開成中学校2年生 S・Kさんのお母さま
併願はどのように組まれましたか
1月に、栄東の東大クラスのスカラシップと渋谷教育学園幕張 合格
2月1日 開成 | 合格 |
2月2日 聖光学院 | 合格 |
2月3日 筑波大学附属駒場 | 不合格 |
2月4日 芝 | 受験せず |
という結果でした。
私も息子も開成をめざしていたので、筑駒は当初受けるつもりはありませんでした。しかし、同じクラスの友達は皆受験するし、塾にもすすめられたので6年生の11月になって、初めて文化祭に行って、すばらしい学校だと思いましたが、子どもには開成が合っていると思っていたので、第一希望は変わりませんでした。
受験が終わってから、塾の先生とお話していたら、「振り返れば5年生の終わりにはほぼ結果は決まっていたね」と言われたのです。
小5の終わりまでに、基礎的な力を完成させられるところまで上げておかなければ、実際のところ、その先の変動はほとんどないということなのです。確かに6年生になれば、皆がんばるのでそこから成績を伸ばすのは、並大抵のことではありません。
ですから、弟は今小学5年生なので、6年生になるまでにできるだけ力をつけさせたいと思っています。
■知的好奇心を満たす子育てを心がけた。受験に関しては、健康管理と、声かけが母親の役目。父親は勉強の進捗(しんちょく)チェックと上手に役割分担
子育てで工夫をしていたことはありますか?
子育てに関しては、とにかく脳細胞が発達して、知的好奇心がある間にどんどん刺激を与えたいと思っていました。そうはいっても早期教育を行っていたわけではないのですが、絵本もアニメ絵本は与えず、おもちゃはなるべく天然の素材のものを与えるなど気を配って子育てをしてきたつもりです。
また、私も夫も知的好奇心がとても強いので、自分たちの趣味も兼ねて、本当に子どもが小さい頃から、ありとあらゆる名所旧跡や工場見学などに時間を惜しまず連れて行っていましたね。基本的に、子どもというのは、あまり暇にしないほうがいいのではないかと思っています。
長男が小学5年生のときに主人が関西に単身赴任になったので、休みを利用して奈良や京都の寺めぐりをして、仏像などを見せていました。私は大学で仏教美術を専攻していたので、いろいろ話をして聞かせました。また、6年生になっても北海道へは帰省していました。
先程お話ししたように、小学2年生で東京の学校に転校してから、帯状疱疹(たいじょうほうしん)と股関節炎という大病を二度も患ったので、中学受験の準備を始めてからはとにかく健康に気を使いました。
勉強に関して私は手を出さず、特に算数国語に関しては、「パパに聞きなさい」と言って主人に任せて、私は「やったの?」という声かけくらいしかしませんでした。主人は、節目節目で週1時間くらい、自分の書斎に子どもを呼んで、子どもの力をチェックして、テキストを整理してくれました。
健康管理は具体的にどのようにされたのですか?
特に食事には気を使っていましたね。食事は体をつくる基本ですから。私は、中国語の翻訳の仕事をしていまして、中国の漢方のすごさはわかっていましたので、例えば、鶏まるごと一羽を漢方スープで煮込んだ薬膳(やくぜん)メニューを食事に取り入れたりしていました。
受験生のメニューとして、よく具だくさんのみそ汁がいいとかいわれますが、わが家では薬味を上手に使って、しょうがを入れたりしていました。
特にラスト半年は健康管理には気を配りました。受験直前は寒い時期ですから、豚汁にもしょうがだけでなく、日替わりでにんにくも入れたり、とにかく体を温めるものをとるようにしていました。しょうが湯などよく飲ませていましたね。
また、当時早実の「ハンカチ王子」の斎藤くんが有名になったときで、斎藤くんがあれだけの連投をこなせたのは酸素カプセルに入ったからという話を聞いて、すぐに携帯酸素のスプレー缶を買ってきて、疲れているときには吸わせたりしていました。
「受験にドーピングはない!」と言って、とにかくありとあらゆる、体に良さそうだと思うものは取り入れましたね(笑)。実際の効果がどれほどあるかはわかりませんが、「これは効果がある」と信じて与えれば、その気になるし、親が自分のために一生懸命になっているという姿勢は、子どもに安心感を与えることができると思います。
とにかく、受験は体力が勝負です。体力がないと、頭も働かないし、気持ちも暗く落ち込みますからね。