【回答:ミスター・ツカム】家庭学習・家庭内コミュニケーション<その5>
「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。
計算を丁寧にやりすぎて、時間がかかりすぎます
友達の意見に影響される
1年生の今から準備できることは何ですか?
計算を丁寧にやりすぎて、時間がかかりすぎます
Q | 小5の女の子です。計算のしかたがいまだに、一つひとつ丁寧にステップを踏んでやっている始末で、計算の工夫や効率化をしようとせず、問題を解くスピードが上がっていかないので、親のほうがやきもきしています。工夫できることを指摘してあげると「わかった」と言います。通っている塾でも計算の工夫やまちがいにくい計算方法を適宜指導してくれているとも聞きました。どのように促したらもっと工夫して効率的に計算をするようになるでしょうか? |
A | 計算を丁寧に一つひとつやっていくのは、とても慎重なお子さんですね。 工夫できることを教えて「わかった」と言うのですから、理解はしていると思います。しかし定着していないという状態ですね。 計算式を見たら自然に「何か工夫するところはないかな?」と発想できる状態が定着です。 これには、一定期間、毎日練習する必要があります。1日3問でも5問でもいいので「この3問は工夫して楽ちんに計算しましょう」と、しっかり『プリフレーム』をかけて始めます。『プリフレーム』とは、前もって注意事項とか意識することを明確に伝えておくことです。 プリフレームについでは、私のメルマガ 第175回「前もった指示が効果をあげる(プリフレーム)(http://www.mekimeki.net/mailmaga1-5.htm#175)」を参考にしてくださいね。 これを最低14日間続けると定着すると思います(人の習慣が出来るのは21日間と言われています)。一度定着するまでが大変なことですが、がんばってみてくださいね。 |
友達の意見に影響される
Q | 5年生の娘は、仲の良い友達に振り回されています。友達の行きたい学校に自分も行きたいと言って、友達が志望校で揺れると一緒に迷っています。「受験するのは、あなた自身なのよ」と言っても、なかなかわからないようです。どうしたら、自分の考えをしっかりもつようになるのか、アドバイスをお願いします。 |
A | うんと小さい頃、他人の持っているオモチャのほうが、いつもおもしろそうに感じたことはなかったですか? 私にも経験あります(笑)。 いえいえ大人になった今でもありますよね。 あのダイエット法が良いと聞いたらすぐに乗り換える…とか?(笑) 10〜11歳の女の子(男の子でも)に、初めての新鮮で驚きの情報がいっぱい入ってきます。そして日々いろいろ経験していきます。そんな成長をしていくなかで「もうすでに自分の考えがしっかりしている」…っていう状態もちょっとどうかと思いませんか? 育っていくなかで「他人の意見に心が動かされる」という経験もどこかで必要です。それで子どもは何かを感じていくものです。 だから、この問題に解答は必要ないと思いますよ。 また5年生から6年生に変わると、急に成長して何事も自分で決めたがるようになるかもしれません。もし、ご両親が進学させたい学校があるのであれば、その学校の情報をたくさん与えてあげることによって、お子さんの決断の手助けをしてあげてくださいね。 |
1年生の今から準備できることは何ですか?
Q | まだ、1年生ですが、中学受験を考えています。 今からどんなことを準備すればいいのか、アドバイスをお願いします。 |
A | 小学1年生の今から、年月が流れるとご両親の考えも変わるかもしれませね。 算数と国語が得意になるような学習習慣がつくとよいです。算数は計算力。国語は読解力。特に読解力が大切です。問題を読んで何が書かれているか? がしっかり理解できるということが中学受験の大前提となるからです。算数の文章題でつまずくお子さんは、問題文を読みこなせていないことが多いです。 そのために読書が好きになるようにしてあげましょう。1年生ですから、まず興味をもてる内容の本からでいいです。いきなり名作などを与えてしまうと本嫌いになりますから。活字に慣れることを大前提にしてください。 算数の計算は集中して迅速・正確にできるように。計算だけ学校より先取り学習をしてもいいでしょう。ただ、あまり「あれも、これも」と欲ばると子どもが勉強嫌いになりますので気をつけてください。 「勉強するのはとっても楽しいんだ」という実感をいつも得られるように…をコンセプトに低学年は過ごせばいいでしょう。計算力がバッチリで読書が大好きであれば、志望校にもよりますが受験対策は4年生からで十分だと私は思います。 |