【回答:ミスター・ツカム】メンタルケア<その2>
「中学受験は親子の受験」とも言われ、保護者のかたの役割はとても大きいもの。受験準備が進むにつれて、心配事や気がかりもいろいろ出てくるでしょう。よくある相談事例について、専門家の先生がたや、合格家庭の先輩保護者のアドバイスを集めました。
苦手克服より、得意を伸ばしたほうがよいでしょうか?
ストレスに弱く、塾に行く直前に頭痛が…
夫が海外赴任になり、他に相談できる人がなく不安です
苦手克服より、得意を伸ばしたほうがよいでしょうか?
Q | 私立大学附属の共学中学校を第一志望として受験予定の5年生です。4教科受験で配点は国・算は各100点、理・社は各50点で、女子の最低合格点は例年220 点前後ですが、苦手科目の算数の点数がなかなか伸びません。算数はできても50%ほどです。他の教科はだいたい70%はとれています。このまま苦手を克服するより、得意科目である国語の点を伸ばすほうが合格しやすいでしょうか? |
A | 結論から申し上げますと、苦手科目の得点アップのほうがよいと思いますし、そのほうがやりやすいでしょう。 他の3教科が70%も得点できているのですから、お子さんはとっても理解力があります。ただ算数の何かでつまずいて「私は算数は苦手なんだわ」と思い込んでしまっています。これを心理学の言葉で『メンタルブロック』といいます。 詳しくは私のメルマガのバックナンバー 「第128回 恐ろしいメンタルブロック(http://www.mekimeki.net/mailmaga1-4.html#128)」を読んでみてください。 具体的には、基本問題をくり返し練習して定着させること。これまでに学習した各単元の例題と基本問題、これをくり返し解くこと。スポーツでいえばランニングと思ってください。5年生ということですから、時間は十分にありますよね。必ず70%に近い得点をとれるようになります。 逆に得意な科目に頼っていると、万が一大きなミスをしたときに痛手になりますよね。そういうこともプレッシャーになってきますから。 例題でも基本問題でも解けたら「できるじゃない!」って言葉かけをしてあげると加速度的に、算数が大好きになるかもしれませんね |
ストレスに弱く、塾に行く直前に頭痛が…
Q | 4年生から進学塾に通っています。5年生の転校を機に(塾は変わっていない)成績が落ち始めましたが、夏期講習に行きたくないと言うので、本人の意思を尊重しました。一時不登校になりつつあり、体調も崩していたので、無理のない程度の受験勉強をしてきました。 9月からまた塾に戻って、受験勉強を再開しましたが、家ではほとんど勉強しないため、成績も伸びません。何度も受験についての話し合いはしているのですが、中学受験をしたいものの勉強に身が入らないという様子です。 ときには、塾に行く直前に頭が痛いと言い始めます。こんな状態では、中学受験はあきらめたほうがよいのではと思いますが、せっかく4年生からやってきたのにという気持ちもあります。 本人は、アレルギーもあり、ストレスにとても弱いので、電車通学への不安もあるようです。本人にとって中学受験がベストなのかわからなくなってきました。アドバイスをよろしくお願いします。 |
A | まずもう一度、「お子さまが中学受験をしたい」と言った理由を話し合って確認してみてください。4年生の時に受験の意思を示したのですよね? この年齢ではまだ確固たる思いをもっていない可能性が高いですね。「お友達が中学受験するみたいだから」「親戚(しんせき)のお兄さん・お姉さんが私立中学に通っているから」 これも立派な志望動機ですが、これだけではモチベーションが続きません。社会人の我々がよく英語の学習を始めても、モノにする人って少ないですよね。途中で投げ出す人が多いです。それは、「英語ができたらカッコいいよね」程度の動機だからです。 (私のメルマガ 第296回「やる気、スイッチオン」 http://www.mekimeki.net/mailmag1-7.html#296 も参考にしてみてください) お子さまにとって中学受験がベストかベストでないか? は、どのご両親も悩まれることで、誰にもわからないことです。 でも、今まで育ててこられた経験から想像してみてください。 私立の中学に通っているお子さま。機嫌よく毎日元気に通っているでしょうか? その姿がイメージできるのであれば、お子さまにふさわしい学校に進まれたらいいと思います。 また、体調が悪くなるのは、まちがいなくストレスを感じていて、無意識の内に拒絶反応を示すからです。集団塾ではなく、個別や家庭教師とかで、お子さまのペースで学習していくという方法もあわせて考えてみてはどうでしょうか? |
夫が海外赴任になり、他に相談できる人がなく不安です
Q | 夫が海外赴任になりました。上の娘のときは、手分けして学校見学や受験の付き添いをしましたが、下は息子で男子校のこともよくわかりません。これから誰に相談すればよいかわからず不安です。 |
A | 基本的にいちばん信頼できるご主人に相談するしかないと思います。お子さんの誕生から現在に至るまで見続けてきて、お子さんのことを最も理解しているのはご両親だからです。学校の先生でも塾の先生でも、親せきや友人でもありませんよね。 では、まず整理して考えましょう。作業面と精神面についてです。 学校見学や資料集め、試験の付き添いなどの「作業面」は、ご主人は物理的に無理ですよね? だからこれは母親のあなたがするしか方法はありません。時間的なことなど厳しい面もあると思いますが、そこはなんとか工夫してこなしてください。やれば必ずできます。 次に「精神面」についてですが、これはお子さんの学校選び・悩みやグチなどを聞いてもらうには、ご主人しかいません。逆に他の人に話せる内容じゃありませんよね? 今は、インターネットがあるので世界中どこでも無料でつながりますよ。例えば、「スカイプ」や「メッセンジャー」という方法で、世界中無料でテレビ電話が可能です。 パソコンに慣れていないかたは少し難しいかもしれませんが、誰か詳しい人に教えてもらえばすぐに通話できますよ。「スカイプやメッセンジャーに詳しそうな人、誰かいない?」という質問をして紹介してもらえれば、必ず教えてくれる人に出会えます。お子さんのために勇気をもって行動してみてください。 |