志望校検討のための2010年入試の予想 その4[中学受験]

2月1日入試の続きだが、午後入試は、年々受験者数が増えていて、2010(平成22)年入試でもさらに受験者数が増加する予想がある。特に神川県の受験は、1月中の入試がないので、2月1日の午後をいわゆる併願受験にして、押さえの学校を持ってくるという傾向が年々強くなってきている。午後入試で人気がある、国学院久我山(ST)・宝仙学園(理数インター午後)・横須賀学院などがどのくらい受験生を集めるのか? また、これら午後入試の新規参入校が、従来午後入試で人気のあった青稜・順天・郁文館・桜美林などにどのような影響を与えるのか?
午後入試の需要は増加してきてはいるが、それ以上に午後入試を行う学校が増えた結果、受験者が分散して受験者数が減少する学校も出そうだ。

2月1日入試で、女子の受験生にとって大きな変化は、中央大学付属が開校することで学習院女子・立教女学院・日本女子大学付属などの女子校の付属校が競合するので、入りやすくなる学校が出ると予想できる。

2月2日入試は、特別に大きな変化はないといっても良い。変化があるとすれば、付属校では、2月1日入試の中大付属や早稲田大学高等学院中がどの程度、明治大学明治・学習院・立教池袋・青山学院などの付属校に影響を及ぼすか、また、進学校では、2月1日入試で受験者数が減少する学校が本郷・城北・巣鴨などにどのような影響を及ぼすかに注目すべきだ。
2月1日の東京都の開成・麻布と2月2日の神奈川県の聖光学院・栄光学園を併願するケースがわりと多くなっている。そうなると東京都の2番手の進学校を受ける割合が少なくなってくる。つまり、東京都の2月2日入試である城北の2回目、巣鴨の2回目、攻玉社の2回目が受けやすくなる可能性がある。それは神奈川県の桐光学園や鎌倉学院でも同じことで、全般的に2番手校が受けやすくなる可能性がある。

従来、2月2日は、豊島岡女子学園の志願者数が多く、サンデーショックの2009年は減ったものの、2010年入試では志願者が盛り返す予想もある。慶応義塾大学湘南藤沢・青山学院・明大明治など付属校の志願者数も多く、2010年入試も付属校の受験者が増加する予想ができる。また、2月2日の午後入試もずいぶん増えてきて、特に2010年入試では広尾学園などは人気が高くなりそうだ。

2月3日入試では、2月1日の早大学院や早稲田実業を受験する場合も、2月3日は早稲田中を受けることが予想されるので、受験者数が増えそうだ。国立と都立中高一貫校は、不況という要因で、全体として増えていくと予想される。2010年入試では、都立中高一貫校の富士・大泉・三鷹・南多摩の4校が新規開校となる。また、神奈川県の公立中高一貫校2校が今回から2月3日に移動する。

以上、2010年入試動向を簡単にまとめたが、これからの志望校選定に役立ててもらえればと思う。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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