なぜ適性検査なのか? 時代が求める学力を探る! 5分でわかる最新教育事情 

適性検査から新しい時代が見える!

今、日本の教育の重点施策のひとつに「読解力の向上」があります。2003年に実施された国際的な調査で、日本の子どもの読解力の低さが明らかになったためです。ここで言う「読解力」は、保護者のかたが子どもの頃に国語の授業で習ったような「決められた解釈をなぞらえる力」とは全くの別物。「体験や学習を通して身につけた知識を使い、自分で解答を作り出す力」を指します。危機感を持った文部科学省は2005年12月、学校教育で言葉や文章を自分なりに理解したり評価したりする力や自分の考えを表現する力を育もうとする「読解力向上プログラム」をまとめました。また、2007年度までに改訂を終える予定の新学習指導要領では「言葉の力」を重視しています。これによると、国語に限らず、各教科を通じて子どもたちに「論理的な思考力」や「表現力」を身につけさせるねらいがあるようです。
ここで、冒頭に挙げた公立中高一貫校の適性検査問題を思い出してみてください。「筋道を立てて説明する力」はすなわち「論理的な思考力」、「自分で答えを作り出す力」はすなわち「表現力」と言い換えられるのではないでしょうか。公立中高一貫校の適性検査問題は、“新しい時代を反映した最新型の問題”と言えるでしょう。

公立中高一貫校を志望する、しないにかかわらず、親子で適性検査問題を見たり、実際に取り組んでみたりすることは、きっと子どもの将来につながるはずです。なぜなら、公立中高一貫校の適性検査で問われている力は、今だけでなく、子どもたちが将来社会で問われる力だからです。保護者のかたは、お子さまに励ましの言葉をかける際、「新しい時代が求めている力」について語ってみてはどうでしょうか。ぜひ親子で一緒に適性検査問題に取り組み、「適性検査の問題を解く力って、あなたが大きくなったときに役立つ力なのよ」と教えてあげてください。

初回は、公立中高一貫校の適性検査に焦点を当て、教育の動きについて解説しましたが、次回からは、適性検査でも出されているような、新聞やニュースなどで話題になっているテーマを取り上げます。


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「進研ゼミ小学講座」は2020年新課程に対応して、リニューアル。基礎から応用までの学力向上はもちろん、自ら学ぶ姿勢を身につける。
学んだ知識を使って、自分なりの答えを導き出す。そんな体験を繰り返すことで、「自ら考え表現する力」を育んでいきます。

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