絶滅のおそれがある生き物や身近な生き物を通して深く考えよう。 自然や環境、そしてそこにすむ生き物たち

適性検査でも重要! 理科分野や環境問題

適性検査での出題例
  • ある生き物が絶滅の危機にさらされている原因をグラフや資料から読み取る問題
  • 生態系について説明させる問題

適性検査でも理科分野の問題はよく取り上げられており、日本に持ち込まれた外来種が環境にどのような影響をもたらすのかを考えさせる問題や、環境問題に対する自分なりの意見を問う問題などが出されています。


親子でやってみよう

  • 環境省「インターネット自然研究所」の「RDB図鑑」にアクセスして、どんな野生生物が絶滅のおそれがあるのか見てみよう。
  • 普段の生活で目にする生き物を挙げてみよう。
  • 「日本のレッドデータ検索システム」から、自分が住んでいる都道府県に絶滅のおそれのある野生生物がいないか調べてみよう。

▼ RDB図鑑~希少な生きものたち~
http://www.sizenken.biodic.go.jp/rdb/
こちらは環境省インターネット自然研究所内のコーナーです。


命の重さを教えてくれる身近な動物たち

身近な動物たちについても考えてみましょう。
ペットとして現在ではさまざまな生き物が飼われるようになってきましたが、皆さんのご家庭でもペットを飼っているでしょうか。


ペットは命の重さや尊さを教えてくれます


ペットは家庭にやすらぎをもたらしてくれますが、一方、いろいろな理由から捨てられてしまった動物や、迷子になってしまい元の飼い主のもとに戻れない動物たちも後を絶ちません。実際にどのくらいの数のペットたちが施設に収容されているのか、東京都の過去10年を例に見てみましょう。


東京都動物愛護相談センターでの動物取り扱い数の推移(犬・猫・うさぎなどの合計数)


東京都の数は減少傾向ですが、いまだに1万近くもの動物たちがこうした施設に収容されているのです。
ペットとしては扱いが難しすぎた、引っ越しなどの事情で飼いきれなくなった、世話に飽きてしまった…そんな理由でいろいろな生き物が捨てられています。
生き物にも人間と同じように命があり、生きる権利があります。ペットを飼うということは、その生き物の一生を背負う責任や義務が発生するということです。子どもたちにとってその責任はとても重いものですが、それ以上に生き物が教えてくれる命の大切さはきっと子どもたちの心の栄養になるはずです。生き物を飼うときにはぜひ、何度も親子で命について話し合い、最後までしっかりと責任をもって世話をしてください。
ペットでなくても、カラスやネコなど、身近に見かける生き物はたくさんいます。こうした折々に自分以外の命について考えてみることは、他の命の尊厳を認めるだけではなく、自分の命も大切にするということにつながります。
また、近年ヘラクレスオオカブトのような外国産の昆虫など、外来種の珍しい生き物を扱うペットショップも多くあります。しかし、これらの生き物は扱い方も難しいうえに、万が一逃げてしまった場合、環境にどのような影響を与えるかわかりません。
アライグマやブルーギル、ミシシッピアカミミガメといった外来種が問題になっていますが、もとは人間が持ち込んだもの…という生き物も多いのです。害があるといっても、本能によって生きる生き物たちに罪はなく、人間の無知や身勝手が今の事態を招いてしまったともいえます。ですから、外来の生き物を飼う場合は、信頼できる適正な指導のもとに行われるべきであり、十分な注意が必要なのです。

さて、今回は絶滅のおそれのある野生動物から身近な動物までを取り上げました。自然・環境問題は頻出分野ですが、子どもにとって(大人でも)「自然」を具体的にイメージするのは難しいことです。
ですから、今回のような、「レッドリスト」にある絶滅のおそれがある野生動物や、身近にふれあえる生き物たちの問題を通して、家庭内で命や、自然・環境(そして自分たちもその一部であること)について、積極的に理解や考えを深めてほしいと思います。
とても深いテーマですが、考え続けていくことで適性検査に役立つだけでなく、これから未来の地球を守っていく子どもたちにとって、大切な学びになるのではないでしょうか。


プロフィール



「進研ゼミ小学講座」は2020年新課程に対応して、リニューアル。基礎から応用までの学力向上はもちろん、自ら学ぶ姿勢を身につける。
学んだ知識を使って、自分なりの答えを導き出す。そんな体験を繰り返すことで、「自ら考え表現する力」を育んでいきます。

子育て・教育Q&A