開成中学校2年生 S・Kさんのお母さま

■今回は、ご長男が開成中学校に見事合格されたお母さまに登場していただきます。途中、受験にまつわる人間関係で悩むこともありましたが、思った以上の結果に中学受験をしたことに満足しているとおっしゃいます。ひたすら健康管理に努めたというお母さまにその秘訣も伺いました。(2008年10月20日)


profile
開成中学校2年生
S・Kさん

東京都目黒区在住。
Sさんは、「プライドの高いところがあるが、それが中学受験ではプラスに作用した」という負けず嫌いの男の子。中学受験は自分の強い意思があったのでがんばれたと言います。2007年に見事開成中学校に入学。現在卓球部に所属して、グループの先頭に立って中学校生活を思いきり楽しんでいます。

小学2年生で転校した小学校での人間関係になじめず、このまま同じ環境にいるのはイヤだと、本人も中学受験を希望

いつから中学受験を考えられたのですか?


私自身は中高とも公立の出身ですが、大学の友人の多くがたまたま私立出身者で、学力の面だけでなく良い人脈や教養を身につけていて、とてもすてきだったので、自分の子どもにもこのような環境を与えたいとずっと思っていました。
また、夫の転勤で息子が小学2年生のときに東京の学校に転校してきたのですが、そこの環境にあまりなじめず体調を崩したりしたこともあり、本人もこのまま同じ人間関係を引きずって地元の中学に行くのはイヤだと言っていまして、中学受験は自然の流れで考えたといえるかもしれません。

私は、小学3年生になったら塾に入れたいと思いましたが、夫は北海道出身で、高校から函館ラ・サールに進んだため、「自分はちゃんと国立大学に入って、公務員になっているのだから、中学は公立でもいいのではないか」という考えで、そこを説得するのに半年かかりました。最終的には、中高6年間を落ち着いた環境で過ごさせたいという私の考えを理解してくれて、小学3年生の夏期講習前に日能研のオープンテストとSAPIXの入室テストを受けました。
日能研の結果は良かったのですが、SAPIXは4クラスあるうちの下から2番目のクラスという結果でした。切磋琢磨したほうが子どもの能力も伸ばすことができるのではないかと思い、SAPIXに入塾しました。
でも、一緒に入室テストを受けた私の友人のお子さんは、いちばん上のクラスだったので、正直なところその結果には親子でちょっとショックでした。しかし、「これから努力すればいいのだ」と言い聞かせました。負けず嫌いな面もあったので、半年後にはいちばん上のクラスになりました。
それでも、小学生の頃の息子はどちらかというとおとなしくて線が細いタイプでしたので、親としては、最初は塾通いが続くかどうかも不安でした。だから当然、入室テストを受けた時点では開成などみじんも考えていなくて、中堅校に入れればいいなと思っていました。それがこんな結果になるなんて、入塾当初は想像もできなかったことです。


いつから開成をめざすようになったのですか?


小学4年生で成績が伸びていちばん上のクラスに上がった頃からでしょうか。塾からもすすめられましたし、小4の春に運動会を見学に行って、まず私が「ここしかない」と思いました。開成は、先生の世代も若く、組織としての教育力があるように感じます。親としては、大人数の中でもまれて厳しく育ててほしいと思いましたので、その点でも、うちには質実剛健な開成の雰囲気が合っていたのだと思います。
子どももしばらくすると開成をめざすと言うようになりました。
家からだと麻布のほうが断然近いのですが、なぜかあまりピンとくるものがありませんでしたね。


受験勉強中は、お子さんはどんな様子でしたか?


塾はとても楽しかったようです。当時、開成コースは8人だったのですが、算数オリンピックのファイナルに4、5人残るくらいとても優秀な仲間もいて、息子はその中でいつも7、8位でした。あるとき、塾の先生から返された小テストの答案にダントツの8位と書かれたことがあって、本人は、そのことがとても悔しくて泣いていましたが、それでもなんとか克服しようとしていましたね。
一緒に勉強する仲間が優秀だったので、「なんとか追い越したい」とそれがかえって励みになっていたようです。


プロフィール



教育ジャーナリスト、「登録スタッフ制企画編集会社<ワイワイネット>」代表。塾取材や学校長インタビュー経験が豊富。近著に『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)。

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