【回答:ミスター・ツカム】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その7>

「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。


【回答:ミスター・ツカム】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その7>


過去問は、いつ頃から始めればいいですか?

応用問題がなかなか解けません

図形問題がニガテです

過去問は、いつ頃から始めればいいですか?

過去問は、いつ頃から始めればいいですか? 小学5年生からでは、早いでしょうか? 過去問の効果的な取り組み方を教えてください。
まず過去問について考えてみましょう。
多くのご両親の方々も受験された経験があることでしょう。その時、どういうふうに過去問を利用したか?…って思い出してください。
目的は2つですね。(1)自分はどれくらい得点できるのか? (2)どんな傾向があるのか?…です。
だから基本的には6年生の夏以降がいいです(すべての単元の学習が終了後という意味で)。
例えば、5年生が志望校の過去問を見たらどう感じるでしょうね?
「ええっ! 超むずかしいや」と思うでしょう。
「よおし、がんばってこの問題を解けるようになるんだ」というガッツあふれる向上心旺盛な受験生だったら早期から入試問題を見ても大丈夫です。反対にマイナスのイメージがインプットされるなら逆効果ですね。
過去問題集を見るだけで拒否反応を起こすお子さんがいますので、過去問は「データの公開」「この問題ができる人に来てほしいなあ…」という本なのだよ、…とリラックスさせてください。
志望校にフォーカスする意味で5年生から買っておくのもいい方法です。
その際「今は解けなくてあたりまえだからね」と念を押しておいてくださいね。

応用問題がなかなか解けません

小学5年生の息子は、暗記は得意なのですが、応用問題が不得意です。特に算数の応用問題は難しいらしく、考えている途中でこんがらがってしまい、なかなか解けません。応用問題に強くなるコツがあれば教えてください。
暗記が得意な子に多く見られるかもしれませんね。記憶が得意だから全部アタマの中で考えてしまう傾向があります。アタマの良い子ですね。
文章問題なら、まず図をていねいに描いて整理すること。図形問題なら、一番基本になっている図形をしっかりと発見すること。
そういう習慣を早いうちにつけていってください。私の経験上でも言えるのですが、多くのお子さんは線分図など描こうとしないで考えるのです。「おいおい、その問題アタマの中だけで考えてもできないんじゃないかなあ…?」ってアドバイスしても描かない子もいました。それぐらい描かないんですよ。
だから、その習慣ができるまでは、図や絵を描いただけでもほめてあげてください。
それから、応用問題というのは基本問題の組み合わせです。この基本が「定着」していないと、応用をこなすのは難しいです。「定着」とは、問題を読んだとたんに図を描いて計算に進んでいる…という状態です。
これぐらいに基本問題を何度もくり返すのが、応用問題をこなす近道なのです。「急がば回れ」です。塾の宿題などで時間がなかなかとれないでしょうが、そこをがんばって基本に徹してみてください。

図形問題がニガテです

小学4年生の娘は図形問題が苦手です。図形を見ただけで、アレルギーのように「イヤ」という意識が強くなってしまいます。どうしたら、図形問題に積極的に取り組めるようになるのでしょうか。そのきっかけを知りたいです。
アレルギーのように「イヤ」と思うのは、もう条件反射になっているのですね?
ニガテについては前にもお答えしましたが、昔イヤなことがあって、その意識がずっと残っているという状態です。ですからお子さんは図形を学習し始めたところで、理解しづらく「自分は図形はできないんだ」と思いこんでしまったのではないでしょうか。
ですからもう一度、図形が登場した初期の問題に戻って「なあんだ。けっこう簡単じゃない」という気持ちにつくり直すことが必要です。
4年生で図形といえば「角度」「面積」「展開図」でしょうか?
場合によっては頭の中で考えるだけじゃなく、実際に紙とはさみなどを使って「遊び」感覚で解いてみるのもいいでしょうね。
6年生になったら、今やっている問題はたぶん解けます。
…ということは基本的な練習が不足しているだけですよね。心配ありません。最初に戻って自信をつけさせてあげて、そして「できるじゃない」という言葉かけをいっぱいしてあげてください。

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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