算数「速さと比(2)」[中学受験]
実際の入試問題をご覧になると、実にさまざまな問題があることに驚かれると思います。とくに算数では、複数の単元の要素を組み合わせた問題も多く、一見すると難問ばかりと思えるかもしれません。しかし算数は、基本をしっかりと理解し、繰り返し問題に取り組むことで、「答えを導き出すための考え方」を身につけることができる教科です。
■「速さと比(2)」
「速さと比」を取り上げます。
速さと比でおさえておくことを、確認しておきましょう。
- 速さが一定のとき → かかる時間の比 と 進む道のりの比 は等しい
- 時間が一定のとき → 速さの比 と 進む道のりの比 は等しい
- 道のりが一定のとき → 速さの比 とかかる時間の比 は「逆比」になる
3つつなげると ○-□-△- おでんの形に似ているから、名づけて「おでん解法」、覚えているかな? 今回も、この「おでん解法」を使って問題を解いていきます。
では、スタートです!
問題1 |
さとし君の家から上り坂を上ったところに図書館があります。さとし君はこの坂を、上りは分速50mで、下りは分速75mで歩きます。坂の途中(とちゅう)には郵便局があり、そこから90m坂を上ったところには中学校があります。 ある日、さとし君は家から図書館に向かいましたが、郵便局まで来たところで忘(わす)れ物をしたことに気づき、すぐに家に引き返して忘れ物をとり、すぐに図書館に向かいました。そのため、図書館に着くまでに、予定の時間の2.1倍かかってしまいました。 そしてその日の帰り道、中学校まで来たところで、さとし君は忘れ物をしたことに気づき、すぐに図書館に引き返して忘れ物をとって、すぐに家に向かいましたが、家に着くまでに、予定の時間の1.7倍かかってしまいました。 さとし君の家と図書館の間の道のりは何mですか。また、さとし君の家と郵便局の間の道のりは何mですか。 (開成中 2006年) |
<問題1の考え方と答え> |
この問題のポイントは、「郵便局 ~ 中学校」の道のりが90mとわかっていることですね。 「この90mが全体のどれだけにあたるのか?」がわかれば、答えが導き出せますね。 では、前半と後半に分けて考えていきましょう。 次に、上りにかかる時間と、下りにかかる時間の比は? では、かかる時間の比を整理してみます。 つまり、 後半も同じようにやればいいですね。 それで、 「図書館 → 中学校 → 図書館」にかかる時間 :「図書館 → 中学校」にかかる時間 かかる時間の比を整理して、 「図書館 → 家」にかかる時間と「図書館 → 中学校」にかかる時間の比が つまり、 続いて、行ったり来たりする「Uターン」の問題ですよ。 しっかり図をかけば、全然ややこしくないからね。 |
問題2 | ||||
4人乗りの車が1台だけあります。今7人がここから72km離(はな)れた親せきの家まで行こうと思います。徒歩で向かう3人、車で向かう4人に分かれ、 同時に出発します。途中(とちゅう)で、車に乗っている4人のうち3人は車を降りてその後は徒歩で親せきの家に向かいます。残りの1人はそのまま車でU ターンし、歩いている3人と出会ったら、その3人を乗せて再びUターンして親せきの家に向かいます。車の速さを時速36km、歩く速さを時速4kmとする とき、次の問いに答えなさい。
(開智中 2007年) |
<問題2 1の考え方と答え> |
途中で降ろしてUターンして、歩いている人と出会うのはこんな感じですね。 |
<問題2 2の考え方と答え> |
これも前半・後半を意識して図をかいてみましょう。 |