算数「速さと比(2)」[中学受験]

問題5
1時間に6分の割合で遅(おく)れる時計Aと1時間に6分の割合で進む時計Bがあります。両方の時計を正しい1時の時報に合わせます。時報に合わせてから時計Aの長針と短針の間の角度が初めて90°になるとき、時計Bは何時何分何秒をさしていますか。
(開成中 2005年)
<問題5の考え方と答え>
速さと比の最後に「時計」を題材としたものにふれておきましょう。

「正確な時計の速さ」を60とすると、「1時間に6分遅れる時計の速さ」は54 「1時間に6分進む時計の速さ」は66と表されます。

だから、

時計Aの速さ:時計Bの速さ=54:66=9:11

1時には、時計の長針は短針より30度うしろにあります。
長針と短針は1分間にそれぞれ、6度と0.5度進みます。

だから、時計Aが1時から初めて90度になるのは、

(30+90)÷(6-0.5)=240/11(分後)です。

これは時計Bで、

240/11×11/9=26と2/3(分) (答え)1時26分40秒

もしかして、こんなことを考えた人もいるかもね。

「チョット待ってよ。時計Aは遅れているんでしょ?その不確実な時計で、240/11分って計算してもいいの?」

…そうですね。ごもっともです。

では、正確な時間はどうなっているのか考えてみますね。

時計Aが240/11分進むと、正確な(本当の)時間■は? 240/11×60/54=■ この式出てくるよね?

では、そのとき、時計Bは? 次の式で計算できます。

■×66/60

つまり、つなげると、

240/11×50/54×66/60=240/11×66/54= …で、同じことになります。

きみの心のモヤモヤは晴れたかな?

以上、2回にわたって「速さと比」の問題を練習してきました。
何回もくり返して解いて、定着させてください。
「ああ、もう知ってる知ってる…」と軽く思わないようにネ。

例えば、プロ野球の一流バッターでも、何度も何度も変化球を打つ練習をしていますよ。
もし、このレベルの問題がまだ難しいなあ…と感じるなら、もう少しレベルを落として練習してください。必ず理解できる日がやってきますよ。

ごきげんよう。ミスター・ツカムでした。

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

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