理科「もののとけ方」[中学受験]

理科の「もののとけ方」を取り上げます。水よう液にとけているものの量や、水よう液のこさを求める問題など、理科の知識に加えて計算式の組み立てといった算数の教科力もためされるこの単元。正解へのカギは、問題文から得られる数値(すうち)などの情報をしっかりとキャッチして活用すること、そして何より、問題のパターンになれることといえるでしょう。今回は、実際の中学入試問題から厳選(げんせん)した良問を例題に、ツカム先生がわかりやすく解説します。くり返し取り組んで、得意単元にしていきましょう。


■理科「もののとけ方」

みなさん、こんにちは。合格総理大臣ミスター・ツカムです。
今回は理科の「もののとけ方」を取り上げます。この単元は「比例」の考え方がしっかり定着していて、グラフや表を正確に読んで計算すれば、何の問題もなくクリアできます。
それと問題が一定のパターンで出題されますので、以下の4問をしっかりマスターすればバッチリですよ。
では、さっそく問題を見ていきましょう。



問題1
水の温度とミョウバンのとける量を調べる実験をしました。次の問いに答えなさい。

グラフ(1) 水100gにとけたミョウバンの量は次の表のような結果になりました。この結果を解答らんにグラフで表しなさい。ただし、点はなめらかな線で結びなさい。

  表


(2) 20℃の水100gにミョウバンを10g入れるとすべてとけました。あと何gとけると考えられますか。

(3) 水150gにミョウバン36gを入れてかきまぜると、とけ残りました。水の温度を上げていくと約何℃からすべてとけると考えられますか。(1)で書いたグラフをもとに答えなさい。

(4) 60℃のお湯200gにミョウバンをとけるだけとかしました。この水よう液を40℃までゆっくり冷やすとミョウバンは何g出てきますか。
(松蔭中 2007年)
<問題1の考え方と答え>
まず、基本事項(じこう)を確認(かくにん)しておきましょうね。

●水の量ともののとける量

とけるものの量は、水の量に比例します。
だから水が蒸発(じょうはつ)すると、とけきれなくなったものが「結しょう」となって出てくることがあります。


●水の温度ともののとける量

【1】水の温度が変化すると、もののとける量も変化します。
   ホウ酸や食塩は、水の温度が高くなるほど、とける量が多くなります。

【2】水の温度を高くしたときの、もののとける量の増え方にはちがいがあります。
   ホウ酸は増え方が大きく、食塩は小さいです。


では、さっそく問題にいきましょう。
<問題1 (1)の考え方と答え>
これは正確に点を記入して、なめらかな線をひくだけですね。

(答え)

<問題1 (2)の考え方と答え>
表より、20℃ではミョウバンは11.4gまでとけるので、次のようにひき算をすればいいですね。

 11.4 − 10 = 1.4(g)

(答え) 1.4g
<問題1 (3)の考え方と答え>
もののとける量は、水の量に比例しましたね。



(1)のグラフから 約40℃ですべてとけると考えることができます。

(答え) 約40℃

「ちょっと待って!表から、100gの水が40℃のとき、ミョウバンは23.8gしかとけないよね? 『水150gにミョウバン36g』と、『水100gにミョウバン24g』が同じ状態だっていうなら、水が40℃のとき、0.2g(水150gでは0.3g)のミョウバンがとけずに残るはずだよ! ミョウバンがすべてとけるのは、正確には40℃より高い温度のときじゃない?」

そう考えた人もいるかな? なかなかするどいですよ。

今回は、「約何℃からすべてとけると考えられるか」を「(1)で書いたグラフをもとに答える」ことが条件でした。
「正確な温度は何℃か」ではなく「約何℃」となっている点もポイント。
問題文であたえられた条件にそってグラフを読み取ると、答えは…「約40℃」で正解となります。
<問題1 (4)の考え方と答え>
60℃ の水200gにとけるミョウバンの量は?

  

同じように、40℃ の水200gにとけるミョウバンの量は?

  

だから、出てくるミョウバンは、

  114.6 − 47.6 = 67(g)

(答え) 67g

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

子育て・教育Q&A