、選手は足がすくんでいました。その時、先生はタイムをかけ、「足でも何でもいいからボールを上にあげなさい!」──ひと言それだけを言いました。すると選手たちは、壁にぶつかることも怖がらず、必死にボールに食らいつくようになりました。
端的で効果的なひと言。スランプの時だからこそ、子どもの元気が出る、とっておきのひと言を言ってあげてほしいものです。