紙の辞書?電子辞書? 学習スタイルに合った辞書選びのポイント それぞれのメリット・デメリットは?

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進級・進学の季節が近づき、新しい学年への準備の時期となりました。今回は、その中でも特に選び方に迷いを感じられることの多い「辞書」についてお伝えします。
辞書は主に、紙の辞書と電子辞書の2種類があります。どちらもメリット・デメリットがあり、教育関係者の間で頻繁に議論されるテーマとなっています。
今回は、紙の辞書・電子辞書それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。辞書を使うかたの学習スタイルや目的に合った辞書選びの参考にしてください。

この記事のポイント

一覧性が高く、書き込みができる紙の辞書

まず、紙の辞書のメリット・デメリットをお伝えします。

<メリット>

  • ①一覧性が高く、意味・用法・用例を一度に確認できる
  • ②直接書き込みができる
  • ③電子辞書と比較すると安価なものが多い

<デメリット>

  • ①持ち運びがしづらい
  • ②急ぎの調べものにはやや不向き

<メリット>

紙の辞書のメリットは、その一覧性の高さにあります。紙の辞書は探した語の意味・用法・用例を一度に見渡すことができます。加えて、調べたい語のまわりにある語の意味が目に入ることから、ほかの言葉や表現を知るきっかけにもなります。こういった「言葉との偶然の出会いがある」という点は、紙の辞書独特の利点であると言えます。

また、調べた語にマーカーを引いたり、補足情報を書き込んだりできるのも、紙の辞書の大きな利点です。一部の電子辞書では書き込み機能があるものもありますが、実際に辞書に書き込んでいくことで、努力の蓄積が目に見えて形になるという味わい深さを紙の辞書に感じる人も多いです。
種類にもよりますが、紙の辞書は電子辞書に比べて安価なものが多いため、学習にあたってまず1冊辞書が必要、という場合に買い求めやすい点もメリットとして挙げられます。

<デメリット>

一方、電子辞書と比べて大きなデメリットとされるのが、持ち運びの不便さです。
自宅から学校、自習室、カフェなど、様々な場所で勉強をする人にとっては携帯性の悪さはデメリットと感じられるように思います。また、紙の辞書は慣れるまでの間は調べたい単語にたどりつくのに時間がかかるため、急ぎの調べものにはやや不向きと言えます。

コンパクトで、いろいろな検索機能を持つ電子辞書

では次に、電子辞書のメリット・デメリットをお伝えします。

<メリット>

  • ①持ち運びがしやすい
  • ②調べたい語をすばやく、いろいろな方法で検索できる
  • ③履歴や暗記カード、音声再生といった様々な機能がある

<デメリット>

  • ①紙の辞書に比べると値段がやや高く、扱いに注意が必要
  • ②一度に見られる情報が限られている

<メリット>

電子辞書のメリットはまずその持ち運びのしやすさにあります。
そのコンパクトさから、机の上に置いたまま学習する際にも省スペースで邪魔になりにくいのが特徴です。また、紙の辞書とは異なり、前方検索・後方検索・あいまい検索といった機能によって、完全一致でなくても調べやすいことも電子辞書の利点です。さらに、複数の辞書を同時に引き比べることができるため、すばやく調べることができます。

加えて、電子辞書には様々な付属機能があるものも多くあります。例えば、あらかじめ登録しておいた英単語を暗記カードとして学習できる機能や、英単語の音声再生機能など、学習をより便利にしてくれる機能が充実しています。特にこの音声再生機能は英語をはじめ他言語を学習する方にオススメです。

<デメリット>

電子辞書は電子機器ですので、機能が充実している分、紙の辞書よりもやや高価となっています。
数千円~数万円の品物となるため、失くしてしまったり、壊してしまったりといった場合のリスクは紙の辞書よりも高くなっています。そのため、身のまわりのものをしっかりと管理できる、高校生ごろから持つ人が多いようです。また、一度に表示できる行数が限られているため、紙の辞書ほどの一覧性はありません。加えて、調べたいことにすぐたどりつけるため、周辺知識をついでに学ぶ、といったことがしづらい点も紙の辞書と比較するとややデメリットと言えます。

学習スタイルと目的に応じて、使い分けることが大切

紙の辞書と電子辞書にはそれぞれメリット・デメリットがありますが、どちらの辞書にもそれぞれ根強い支持があります。
学習スタイルと辞書に求める機能は人によって異なるため、それぞれのメリットをきちんと活用できれば、どちらの辞書も非常に有用であると言えます。紙の辞書と電子辞書それぞれのメリットを踏まえて、以下のように活用しやすい学習スタイルをまとめました。

<紙の辞書がオススメの学習スタイル>

・辞書を一度引いたときに、周辺知識を含め、多くの情報を得たい
・自宅や学校での使用が中心で、辞書を持ち運ぶ機会が少ない
・付せんを貼ったり、マーカー、ペンなどで書き込みをしたりしたい

<電子辞書がオススメの学習スタイル>

・自宅や学校以外の場所に、辞書を持ち運ぶ機会が多い
・授業の予習に使用するなど、短時間でパパっと必要な情報だけ確認したい
・英語をはじめ、外国語学習の際に発音まで確認したい

このように、まずはご自身やお子さまが辞書に求める機能を熟慮し、検討することをオススメします。
また場合によっては、紙の辞書と電子辞書の両方を必要とすることもありますし、より専門的な学習になってくると、複数の辞書を見比べるために参照したいということもあります。
メリット・デメリットをよく理解したうえで、紙の辞書と電子辞書とを使い分けることが活用のポイントです。

まとめ & 実践 TIPS

紙の辞書、電子辞書に加え、最近では辞書アプリやWeb辞書の活用についても耳にします。これまでに比べて、「辞書」そのものの選択肢が多岐にわたっている昨今、自分の学習スタイルに合った辞書をぜひ模索してみてください。

株式会社プランディット 英語課 堀内(ほりうち)
編集プロダクションの株式会社プランディットで、進研ゼミを中心に、小学校から高校向けの英語教材の編集を担当。

プロフィール



1988年創業のベネッセ・グループの編集プロダクションで,教材編集と著作権権利処理の代行を行う。特に教材編集では,幼児向け教材から大学入試教材までの幅広い年齢を対象とした教材・アセスメントの企画・編集を行う。

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