理科「もののとけ方」[中学受験]

問題4
水にとけるミョウバンの量が温度によって変化することを、次のような実験をして確かめました。

1 ミョウバンと水の重さを正確にはかり、試験管に入れる。

2 ビーカーに水を入れ、ガスバーナーで加熱する。このビーカーに1の試験管を入れてあたためる。ビーカーには温度計を入れる。

3 試験管の中の水よう液をガラス棒でかき混ぜ、ミョウバンが全部とけたときの温度を記録する。

4 同じようにして試験管の水の量は変えずに、ミョウバンの量を変えて実験を行う。
図



 (2)この実験で試験管を直接ほのおで加熱しない理由を、次の中から選びなさい。

   ア 試験管に使われているガラスはビーカーより熱に弱いため。
   イ 試験管内の水よう液の温度をゆっくり上げるため。
   ウ 試験管の外側にすすがつくため。
   エ 温度計が直接ミョウバンの水よう液につかないようにするため。
   オ 試験管を支えるスタンドを使わなくてすむため。


次の表は、いろいろな温度で水100gにミョウバンが何gとけるかをまとめたものです。このデータを使って以下の問いに答えなさい。

表

(3)80℃で水20gにミョウバン4.8gをとかしました。この水よう液を冷やしていったところ、
   ある温度で結しょうが生じました。その温度は何℃ですか。

(4)(3)の水よう液を20℃にして、数日放置したところ結しょうが3.0g生じました。
   何gの水が蒸発したと考えられますか。小数第2位を四捨五入して答えなさい。

(青山学院中等部 2008年抜粋)
<問題4の考え方と答え>
最後に、総合的な入試問題にチャレンジしてみましょう。
<問題4 (1)の考え方と答え>
先の問題にも出てきましたが、「ミョウバン」といっても、なじみがないでしょうか。
この機会にその特ちょうを覚えてしまいましょう。
ミョウバンは、
   ・無色の結しょうです。
   ・水にとけると弱酸性になります。
   ・スーパーマーケットなどでも手に入ります。
   ・料理では、くりきんとんを作るときに、くりの形がくずれるのを防ぐのに使います。
   ・くらしの場面では、消臭(しょうしゅう)液を作ったりもできますよ。
   一度、家でチャレンジすると親近感がわくかもね!

(答え) エ
<問題4 (2)の考え方と答え>
試験管を直接ほのおであたためると、急に一部分だけ温度が上がってしまいます。
それを防ぎ、温度をゆっくりと上げるために、水を入れたビーカーに試験管を入れるのです。
また、燃えやすい液体をあたためるときにもこの方法を使いますね。
この方法を「湯せん」といいます。
(答え) イ
<問題4 (3)の考え方と答え>
表はいろいろな温度の水100gにとけるミョウバンの量ですね。



40℃に注目すると → 24 ÷ 5 = 4.8(g)までとけることがわかりますね。
つまり、
水よう液を40℃に冷やしたところで結しょうが生じ始める、というわけです。
(答え) 40℃
<問題4 (4)の考え方と答え>
結しょうが3.0gできたので、水よう液にとけているミョウバンは、
  4.8 − 3.0 = 1.8(g)   です。

これが、今何グラムの水にとけているのか? …を、考えてみましょう。

20℃の水100gにとけるミョウバンは11gなので、次の比例式が成り立ちますね。
  1.8 :□ = 11 : 100
  □ = 1.8 × 100 ÷ 11
  □ = 16.36 …  → 16.4(g)   です。

だから、 20 − 16.4 = 3.6(g)の水が蒸発したと考えられます。

(答え) 3.6g


以上です。いかがでしたか?
この単元は「比例」の考え方がしっかりしていれば、くり返し練習することで、得意になることがわかったでしょう? キミもぜひこの機会に「もののとけ方」を確実な得点源(とくてんげん)にしてくださいね。大丈夫(だいじょうぶ)。くり返し練習すれば必ずモノになりますよ。



合格総理大臣 ミスター・ツカム




プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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