福袋やセールを通して考える「お店の売り方」「お客の買い方」

※2007年12月現在の情報に基づいた記事です。

クリスマスからお正月に向かって贈り物が盛んになる時期、お店では一気にバーゲンシーズンを迎えます。
今回はそんな「歳末大安売り」「バーゲンセール」などをテーマに、適性検査にも役立つ論理力を養う練習をしていきたいと思います。


■お店いまむかし 歳末大安売りの始まり

今でこそ年末年始も休まないコンビニや、1月2日にはもう初売りを始める百貨店もありますが、以前は年末年始ともなると、ほとんどのお店がしっかりとお休みをとっていました。
昔は百貨店のような大規模な店舗は今よりも少なく、日々の買い物は地域の商店街にあるお店で事足りていました。商店の規模は小さく、精肉店なら肉、青果店なら野菜や果物…と決まった商品を扱うことが多く、商店主も地元に住んでいる人の場合がほとんどでした。
昔は今よりずっと年中行事や暦を重視していたことや、プライベートな生活も非常に大事にしていたこともあって、こうした商店主たちは年末年始、しっかりと休みをとっていたようです。また、そもそもお店の規模が小さいために、商品をそんなに置いておけないことや、今ほど生鮮品の保存技術が発達していなかったという側面もありました。

そうした背景があり、商店主たちは年末、店を閉める前に手持ちの在庫をできるだけ減らすため、値引きをするなどして、客にいつもよりもたくさん買ってもらえるような工夫をしました。それが「歳末大安売り」、つまり年末のバーゲンの始まりだったようです。
お客の方も年末年始には毎日の買い物をしていた商店街が一斉に閉まるわけですから、正月を過ごすために、年末休みに入る前にまとめて買い物をしなくてはなりません。こうした店側の工夫と客側の事情がぴったりマッチし、バーゲンは商習慣として定着したのですね。
そして、年末年始は商店主も客も静かに家で過ごし、鋭気を養って年を越しました。こうして正月を迎え、松の内(7日または15日)くらいまで休むと、商店街は今度は一斉に「初売り」を始めます。客は正月に使いきってしまったものを買うために店に急ぎ、店側は年明けにふさわしい品ぞろえで客を迎えます。今よりもずっと歳末大安売りや初売りが店にとっても客にとってもありがたかった時代がありました。個々の店と客の結びつきも強く、店と客、双方の生活が地域に密着していたからこその風景なのでしょうね。


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