偏差値表で高校入試事情を把握する[模擬試験の上手な活用の仕方 第3回]
(3)偏差値表で最近の高校入試事情を把握
昔のイメージを払拭(ふっしょく)
保護者のころとは各高校の置かれた状況は大きく違っています。公立で学区が撤廃されたり、「進学重点校」の指定があったりしたところでは、各高校のランクが大きく変動しています。私立にも大胆な学校改革をして、まるで別の学校に生まれ変わったところがあります。昔は公立の“併願校”だった学校が、今では難関校になっている、などというケースもたくさんにあります。
模試の結果と同時に届く偏差値表などに目を通し、最近の高校入試事情を把握しておくことも早めにやっておきましょう。
家族の中には、ふだんは無関心で、いざ受験校を決めるという段になって急に、「何でこの学校を受けるのだ?」「○○なんてお父さんのころは……!」なんてことを言い出し、子どものモチベーションを直前になってむちゃくちゃにしてしまうというパターンがあります。
ですから、早めに家族にも最近の高校入試事情がわかる材料を見せておくといいでしょう。
どのコースかで合格の可能性はまったく違う!
私立高校は都道府県によって位置づけが大きく異なり、また学校ごとの特色もバラバラです。ですが、大きな傾向として、子どもの50%以上が大学進学する状況になって、必然的にどこも学校を進学校につくり変えています。その時、一気に学校全体をレベルアップすることは困難なので、多くの学校で1クラスないし2クラスの「特進コース」「特選コース」を設け、重点的に指導することで大学合格実績を出す方策をとっています。
ですから「コース」を設けている高校の場合には、どのコースを受けるかでまったく合格の可能性は違ってきます。同じ高校でも、特待生や特進、選抜といったコースと総合コースとでは合格基準に大きな開きが生じるからです。コースによって合格偏差値が20くらい違う私立高校は、いまや珍しくありません。
このように、「コース」によって別の学校といってもいいくらい違いがあることも頭に入れておいてください。