息子を志望校に合格させたお父さまが家庭でできる読解問題の作り方を伝授
日本経済新聞社の新聞記者である鈴木さんは、高倍率の東京都・千代田区立九段中等教育学校に2人の息子さんを合格させ、その手記を出版されました。次男・大二朗さんの受検に役立った、練習問題のつくり方や、文章の添削方法を詳しくインタビュー。公立中高一貫校をめざすご家庭はもちろん、難関国・私立中学をめざすご家庭も必読です!(2008年9月18日更新)
profile お父さま・鈴木亮(すずき・りょう)さん1960年生まれ。1985年早稲田大学政治経済学部卒業、日本経済新聞社入社。兜記者クラブキャップを経て、1997年ロンドン駐在特派員。大阪本社経済部次長などを経て、現在、東京本社証券部次長兼日経金融新聞副編集長。現在は東京都在住で、中学3年生と中学2年生の2人の男の子の父。長男の雄大郎さん(写真・左)が2006年4月、次男の大二朗さん(写真・右)が2007年4月、ともに東京都千代田区立九段中等教育学校に入学。 |
過去問が少ない。材料は新聞の中にある。「これなら自分にもつくれる」と思った
息子さんが2人とも九段中等教育学校を志望されたきっかけは?
妻も私も、長男が受検する1年前まで、東京に公立中高一貫校なるものがあることを知らなかったんです。ニュースを聞きつけた妻は、九段中等教育学校が英語教育に力を入れると聞き、「帰国子女である息子に向いているかも」と思ったようです。そこで興味をもちはじめて夫婦で説明会に行ったところ、地域の公立中学校でも私立でもない、これまでの日本にはなかったとてもユニークな教育を実践しようとしていることがわかりました。公立なので、中学にあたる前期課程の学費が無料というのも魅力で、それで私立に負けない教育を受けられるならこれはおもしろいぞ、と思ったわけです。
なぜ問題をご自身でつくろうと思われたのですか?
公立中高一貫校の「適性検査」と呼ばれる入学者選抜の問題は、塾では指導しにくいような問題ばかりでした。大半は「経験に基づいてあなたの考えを書きなさい」というもので、子どもたちの経験はそれぞれ違うので、答えは一つではないわけです。公立中高一貫校をめざすなら、子どもとこれまでの人生経験をともにした親である自分が見るのが一番いいんじゃないかと思いました。
それから、過去問が少なかったことも大きかったですね。九段中等教育学校は2006年4月開校でしたし、そのほかの既存の公立中高一貫校も、みんなここ数年以内に開校した新しい学校ばかりでしたから。そんな中、数少ない過去問題集を書店で見つけて取り組んでいたのですが、解答が詳しく載っていないのです。それで息子に「模範解答どおりじゃなくてもいいんだよ」とアドバイスするようになり、「これなら私でもつくれるな」と思ったんです。過去問が少ないなら、むしろ新しいニュースをもとにつくったほうがいい、と。