3月はいろいろ考える時期 進学先が第一志望の学校ではない[高校受験]

■これからは先のことだけを考えて

全国的に今はいろいろな状況のかたがいらっしゃると思います。既に私立高校入試、公立高校の一般入試も終わり、入学先が決まっている受験生もいれば、これから公立高校の一般入試を控えているという受験生もいると思います。また3月は、高校入学を前にお子さまの将来について思いを巡らす時期でもあります。そこで、今回もさまざまな切り口で、この3月の過ごし方を考えてみましょう。

■できなかった問題にもう一度取り組む

第1志望はそもそも無謀なチャレンジ校だった、事前の模擬試験では80%の合格可能性が出ていたのに……など、入試には予想どおりの不合格もあれば、予想外の不合格もあります。後者だった場合には保護者もショックを受けられていることと思います。

しかし、まだ入試が残っているのなら、嘆いている暇はありません。気持ちを奮い立たせ、次の試験に向けて前を向くことだけを考えてください。倒してしまった「ハードル」のことは忘れて、前を向いて走る、これがこのような時の鉄則です。
不合格だった学校の問題用紙があるのなら、それも見直して、できなかった問題にもう一度取り組んでください。知識があやふやだったら、教材のその単元に戻って復習することです。また、次の受験校の「過去問」にいま一度取り組み、問題の量、構成、設問の仕方、記述の字数などに慣れておくことも有効です。


■受験疲れは早めに解消する

一方、もう入学先が決まっている場合でも、そこがめざしていた第1志望でなく、第2志望、第3志望だった場合には、保護者自身も落胆されていることと思います。たくさんの学校説明会に出かけた、塾のお弁当作りにも力を入れてきた、健康管理にも神経を使ってきた……。一生懸命サポートしてきた保護者ほど、受験生活の疲れがどっと出て、何をする気力もわかない、脱力感に襲われていることと思います。
クラスや、塾の友達との間で、普段の成績と受験の結果が逆転していたりして、ショックが二重に大きいということもあります。「○○くんはA高校に受かったのに、うちの子はどうして受からなかったのか」「まさかB高校に進むことになるとは思ってもいなかった」……ご近所の人と顔を合わせるのが嫌で、スーパーに買い物にも出かけられない、そんな保護者もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような状態でしたら、ショッピングに出かけたり、日帰り入浴に行ったり、遠くでお茶したり……して、1日も早く気持ちを晴らすことをしてください。
保護者のかたがいつまでも下を向いていたら、お子さまもいつまでたっても前に踏みだせません。無理にでも笑顔を浮かべ、大きな声で話しましょう。気持ちを強く持って、これからは先のことだけを考えてください。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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