注目すべきは成績よりも答案[模擬試験の上手な活用の仕方 第2回]
(2)成績表より答案に注目!
平均点を下回っている教科、単元はないか?
模試の結果が返ってくると、ほとんどの保護者が「合格の可能性」と「偏差値」に注目し、結果が出るたびに、「こんな成績ではとても○○高校は受からない。もっと別なところを探さなければ……」、「受験勉強のしかたそのものがマズイのではないか。塾を替えたほうがよいのでは……」、「もっと上を望めるのでは……」といったことばかりを考えがちです。
けれども、9月段階では模試の結果に一喜一憂しないでください。保護者の一喜一憂にお子さまは敏感です。
「志望校を変更したほうがいいか……」は11月以降の話であり、10月までは「どこを間違えたのか」をチェックしてやり直す、「弱い単元はないか」に注意して、そこをテキストに戻って復習する、そうしたことに重点を置くことです。 「合格の可能性」と「偏差値」が気になるのは当然ですが、それに注目するのと同じくらい平均点を下回っている教科・単元の発見に目を向けてください。お子さまと一緒にそれらを克服する手段を講じることこそが、9月段階の模試ではいちばん大切なことです。
答案作成の「クセ」を直す
弱い教科・単元の発見・克服だけでなく、答案作成上のクセなどについても注目してください。
たとえば、設問に合った答え方ができているか、記述式解答の字数は制限字数の8割以上書いているか、誤字・脱字がないか、解答の単位は合っているのか、計算ミスはしていないか……などです。
答案作成上の改善点、クセなどを早いうちに発見し、直しておくために活用するということも、模試を受ける重要なポイントです。ケアレスミス、答案作成上のクセは、子どもは何度でも繰り返すものです。本番でそれが出ないよう、今のうちから模試の答案をチェックしてください。
最初の模試で志望校を決めない
初めて模試の成績を手にすると、それで受験校を描きたくなります。ですが、子どもの実力は今後いくらでも上がります。第一志望校はともかく、早い時点の学力で受験校を決めてしまう必要はまったくありません。 スポーツ選手がオリンピックなどに照準を合わせ、その試合の当日にピークがくるよう調整するように、理想的にいえば、受験生も第一志望校の受験当日にピークを持っていくことが大切なのです。