算数「速さと比(2)」[中学受験]


問題4
表まっすぐな通路と、それにそったAからBに進む「動く歩道」があります。右の表を使って、次の問いに答えなさい。

図

1.兄と弟が「動く歩道」をAからBまで歩くとき、かかった時間の比を最も簡単な整数の比で表しなさい。
2.「動く歩道」の速さは、通路を歩く兄の速さの何倍ですか。
3.兄と弟が「動く歩道」と同じ長さの通路を歩くとき、歩数の差を求めなさい。
(青稜中 2007年)
<問題4の考え方と答え>
先月も「歩数」と「歩幅(ほはば)」についての問題を取り上げましたね。「あっ、あの問題ね!」と、すぐわかった人はすばらしいです。

「歩幅」×「歩数」が、一定時間に進む「道のり」でした。

<問題4 1の答え>
兄と弟の歩幅の比は4:3で、歩数はそれぞれ、77歩と96歩。
通路を歩く兄と弟の速さの比は7:6だから、動く歩道を歩くときのかかった時間の比は?

4×77/7:3×96/6=11:12 (答え)11:12

《アドバイス!》
「通路と動く歩道がまざってしまって、よくわからない」という人、いませんか?
もう少し説明を加えましょう。

(4×77):(3×96)は、兄と弟がそれぞれ動く歩道をAからBまで歩くときの、自分の力で進んだ道のりの比です。
このときの2人が歩いた時間をそれぞれ ア、イ とすると、下の図のようにまとめられます。


図

矢印は、通路を歩くのと同じことなので、通路を歩く速さの比7:6を使うと、
ア:イ=4×77/7:3×96/6となります。

ところで、2人はそれぞれア、イの時間で動く歩道をAからBまで歩くので、答えのようになるわけです。

<問題4 2の答え>
動く歩道での、兄と弟の速さの比は? かかった時間の比の逆比で、
12:11
通路での、兄と弟の速さの比は、7:6だから、こんな図がかけます。


図


図からわかるように、1=1で、動く歩道の速さは、5と表せます。
よって、5÷7=5/7 (答え)5/7倍
<問題4 3の答え>
こういう問題は、先の問題の答えが重要なヒントになっていることが多いです。考えに行きづまったら、上の答えにヒントがかくされているぞ! …と考えましょう。

上でかいた図は、こうも考えることができますね。


図


つまり、自分の力で歩いたのは、兄はAB間の7/12、弟はAB間の6/11です。

その歩数がそれぞれ、77歩と96歩だから、
AB間と同じ長さの通路を歩くと、

兄 77÷7/12=132(歩) 弟 96÷6/11=176(歩)

176 - 132 = 44


答え44歩

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

子育て・教育Q&A