開成中学校2年生 S・Kさんのお母さま

中学に入学して、人間的にも成長したことに満足

入学後の様子はいかがですか?


開成は、大人数の学校で、先生だけでなく、先輩が後輩を指導するという校風があります。学校内の人間関係が縦横無尽にクロスしていて、おとなしく気の弱いうちの息子も、先輩後輩の上下関係の中で学ぶことが多くて、とても積極的で明るくなりましたね。
小学校のときには、対人関係になじめず暗いトンネルの中にいるようでしたが、中学に入ってからは、とにかく遊びのリーダーになって楽しんでいます。
クラブは卓球部に入っていて、週4日練習があります。週2日塾ですから毎日8時前に帰ることはありません。開成は、行事も盛んで、勉強も大変ですから、中1の6月には、体調を崩す生徒が続出するんです。うちも最初は疲れたようですが、がんばっていましたね。環境が変わって、のびのびしたんですね。
開成の生徒は、陸上部の中にピアノサークルがあるくらい、なんでもできる子も多いのですが、そういう子も特別扱いはしないし、反対にうちの子のような子にも、ちゃんと居場所はあるのです。

でも、家の中では、入学してから中1の秋にかけて反抗期で大変でした。実は、開成の合格発表のときに、私が握手しようと出した手を振り払って駆けていってしまったのです。そのときに、もう自分から離れていってしまったんだなと実感していたのですが、思い返せば、それが反抗期の始まりだったのかもしれません。中学に入ったらとたんに遠くに行ってしまいました。
勉強のほうは、できる子ばかりの集まりですから最初は低迷していました。今は塾にも素直に通っています。これは私が勝手に申し込んだので、最初は反抗して行かなかったのですが、先輩に行ったほうがいいと言われたら、コロッと態度を変えて、まじめに通うようになりました。先輩の言うことは素直に聞くんですよ。最近は少しずつ成績も上がってきたので、ひと安心といったところです。
受験は確かに大変ですが、がんばったことはムダにはなりません。今の息子の様子を見ていて、本当に受験をさせてよかったなと思います。


▼各教科の要点をまとめたメモノート
きちんと丁寧な文字で、まとめられたノートは所どころに付せんがはられたまま。努力のあとが残っています。


<取材後記>
中国語の翻訳のお仕事を手がけるというお母さまは、さすがしっかりとされていて、お子さんの様子をちょっと遠くから、きちんと見ていらっしゃるという感じでした。 父親が、勉強のチェックを担当、母親は声かけと健康管理と、ご夫婦で役割をきちんと分担なさっていたのが、成功の秘訣ではないでしょうか。 (教育ジャーナリスト 中曽根陽子)


プロフィール



教育ジャーナリスト、「登録スタッフ制企画編集会社<ワイワイネット>」代表。塾取材や学校長インタビュー経験が豊富。近著に『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)。

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